平成18年11月2日 厚生常任委員会質疑概要

<神奈川がん臨床研究・情報機構のがん情報提供事業について(病院事業庁)>

松崎       ●  がん情報提供事業として、ネット上での情報提供を11月20日から始めるということだが、そのとおりか。

経営改善担当課長               ○  現在11月20日の予定で作業を進めている。

松崎       ● 国立がんセンターの「がん対策情報センター」ではどのような情報を提供しているのか。

経営改善担当課長             ○ がん対策情報センターは、患者さんや家族のがん医療に対する不安等の解消やがん医療水準の向上・均てん化を図るため、がん情報提供ネットワークの中核的役割を果たすものである。

  国立がんセンターはナショナルセンターであるので、全国どこでも誰でも知りたい情報を提供することになるので、一般の方向けには、各種がんに関する解説やがんの予防法、がんの治療法に関すること、地域がん診療連携拠点病院情報をホームページで提供している。

  また、医療従事者向けには、診療ガイドラインや診療手順書などを情報提供している。

松崎       ● 神奈川がん臨床研究・情報機構の「がん情報センター」が提供する情報は、国立がんセンターと比べどのような特色があるのか。

経営改善担当課長               ○ 国立がんセンターでは、一般的ながん情報を出すわけだが、県のがん情報センターでは、国立がんセンターとの情報の整合性をとり、国立がんセンターで提供するものについては国立がんセンターにまかせ、県が提供するものについては、より県民に近い情報を提供したいと考えている。

  具体的には、神奈川県の地域のがん登録の情報で、例えば市区町村別、部位別、性別の罹患率の状況や、県内の医療機関の情報を考えている。

  がん診療連携拠点病院、自治体立病院、大学病院や公的病院の診療情報ということで、例えばがん種別の年間手術件数、セカンドオピニオン外来の有無、放射線治療機器の保有状況、緩和医療の実施状況など、患者の方々が治療の自己選択をする一助になるような情報を考えている。

  手術件数などは国立がんセンターでもまだ提供されていない情報で、先進的な内容だと考えている。

  この9月19日に県内の公的医療機関を対象に情報提供事業の説明会を開催してアンケート調査を実施し、現在その集計作業を進めており、11月20日にはインターネット上で情報提供できると考えている。

松崎       ● 患者さんにとって欲しい情報がそこにあると考えてよいか。

経営改善担当課長               ○ 患者の方の立場からすると、一つ一つ病院のホームページをあたって調べる手間が省け、がんの種類別に手術件数があまり公表されていない中で、公表を前提にアンケートを実施しており、こうした情報は、医療機関の選択や、治療に向けての自己選択に資するものと考えている。

松崎       ● こうした例は聞いたことがないが、かなり先進性があるということか。

経営改善担当課長               ○ 知る限りでは、こういうことをやっているところがあるかどうか承知していない。

松崎       ● がん患者は、苦痛に悩み、痛みのない治療方法など色々な情報を探している。この「がん情報センター」では、このような補助・代替療法に関する情報をどのように提供するのか伺いたい。

経営改善担当課長               ○ 抗がん剤治療は副作用が多く、しかも患者の2割から3割にしか効果がないとされている。  

 抗がん剤治療を行っている患者さんは、副作用に悩む方も多く、補助・代替療法にも強い関心を持っていると承知している。  

 がん情報センターでは、信頼性の高い公的機関のホームページにリンクする形で情報提供ししたいと考えている。

松崎       ● (要望)

 がん情報センターに期待される役割は大変大きい。是非よりよいものを提供していただきたい。