平成19年11月13日神奈川県議会決算特別委員会での質疑のまとめ

○ 遊休県有地の利活用について

松崎:    県有地の有効活用、それから電子入札に関して何点かお伺いしたいと思います。

 まず、県有地の有効活用についてでありますけれども、歳入歳出決算調書の中にも、土地及び建物総括表がございます。このうち、土地の有効活用の状況についてお伺いするわけですが、端的にお答えいただきたいんですけれども。

武藤財産管理課長:            平成19年3月31日現在で、面積約57万5,000平方メートル、台帳価格にいたしまして約498億円でございます。

松崎:    非常に広大な面積で、莫大な金額でございます。この中にも、処分が難しいものやあるいは県が使う予定のもの、処分を予定しているものなどさまざまあると思うんですけれども、私が先般、さきの定例会におきまして知事にこの移譲促進について質問をいたしました中で、売却などの処分が難しい土地についても、でき得る限り貸し付け等の有効活用を図っていくという答弁がありました。また、空き地になっている県営住宅用地については、民間の提案を生かしてモデル的な活用を実施する、これらを含めて新たに県有地の有効活用に関する基本的な考え方を整理していくという答弁がありました。

 そこで、お聞きしたいんですけれども、平成18年度のこの決算を見ても、広大な土地がそして莫大な金額の用地が遊休地化しているわけでありますが、この基本的な考え方について、どういう検討をしていますか。

武藤財産管理課長:            県有地の有効活用に関する基本的な考え方についてでございますけれども、県といたしましては、これまでも公的な利活用を優先して検討するとともに、そうした活用が見込めない場合には積極的な売却を図り、財源確保策の一助としてまいりました。県民の大切な資産である県有地の適切な有効活用を図るため、利活用方策の検討の進め方を明確にすること、県みずからの利用や他団体への譲渡が困難な場合においても、よりきめ細かな利活用方策を検討すること、こういったことなどを、現在、処分や貸し付けに関する考え方を整理いたし、関係部局と調整を図っているところでございます。今後、遅くとも年度内にはこれを確定させまして、庁内に周知し、全庁統一的な運用を図ってまいりたいと考えております。

松崎:    また、同時にお聞きしますけれども、やはり平成18年度決算の歳入歳出決算調書の中にも記載がございますけれども、それでは県営住宅用地の活用についてはどのような検討を行ってきたのか、また行っているのかお答えください。

鴻谷県土整備部参事(県営住宅担当):          現在、公的な活用をしないこととしました県営住宅用地につきましては、少しでもやはり処分できるように進めていくことが基本ではございますが、すぐ処分が難しい用地につきましては、これまでも地元の要望を受ける形で広場とか、あるいは防災資機材倉庫の場所とか、こういうことに利用はしていただいておりますが、今後さらに検討会を設置いたしまして、県有財産の有効活用の観点から検討を始めているところでございます。

 具体的には、駐車場などとして、一定の間、民間事業者に貸し出すという視点から、未利用地の状況把握と活用に向けた課題の整理を行っておりますが、来年度、できることからモデル的に実施していこうということで、具体的な場所の検討も含めて準備しているところでございます。

松崎:    県有地のさらなる有効活用に向けまして鋭意検討されていることはわかりましたので、引き続きしっかりと取り組んでいただくよう要望して、かつ次、先ほど申しましたけれども、電子入札の導入と、それから入札契約制度の透明性の向上について2点ほどお聞きします。

○ 電子入札の導入と入札契約制度の透明性の向上についてて

松崎:    主要施策説明書12ページにも、入札手続の電子化の推進ということがございますけれども、やはりこちらも9月定例会の一般質問におきまして、現状では250万円以下の指名競争入札では100万円を超える一般業務の委託請負のみが公表対象となっていて、物品の購入、借り入れについては公表されていない状況について質問をいたしました。そして、知事からは公表対象の見直しの検討を進めるという大変前向きな答弁があったところでございます。

