2010年9月定例会での本会議一般質問

<質疑と答弁のまとめ>

高齢者施設と成年後見について

●松崎  

1 高齢者施設と成年後見について

(1) 高齢者施設への入所待機者の解消に向けた取組について

本県では、第4期かながわ高齢者保健福祉計画において、国の方針を踏まえユニット型の特別養護老人ホームの整備割合の向上に取り組むとともに、ユニット型と従来型多床室との合築も進めている。

 一方、国は、一定の条件のもとに、多床室の併設も認める方針を初めて社会保障審議会介護給付費分科会に提示したが、全室個室の推進という基本政策を完全に方針転換したわけではない。

 待機者からは、個室は寂しく高いとの理由で、多床室を希望する声が多いが、所得のために特別養護老人ホームに入所できないことは問題であり、低所得者の負担軽減のためにも、高齢者の生活実態やニーズを踏まえ、高齢者の選択を可能とするような、利用者の側に立った、利用者本位の整備が必要である。

 そこで、ユニット型個室と従来型多床室との合築について、国の審議会における議論の内容も踏まえ、県として今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

○知事答弁           松崎議員のご質問に順次お答えいたします。

初めに、高齢者施設と成年後見についての、お尋ねをいただきました。

まず、特別養護老人ホームへの入所待機者解消に向けた取組についてであります。

特別養護老人ホームの整備につきましては、利用者の居住環境の改善と待機者の解消に向けて、平成21年3月に「かながわ高齢者保健福祉計画」を改定し、ユニット型施設の整備とともに多床室との合築も進めるという考え方で、取り組んでおります。

一方、国は、今年3月、平成15年4月以降に新設された合築施設のユニット部分については、ユニット型個室としての介護報酬の算定を認めないとの解釈を示しました。

しかし、待機者の解消をはじめ低所得者の負担軽減や、高齢者の多様なニーズに対応するためには、合築施設の整備も必要であります。

そこで、本県では、特別養護老人ホームの施設整備について、地方の判断による柔軟な対応ができるよう、全国知事会などを通じて、国に強く働きかけてまいりました。

 昨日開催された社会保障審議会介護給付費分科会においては、基本的な考え方として「計画中・建設中の施設は多床室もやむを得ないが、今後、新設を計画する施設については、基本的に多床室ではなくユニット型施設の整備とすべきである」との審議取りまとめ案が了承されました。

その一方で、「当面、従来型施設を併設した施設については、ユニット型施設部分と従来型施設部分を、それぞれ別施設として指定を行うこととする」など、その詳細は明らかではありません。

県としては、入所待機者の解消に向けて、引き続きユニット型施設を基本としつつ、地域の実情に応じ、多床室との合築を進めることが必要と考えておりますので、昨日の分科会の内容を確認しながら、他の自治体と連携し、今後の対応を早急に検討をしてまいります。

●松崎   【要望】一部ユニット型施設の基準に関する昨日開催された厚生労働省社会保障審議会での議論でございます。知事も答弁の中で、ふれてございましたけれども、本日の新聞等々にもかなり報道されております。その中で一点どうしてもこれたいへん気になるところでありますが、当面のところは県が進めようとしている合築についても認めるけれど、やっぱりこれは個室なんだというような結論に何とか持って行こうとしているというところが、報道でも、それから入手しました彼たちがまとめたペーパーにも記載されております。定員を一名にしようということまで書いてあるわけでありまして、ここのところは、部屋の定員一名ということは自動的に個室ですよね。ですから、何とか、神奈川県として、そして知事はやっぱり9都県市でも積極的に発言を続けてきたわけですから、全国知事会を含めまして、これはがんばっていただきたい。応援したいし、またがんばっていただきたいと要望します。