平成22年3月3日 商工労働常任委員会質疑のまとめ

雇用対策:<ひとり親家庭の就労対策について>

松崎       ● 新規学卒者を含む若年者や中高年齢者、さらには障害者への雇用対策について伺ってきたが、もうひとつ忘れてはならない重要な取組に、「ひとり親家庭の就労対策」がある。昨年11月の常任委員会において、母子家庭の母親に対する職業訓練については、実態を踏まえた上でコース設定を工夫すべきとの意見を申し上げた。この問題については、今後、どのような考え方で取り組んでいくのか。

産業人材課長       ○ ひとり親家庭についてどのような考え方で取り組んでいくのかとのご質問でしたが、昨年の11月の常任委員会で委員より、現状をよく把握して、それに対してどのような対策を講じていくのか考える必要があるとのご意見をいただいております。

 その際にも議論になった訳ですが、まず行政対象でございます。

母子家庭の世帯数については、本県では保健福祉部が推計しておりまして、平成21年4月1日現在で県内の全世帯数が約380万世帯あります。このうち、子どもと母親だけの、いわゆる母子家庭は約102,700世帯と推計されております。

 これは、国の調査を元に出現率を掛け合わせた推計とのことです。

 それらの母子家庭の実態につきましては、保健福祉部が平成20年6月に実施した「神奈川県母子家庭等自立支援計画ニーズ調査」によりますと、ひとり親になる前には、無職、つまり専業主婦であったと思われる方が44%ございます。

 また、現在の働き方としては、91%の方々が何らかの形で働いておられ、働き方は、パートが43%、正社員が33%ということでございます。

 また、その結果としての年収でございますが、100万~150万円が30%で一番多く、次いで150万~200万が17%となっており、当然のことながら暮らし向きは「苦しい」「やや苦しい」を合わせて76%となっております。

 また、同じ調査において、資格等の習得についても聞いていますが、

 その中で資格等を習得している人は57%で、習得の希望はあったが習得していないが18%となっており、資格習得の希望はあったが行わなかった理由につきましては「費用負担」を上げている方が72%という結果となっております。

 「ひとり親に必要な支援策」として何がありますかということについては、児童扶養手当の拡充が24%、職業訓練受講への経済的支援が16%、となっております。

 こうした結果から私どもの関係で読み解かしていただければ、資格等の取得を希望し、職業訓練受講への経済的支援を求めている母子家庭の母が相当数いらっしゃるということです。

 こうしたことから、私共といたしましては、訓練に関する情報を子ども家庭課といろいろ連携しながら、母子寡婦福祉連絡協議会等、様々の関係団体がございますので、これらに対しても集中的に広報していきたいと考えています。

また、特に、国の基金による訓練受講者に対する生活支援給付金という制度がございます。この情報につきましても、母子家庭等の方々でまだご存じない方もいると思われますことから、これらにつきましても改めて広報してまいりたいと考えております。

 また、保健福祉部の平成22年度新規事業として「ひとり親家庭就業支援事業」があります。

これは財団法人神奈川県母子寡婦福祉連絡協議会、あるいはNPO法人で「ひとり親家庭就業支援チーム(仮称)」を設置し、ひとり親家庭の相談から就業支援を行うというものですので、私どもの訓練情報の提供、あるいは母子家庭のお母様に、藤沢の人材育成支援センターで行っているキャリアコンサルティング等を受けていただくなど、具体的にいろいろ連携ができるのではないかと考えております。

 今後、この新規事業を中心として保健福祉部とも調整をさせていただきながら、母子家庭の方々についても私どもとしては職業訓練の立場から支援していきたいと考えております。

松崎     ● (要望)ひとり親家庭の親の方々にとっては、県のどの部局が行うということよりも、結果として今の綱渡り的な状況からの脱却が最大唯一のポイントである。

部局を超えてということもあるが、何よりもその人にとって何が必要であり、また適切、効果的なのものは何かという視点で取組を進めていただくよう要望する。