2013年3月5日

文教常任委員会質疑応答要旨

○県立図書館のあり方について

中谷委員:            県立図書館のあり方について何点か伺わせていただく。先ほど守屋委員からも質問があり、委員会の中でもいろいろな議論がなされているが、先日、県立図書館の現場も視察させていただき、現場で感じるものがあった。

 そうした中で、私も図書館のあり方における新しい取組みを行っている佐賀県武雄市に視察に伺わせていただいた。民間との連携による図書館構想について樋渡啓祐市長、そして民間側のカルチャーコンビニエンスクラブの責任者をしている高橋聡さんにも話を聞いてきた。

彼らは、進展する高齢社会の中で、豊かな生活を実現するための中核施設として、図書館、歴史資料館をより市民価値の高い施設として運営するにあたり、カルチャーコンビニエンスクラブが運営する「代官山蔦屋書店」のコンセプト及びノウハウを導入し、企画すること、及びそのための重要な手段としての付属事業を展開することについての提携をすることに至ったようで、本県としても参考になる事例であると考えている。

 そうした中で、様々な観点から、県立図書館を良い形で存続していける方法を模索する意味も含め、県立図書館のあり方について何点か伺う。

 まず始めに確認だが、文教常任委員会報告資料9ページ、10ページに記載されている「集約化」、県立図書館、川崎図書館の機能の集約化を含めて検討するという「集約化」というのが何を指しているのか伺いたい。

生涯学習課長:    集約化だが、一つは川崎図書館が平成29年度末までにあの場所から立ち退かなければならないということがあり、そのことについては何らかの形で考えていかなければならないので、その集約化というのが一つある。それから、西口の県民センター生涯学習情報センターがある。これも県立図書館の予約をした本の貸出・受取の機能があるが、生涯学習情報センターは県立図書館の一つの出先機関にもなっており、それは県民センターの入庁機関の見直しがあるので、そのところもどうするのか、そういうものも合わせて集約化と言っている。

松崎:    昨日も川崎図書館、県立図書館に伺わせていただいた。11月7日に決算特別委員会の総括質疑において教育当局の方から答弁があり、そこから新聞紙上でもだいぶ記事になり、インターネット上でもいろいろな形で、私も個人名を挙げてかなり中傷ではないが、叩かれているようなところもあり、内心忸怩たるものもないわけではないが、委員会の場なので、そうしたことは切り分けて落ち着いて議論ができればと思っている。

 まず確認だが、あの日答弁された二見教育局長、あるいはまた課長も今答弁されているが、私どもとしては、当初から、あの時点でも、県民、利用者の方々にとって大きなサービスの低下や利便性の後退につながるのではないかという懸念を表明させていただいたところであるし、本日先ほどもそうしたことのないようにという観点からの質疑があったと思う。この点では、議会の中であまり異論はないと思う。この辺をまずどうするかということを同時に考えないと、いきなり集約化ということだけがポンと出たのでは、甚だしく考え方、スタンスが明確でない。

 そこでお聞きするが、今言われている川崎図書館の立ち退きが現実化することと、情報センターについても集約化ということがあるということだが、報告資料の中では、集約化という言葉が、検討の方向性、調整の方向性、それから今後の調整内容というところでそれぞれ出てくる。

それで、川崎図書館は昨日現地調査をしたときも、立ち退きということが区画整理の関係で出てきているということで、4階まで上がるのにバリアフリー化ということを、私もかねてから指摘をしていたが進捗状況を聞いたら芳しくない、ということだ。それから、館長によると、エレベーターについてもこれも限られた予算ということもあって、バリアフリーの決め手となるはずのところが、これもなかなか手がつかないということだった。

 そうすると集約化ということは19年度から検討してきた中において、先ほど財政オンリーの話ではないということだったが、具体的にいうと集約化というのは、川崎についていえば、何を集約するのか、それからバリアフリー化ということも含めてお答えいただきたいのだが、川崎をこれからどうして行こうとするのか、つまり、機能は集約するものと存続するものがあり、利用される訪れる方々にとっては当然もっとユニバーサルなデザインのものにしなければならないという要請もあり、その辺をトータルで、財政以外の観点を含めてどういう風にしようとされているのか、わかりやすくお答えいただけないか。ここには集約化しか出ていないので、どういう風にしていくのかというビジョンをお答えいただきたい。

