2009年2月定例会での本会議代表質問

<質疑と答弁のまとめ>

インベスト神奈川とR&D構想について

●松崎  

(2)次に、インベスト神奈川とR&D構想をこれからどうしていくのか伺います。

神奈川には、インベスト神奈川の成果としてのグローバルな大企業の研究所の集積、多様で層の厚い技術力ある中小企業群があります。最近でも、太陽電池の研究所、自動車用や家庭用のリチウムイオン電池工場の投資計画が相次いで発表されているなど、産業面での「神奈川力」は大きく、力強く成長しています。

厳しさの真っ只中にありながらも、この神奈川に育まれてきた「未来の芽」を大きく開花させるため、先に提案した「神奈川版グリーン・ニュー・ディール」政策を打ち上げ、一刻も早く推し進めていくことが必要です。

この1月、知事は、大企業に対するインベスト助成金の受付終了を1年前倒しにすると発表しました。大変厳しい環境に置かれている本県の財政状況を考えると、やむを得ない措置であったと受け止めます。

しかし、大きな財政出動をするばかりが企業誘致ではありません。また、お金がないから何もできないでは先が見えなくなります。厳しい中にあっても、知恵を出し、変化というチャンスをぐっと手元に引きつけていくことが、神奈川の将来にどうしても必要なのです。

●そこで、知事に伺います。

企業誘致の総合的な政策パッケージであるインベスト神奈川も、残すところ1年余となっています。今こそ神奈川力を結集して、変革の時代をチャンスとしていかなければならないと考えますが、インベスト神奈川終了後、どのような考えのもとで、企業誘致や県内再投資の促進に取り組んでいくのか、お伺いします。

また、産業面での「神奈川力」の持続的な成長には、産学公連携をはじめとする、地域産業力強化につなげる神奈川R&Dネットワーク構想の取組みが重要であると考えますが、インベスト神奈川終了後、神奈川R&Dネットワーク構想の推進に、どのように取り組んでいくのか、お伺いします。

○答弁   最後に、インベスト神奈川と神奈川R&Dネットワーク構想の今後の取組についてお尋ねがございました。

まず、インベスト神奈川終了後の取組についてでございます。

現在、県内企業は受注の大幅減少を強いられるなど、大変厳しい状況に置かれており、投資マインドも急激に冷え込んでおります。

  県としては、緊急的な対策を講じることは勿論ですが、こうした時期にこそ、企業の10年後・20年後を展望した投資への支援が必要ですので、新たな企業誘致施策の検討には、このような将来を見据えた視点で、取り組むことが重要であります。

 現在、庁内で新たな企業誘致施策の検討を進めておりますが、本県の将来の主力産業となりうる新エネルギーや、電気自動車など成長分野も視野におきながら、企業からの要望が多い「産業人材の育成」や、産業活性化のための「インフラ・環境整備」など、魅力的な操業環境を整備することによって、企業誘致に取り組んでまいりたいと考えております。

次に、インベスト神奈川終了後の神奈川R&Dネットワーク構想の推進でありますが、現在、この構想は、インベスト神奈川の助成を受けた大企業13社で構成する、「神奈川R&D推進協議会」を推進母体として、大企業から中小企業への技術移転、中小企業のオンリーワン技術の大企業での活用などの取組を着実に進めております。

その結果、オンリーワン技術を有する中小企業と大企業との間で、約6億円の取引が成立するとともに、オープン利用が可能な、中小企業の技術を活用した実験室が、大企業の研究所の中に設置されるなど、成果が上がってきております。

こうしたことから、現在の協議会メンバー企業に加え、より多くの研究開発型企業などが参加できる体制を構築し、インベスト神奈川終了後も、この構想がさらに発展するよう、取り組んでまいります。

●松崎   以上で、私の第一回目の質問を終了いたします。

ご清聴、誠にありがとうございました。