神奈川県議会2005年2月定例会 次世代育成特別委員会のまとめ
虐待等で一時保護されている子どもたちの教育に在籍する学校の教員派遣を確約
松 崎: 虐待等で一時保護された子どもたちのいる一時保護所への教員配置については、教育委員会と福祉部でやり取りが続いてきたがいまだ決着していないのではないか。
県 側: 一時保護所で教育を専門にできる職員の配置は、これまでも課題であったし、昨年は県の児童相談所から具体的な対応を求める報告書も出され、福祉部と教育委員会で対応を相談している。
松 崎: 「一時保護所における教育を受ける権利の保障について」という報告書のことか。
県 側: その通りだ。この報告書は県の児童相談所が検討しまとめたものだ。虐待を受けた子どもたちは、もとの学校に通うことが困難で、一時保護所の職員が学習指導を行っている。しかし、複雑な家庭環境で育ったことから、学習の評価を行ったり、学習計画を立てたり、在籍校に戻る際に学習の成果を正しく伝えたりしなければならないのに、十分できていないことが課題だ。このため報告書は専任の職員と学習の場所の確保を求めている。現状は職員といっても時間のローテーションで次々変わるし、生活の場と同じところで学習するのでおよそなじまない、としている。
松 崎: 県としてこの報告書をどう受け止めているか。
県 側: 最長2ヶ月の一時保護期間の上限まで保護することも珍しくない。できるだけ学力もつけてあげたい。
松 崎: 義務教育の話をしている。教育を受ける権利は憲法が保障する具体的な権利であって「できるだけ」ではなく「必ず」ではないか。
県 側: 県はこの課題を解決しなければならない。学校教育として教員を派遣する方法もあるし、学校教育に準じる専任の職員を配置することも考えられる。
松 崎: 教育委員会はどう考えるのか。
県 側: 教育を受ける権利を保障し学習環境を作ることは当然の責務だ。具体的に役割を担っている市町村教育委員会と調整し、子どもの心理的な面のフォローアップも含めて子どもの在籍する学校が役割を果たすよう、支援する。
松 崎: 確認するが、その子が在籍する学校が一時保護所に出向いて指導する、ということか。
県 側: 在籍校の教員が一時保護所と連絡を取りながら出向くよう、県教委として指導する。
松 崎: これで方向は出たから、課題解決に向け早急に取り組むよう求める。