生涯学習課長:    集約化の具体的なあり方について、今いろいろと検討しているが、一つは川崎市のあそこの地域にあるという地域性と特性、企業支援に非常に役立っていること、そうした企業の支援に役立つような機能については、さらに高度化・特化して、同じ川崎市内に残すことを今考えている。

 したがって、まるまる今の川崎図書館がそのまま残るということではなく、特定の機能に着目して、そこのところは地域性、特性から残すことになる。それ以外の部分はどうするのかということで、基本的には横浜の紅葉坂にある県立図書館に集約していこうと考えている。

 いろいろな県民からのご意見をお聞きすると、集まっている方が便利でいい、例えば、ビジネス関係でいうと社会科学・人文系の経済誌みたいなものは横浜にあって、技術系のものは川崎にあるが、例えばそれを集約して一遍に見られる、ワンストップサービスみたいなものができればというようなご意見もある。そういうのも参考にしながら、川崎の方にはどういうものを県立図書館として役割を残していくのか、いろいろ検討させていただき、集約化を進めていきたい。

松崎:    川崎に、というのは確かに分かる。それは、川崎という街の成り立ち、日本という国の中における果たしている役割は、私もそのとおりだと思う。しかし、県政全般で見ると、これから相模縦貫道、圏央道が開通していく中において、例えば県としては、黒岩知事の旗の下にやはりロボット特区というものを新たな産業、大きな産業の目玉として位置づけてきている。また、産業というくくりだけではないが、城ヶ島、大山等でやはり観光の新しい核づくりをしていくということがある。そうすると、ものづくりという観点だけから見ても、例えばロボット特区を考えると、川崎ではなく県央に新しい拠点を設けるためには、知の拠点をどうするのかという整理も一旦はしなければならない。

 それからもう一つは、それは活字文化でよいのかという側面も、新しい産業という意味では出てくる。特にロボット関係というのはそういう性格を帯びていると思う。極めてICT技術と近いものがある。

 さらに、もう一つは、存続なのか廃止なのか、あるいは現状維持なのか縮小なのかといった観点だけで考えていいのかという問題もある。つまり、現状では訪れて利用される方は数が減ってきている。でも、貸出冊数は増えている。しかし、貸出冊数だけでカウントできるものだけで本当に知の拠点と呼べるかという問題もある。だからこそ閲覧というところに特化していこうとされているのだと思う。ここは一つ大きな鍵だと思う。

 そうすると、利用者、閲覧回数もそうだが、やはり増えていってもらいたいし、相乗効果でどんどんどんどん、新しい知見と新しい知見を組み合わせれば、またさらに新しい知見が生まれるということもあるので、そこをどのようにしてサポートしていけるか、より高次の高度化したものに特化していきたいと言われる川崎の関係についても、改革するとか創造するということにもう少し取り組まないと、今のままの、訪れた方が活字を閲覧して、そのことによって得ていくものでという時間の流れ方よりは、世界がもう少し速いスピードになっているのではないかと思われることもある。その辺を含めての方向性だと思う。

 同時に、そこには財政的視点は、先ほど意味深い答えをされたと思うが、財政的視点を除けて考えているという答弁はされていない。財政的視点は必ずそこに入っているわけである。したがって、そこをどういう風に両立させるかということもあると思うが、二見教育局長いかがか。

教育局長:            たしかに視点ということでは、図書館の持っている力をどう高度化して発揮していくということと、財政的な見地と両方の面から検討していくということである。やはり、地域性ということからどこに立つか、これも非常に重要なポイントであって、今回は川崎図書館として、今まで川崎という地にあって、川崎で中心になっていろいろな資料を収集してきた歴史と、川崎にあって力を発揮しているというこの機能は捨てられないということから、川崎の中に残して生きたいという方向性を出した。

 具体的な場所の検討としてはこれからになるが、進む方向としては、やはりなぜ川崎にということの一つの大きな意味として、産業、企業への支援というところがポイントである。

 したがって、今後残して高度化させていく内容については、課長の答弁にもあったように企業支援につながるところについて、高度化・特化をしていくという形である。現在も力を発揮しているものであるが、未来にわたってもう少し力を発揮していくにはどうしたらいいかということを検討していきたい。その中には、単に今までのように手に本を取って見るだけではなく、電子化の話もあるだろうし、企業の交流をしてきたという意味も含め、そういったところを未来形として、よりよい力を発揮するような方向を検討していきたい。当然、その中身は財政的な見地を入れてやっていく、両面から対応していくということである。

