2004年6月定例会 次世代育成特別委員会での質疑のまとめ

待機児童解消と在宅育児支援の両立を確約させる

松崎:   今年4月現在の保育所の待機児童数は県全体で3078人に上っている。横浜など政令市では民間の力を活用して保育所整備を進めているが、一方で、作れば作るほど「安心して共働きができる」ということで、それまで在宅で子育てしていた人が「子どもを預けたい」となるという、予想とは違った流れも出てきている。「待機児童解消が思うように進まないことの背景にはこのような点がありそうだ」と県児童福祉課も考えていると新聞にはあるのだが、待機児童解消に向けた取り組みと成果について県としてどのように受け止めているのかここで直接聞きたい。

県側:   県全体の待機児童数は、去年4月には2944人だったのが今年4月には3078人となかなか減らない状況にある。このうち県所管域はこの一年で69人減少しているから、横浜など政令市は、保育所の新設を進めているのに待機児童は逆に増えた。このような状況の背景には、ご指摘の通り、近隣に保育所が新設されると潜在的だったニーズを掘り起こすということがあり、また県内ではこのところ大規模な工場跡地にマンションが建設され、地域的な保育へのニーズが一挙に出てくるといった事情もある。さらに、経済情勢が厳しくなって就学前のお子さんをお持ちの若い世帯が共働きをする傾向が高まっていることもあると受け止めている。

松崎:   保育所入所を待っている児童の問題解決は、「それをクリアしなければ次世代育成支援は進まない」というくらいの最大の条件だ。ところで、保育所の増設とならんで、在宅での育児の支援にももっと取り組むべきと考えるが。

県側:   在宅で子育てをされていて、一人だけで子育てがとても大変だとか、子育てがつらいといった「子育て不安」も高まっている。このような在宅で子育てされている方々のためには、相談を受けたり、親子同士が気軽に交流したりできる子育て支援センターであるとか、地域育児センター、一時保育などの取り組みを進めている。待機児童解消と在宅での子育て支援との両方のバランスをとって取り組みを進めていくことが基本であると考えている。さらに待機児童解消のためには、職場での育児休業取得や働き方への施策も大きく関わってくるべきものだ。

松崎:   施設整備に偏るのではなく在宅育児への支援にも力を入れるということと受け止める。在宅育児は決して過去形で語られるべきものではなく、いまもってニーズはあるし、文化や歴史にも関係してくる大切にすべき部分と考えている。在宅での子育てに対するきめ細かい支援が重要であり、保育と在宅育児と両方のニーズをきちんととらえながら、答弁いただいたような線で取り組みを進めていただきたい。在宅育児の支援については、子育てを実際にしている人たちの活動も活発なのに、あまり知られていない場合も多い。家庭を中心とした子育ての支援のために情報提供などにももっと力を入れることが重要と考える。

県側:   県としては「子育て支援センター」での情報提供や親子の交流・情報交換の場の提供に取り組んでいく。子育て中の親子にはできるだけ身近な地域での情報提供が重要であるので、保育所や幼稚園にも同じような役割を担っていただく。