 端的にお答えいただきたいと思いますが、電子入札システムの導入によって、これまで非公表であった案件も自動的に公表されるのではないかと私は思うんですが、導入にあわせて見直しを行わなかったのはなぜでしょうか。

小林会計局総務課長:        神奈川電子入札共同システム、県と28市町村、それから広域水道企業団の30団体が、インターネットを利用して各団体の入札実務の効率化と事業者、県民の利便性の向上を図ることをねらいに共同で運用しております。このシステムは三つ、資格申請システム、それから電子入札システム、それからもう一つが入札情報サービスシステムですが、この三つのサービスシステムで構成されております。このシステムは、各利用団体が入札契約事務を執行する上で必要な機能を、各団体の入札契約制度に基づいて担うことができるツールという役割ですので、入札結果などの公表についても、各団体の制度に従ってシステム上で選択、操作が必要となっております。

 具体的には、入札結果の公表を行います入札情報サービスシステムに電子入札システムの情報を取り込んで補足情報を入力する作業が必要になっております。県におきましては、電子入札の導入に当たりまして、まず円滑な運用を優先することといたしまして、公表範囲の拡大といった利便性に係る見直しについては、その後の実施状況を見ながら検討することとしていることであります。

松崎:    ちょっと理解しがたいんですけれども、円滑な運用の方を優先したからだというのが、端的なお答えであったようです。しかし、この幾つかの種別がございます。例えば、物品の購入で見れば、250万円に満たない部分については、指名競争入札を行っているんですけれども、実際は結果についても非公表となっています。物品の借り入れについても同様であります。そして、業務委託や印刷の請負は、逆に250万円に満たないものであっても、100万円を超えてさえいれば指名競争入札の結果はすべて公表がなされています。このように、それぞれの種別によって運用が異なるという点は、今のその運用の円滑化ということからすると、説明がつかないというふうに私には思われます。そして、実際にこの非公表の方針を見直す、平成20年4月からは公表に向けて動き出すんだという趣旨の松沢知事の答弁が行われているわけでありますから、この点に沿ってそれでは最後に1点お聞きしますが、基本的な考え方や方向性はどう考えているのか、また公表範囲の拡大に向けて課題があれば課題を、そしてそれをどのように解決していこうとされているのか、お答えください。

小林会計局総務課長:        神奈川方式、それと電子入札については、現在も段階的な導入が進められておりまして、出先機関においては、この10月から電子入札システムを利用した条件つき一般競争入札が導入され、さらに来年4月からは指名競争入札へ電子入札が導入されますので、それらを予定どおり適切かつ円滑に進めることを第一と考えております。こうした中で、公表対象の見直しについての基本的な考え方でございますが、今回の入札制度改革は、適正な競争性と透明性を高める環境づくりを視点の一つとしておりまして、この観点から公表範囲の拡大を進め、より透明性の向上を図りたいと考えております。また、実施時期につきましては、知事の答弁のとおり電子入札の全面実施に合わせることが最も望ましいというふうに考えております。また、具体的な検討課題でございますが、公表の範囲、それから公表する内容を検討するほか、事務担当者が適切かつ円滑に公表手続、電子入札システムの操作ができるよう、条件整備についても検討する必要があると考えております。

松崎:    最後に一つだけお聞きしますけれども、平成20年4月から電子入札に合わせて、出先機関までやることに合わせて、これを公表していくという方針はあるわけですね、これは行うわけですね。

小林会計局総務課長:      はい、行います。

松崎:    神奈川方式そのものの導入は大変高く評価しているところであります。250万円を超える案件について、工事を含めて従来の指名競争入札から条件つき一般競争入札へという大きな改革でございます。そして、県と市町村が共同で開発して運用する神奈川電子入札共同システムも、単に入札契約事務の効率化にとどまらず、神奈川の入札契約制度そのものの透明性の向上、その改革を促進させる可能性を持つものであると思います。県が率先して改革を進めるという視点から、電子入札共同システムを活用した入札結果の公表対象を、県民にどなたにでもわかるような形で拡大していただくようお願いして、私の質問を終わります。