松崎:    いま、教育局長から、将来を見通しての話があったが、どちらかというと川崎図書館についての話だったと思う。紅葉坂の県立図書館も、青少年センターなどシアター、劇場型の他の施設と関連性を持たせながら、機能を果たしてきたという歴史もあると思う。

 一方で、訪れて手にとってという方々の点から見ると減ってきている。同時に、子どもたちの活字離れは深刻な状況である。それは、文教常任委員会が開かれるたびに私や誰かが必ず指摘してきたことだ。私どもも深刻に受け止めている。それをどういうふうにして、今の時代に合って、かつ、子どもたちを含め成人の方々もより利用しやすいものに変えていくのか、改革するポイントがいくつもあると思う。

 そこが、県民の方々から見て時代にマッチしない、あるいは利用する、訪れるに値しないと思われるようになったら、これこそがピンチだと思うので、そこをどうするかということをしっかりやっていきたいが、よろしいか。

教育局長:            先ほど川崎について答弁したが、県立図書館全体の話として私どもが提案したのは、市町村の図書館と組んで未来型の図書館という意味合いを込めて提案をした。

 それは高齢者の方などが自分の町の図書館、近くで本を借りられる、それも頻度多く借りられるようになれば、サービスとしては向上するだろうということから提案をさせていただいた。それだけではやはり機能は済まない、閲覧という手にとって見ることが必要というご意見を非常に多くいただいた。その辺もサービスを維持、向上させていく意味では、閲覧も残した方がいいという判断である。

 これから進めていく中で、財政的な見地もあると先ほどから申し上げているが、今までのものをそのまま残すのではなく、よりサービスをよくして高度化していく中で、市町村の図書館を経由するものも含めての貸出と、現地での閲覧機能を残すということをマッチングさせて、両方合わせて機能を向上する中で、どうやって個々の部分を押さえて財政的な見地を出していくか、3つを整合させる解を見出していきたい。

松崎:  3つの課題を整合させていくということだが、翻ってそれらを込めた集約化と受け止めた。

中谷委員:            今、松崎委員からもいろいろ発言があったが、未来型の図書館ということで私もどういった図書館のあり方がいいのかと模索している。その中でサービスの拡充と行革の意味で、武雄市などは100万人の来館者を目指しているという取組みを行っているが、そもそも図書館運営の外部委託や民間との共創についてはどのように考えているか、所見を教えていただきたい。

生涯学習課長:    当然コストのことは考えながらやっていかなければならないと思っている。この緊急財政対策で、施設の見直しをするときに指定管理者の視点から考えてどうなのかという検討をした。他県でも、私の記憶では全国で2つほど指定管理をやっている県立の図書館がある。中身を見ると、いわゆるルーティンワーク、カウンターでの貸出など、そういうものは外部でやってもらっているが、もう少し図書館政策とか図書館の中でどういう企画を立てていくかなどは、自前、直営でやっている、2つともだいたいそんな感じである。私たちも県立図書館の役割というのは、県全体の図書館サービスをどういう風にやっていくのかということを考えていかなければならないし、昨日もたくさんの本を見ていただいたが、県立の図書館としてどういう本を集めていくのか、蔵書構築方針というが、そういうところをちゃんと方針を持って、こういう本を集めていこうとか、こういうところはやはりしっかりした直営のところで考え方を持って、経験を持った時間をかけたロングビジョンの中でやっていかなければならないと思っている。今現在も、カウンターとか作業の部分はほとんど非常勤の方にやっていただいており、昨日司書構成の中でも半分は非常勤の方なので、そこはもう既に委託とは言わないが、常勤の職員ではやっていないので、指定管理を導入するコスト面での大きなメリットはないということで、私たちは指定管理は考えていないと結論を出したところである。

中谷委員:            県立図書館で指定管理をしているところの話をしていただいたが、二見局長が新聞記事で「清掃・警備など建物の管理、カウンター業務など多少はあり得るが専門性が必要とされる司書の仕事に指定管理の導入は馴染まない」と発言しているが、そういった中で、武雄市の事例を見るとはこれをクリアして実現に至っていると考える。

ちょうど今、人の話も出たが、人件費や業務プロセスの点についても聞きたい。県立図書館の来場者数が、平成23年度で230,669人で、職員数は119名で事務職36人、司書が77人で運営されており、人件費は5億1,751万円と図書館運営経費の約66%を人件費が占めている状態である。また県立川崎図書館の来場者数が平成23年度205,000人で、職員数が49名、事務職12人、司書37人で運営されており、人件費が2億2,100万円とこれも図書館運営経費の約76%というかなり高額を占めている。

 そうした中、単純には比較できないと思うが、人口50,144人の佐賀県武雄市の図書館来場者数が、平成23年度255,828人で、職員数は3人、委託の館長が1名、司書が15名の計19人で、規模的には川崎と比べても半分以下、県立と比べたら10分の1くらいの水準でやっている。これでも至らないということで民間への委託を行い、2.1億円くらい人件費がかかっているが、1億円くらいの5割削減を想定して目指していく方向性を示している。

 そうした中で単純に比較できるわけではないという前提ではあるが、県立図書館、川崎図書館より、人口5万人の武雄市の図書館の来場者数の方が多い、人件費も低くやっている、こういった運営のあり方について、業務プロセスの改善や人員配置、また、来場者に関して言えば、県民の皆様にもっと来場したいと思っていただけるような企画・運営をできるのではないかと考えるが、こういった状況に鑑みてどのように考えておられるのか、所見を伺う。

生涯学習課長:  先ほど、県立図書館と、武雄市の場合、市の図書館になるが、やはり役割というか、機能は違うところがあると思う。例えば、KL-netの運営一つをとっても、県全体のネットワークのシステムを作って、それを運営していかなければならないということがある。昨日も少し見てもらったが 図書館の表に出ている人だけでなく、裏方でいろいろな作業をしている人がいる。それから、単に本を貸すだけではなく、神奈川の情報を集めた独自のレファレンス用の資料なども作っており、いろいろ企画面で県内全体の図書館サービスを引っ張っていくような役目も果たしているので、そういう意味では、単純な比較はできないと思う。ただ、一方で、武雄市でも新しいことを試みていて、今までの図書館のままでい

 いのか、やはりニーズを先取りしていくような新しいサービスを考えていくということ、国の審議会でもそういうことを言っていると思う。それは、古いイメージを脱皮するような形で、何らかの検討をしていかなければならないと考えている。人件費についても今のままでいいとは思っていない。それはやはりもう一度仕事の中身をよく見直し、見直しができるものはきちんとやっていこうと思う。

中谷委員:            前向きな答弁をいただいたと思う。そういった業務プロセスの改善や、運営の抜本的な見直しは非常に重要と思う。今まで行政だけでやってきたものを、民間の方々が入っていただくことによりブラッシュアップされていくと思ったので、こういう質疑をさせていただいた。

 そうした中で、私たちが昨日現場に伺い、県民に広く利用していただくことをコンセプトにやっているのだと思うが、自習室の中に「パソコン利用禁止」という貼り紙がしてあって、本当にびっくりした。ジェネレーションギャップなのかもしれないが、私たち世代はパソコンが使えないところには絶対行かないだろうと思った。パソコンが使えないところで勉強しようとも思わないし、仕事をしようとも思わないはずだ。そもそもターゲットが、統計でも出されているが、利用者のボリュームゾーンが50代以上の中高齢者が代表されていて、アンケートを見ても、女性や若者が低い水準にあるように思った。したがって、こういったところの広くサービスの向上を図る必要があると思う。そういった観点についてはどうか。

生涯学習課長:  その点は委員ご指摘のとおりと思う。古いイメージを取り払うような形で、もっと若い方々に来ていただけることを考えなければならないと思う。今のパソコンの話もそうだし、東京の図書館もいくつか見たが、例えば飲み物を持って図書館の中に入って、少し談話ができるようなイメージで新しく作っているところもあるし、現に川崎の図書館は、3階の図書室に行くと、学生さんのような方がパソコン片手にいろいろ調べものをしていたり、それからサイエンスカフェなど、お茶を飲みながらミニ講座を受けたりといったことも行なっている。先ほども言ったが、ニーズを先取りしていくような新しいことを、ここを機会に考えていかなければならないと思う。

中谷委員:            前向きに検討するということで、心強く答弁を聞いた。そうした中で、武雄市がカルチャーコンビニエンスクラブと提携して行なうとしているサービスの向上の部分だが、主に9つのものを示している。

 代表的なものを紹介すると、365日、9時から9時まで営業するということで始めていたり、スターバックスのようなカフェダイニングを導入して、本を読みながらコーヒーを飲めるようなところを提供したり、i-Padを入れたりしながら、電子端末を活用した検索サービスであったりとか、音楽・映画の充実も期待がされているというアンケート結果をもらった。有料レンタル分なども含め、サービスの拡充を広く呼びかけていこうということを行っていた。武雄市の指定管理者導入に期待するという方がアンケート結果では70.3%という資料を見た。

 やはり、サービスさえよければ人は集まる。どういうニーズでどういうことをやっていくのか、知事もよく言っているが、行ってみたいと思われるような図書館を実現していく必要があると考えているが、今後の展望について、どのように取り組んでいくか、答えられる範囲でよいので、所見を伺う

生涯学習課長:    なかなか図書館に若い人に来てもらうのは、具体的に個々に考えていくと難しく、例えば大学生になってしまうと自分の大学の図書館に行くと思われるし、いろいろな目的を持って人が集まって来られるような場所にしなければならないと思っている。そのためのいろいろな試みは図書館の方に実行するようお願いしている。それは検討していかなければならない。案外、アンケートを見ると、市町村の図書館は非常に混み合っているので、あの雰囲気がいいという人もいる。そういうものも大事にしなければならないと考えている。

 それから、高齢化が進んでくる中で、なかなか図書館に来られない方、非来館者のサービスをどうしていくか、先ほども松崎委員から質問のあった電子情報の扱いなど、もろもろ考えて市町村の図書館を先導していけるようなものを、県立図書館として研究して、啓発して広めていけるような、新しい先取りがしていけるような研究をしていきたいと考えて

いる。

中谷委員:            そういったサービスの向上や、ニーズも鑑みながら、よりよい運営を進めていくということだと思うが、私たち若年層や、今来場していない方も県民なのでそういった方々にもターゲットを置いていただきたいと思うが、そういったことをいつ頃までにやっていきたいと考えるか。時期的な展望があれば教えていただきたい。

生涯学習課長:    なかなかいつまでにというのは、現時点では答えることができないが、今はまず現場の声を聞こうということで、市町村との意見交換会の場を昨年の11月から設けている。見直しに合わせて5月くらいまで続けていき、もう一度全市町村の図書館の方に集まっていただいて、県全体の図書館サービスのあり方について、意見交換をしていこうと思っている。県全体の施設の見直しとしては、25年度の前半に一定の方向性を結論を出すと聞いているので、私たちもそれに合わせてやっていくが、検討を進める中で、新しい取組みについてはどういう形でやっていくか、これはもう少し検討させていただきたい。

松崎:    前向きな答弁をいただいていると改めて実感している。それもあって申し上げたい、お答えいただきたいのは、やはりその検討をしていく中に、県民や、利用者の方々がどんな形で参加できるのか、そしてその持っている思いも含めて、あるいは若者とか女性とか、中谷委員から指摘のあった、利用が今相対的に少ない、あまりアクセスしにくい、あるいは障がいのある方、川崎図書館について言えるのかも知れないが、そうした方々の声も含めて、県としてどんな形で受け止めていくのか、そこのところを聞かせていただきたい。

生涯学習課長:    たしかに、今回の図書館の見直しについて、現に今図書館に来られている方のご意見は聞けているが、それ以外の部分もある。一つだけ、e-かなネットというのがあり、これは図書館に来ている以外の方も入っており、早く見直してもらっていいという意見がある。

したがって、いろいろバランスを考えながらやっていかなければならないと思っているが、今言った、図書館に来ていない方が来られるように、どうしたら図書館を改革していけるのか、検討の仕方を検討するというのもおかしいが、もう少し時間をいただき、見直しを進めていきたい。

松崎:   (要望)ちなみに、ヤフーで行われた神奈川県の県立図書館及び川崎図書館の11月の答弁の後のアンケートを見ると、ほぼ10000対10000で拮抗していたという。ただ、回答数は膨大な数だったそうなので、おそらくそうしたところにもヒントがあるのかもしれない。そういった意味では、課長の言うように、いろいろな意見があり、なかなかこれはすぐスパッとこうするという答えは出しにくいが、そのこと自体が図書館というものの存在の重さ、深まりを物語っていると思う。ぜひともそこはご検討よろしくお願いしたい。 中谷委員:           (要望)今までの議論を踏まえて、業務プロセスの改善や、抜本的な運営の見直し、若年層、女性層など広く県民に使用していただける、行ってみたいと思える図書館を目指して、民間との連携なども視野に入れながら今後の企画・運営を行っていだだくことを要望させていただき、県立図書館についての質問を終わりにさせていただく。