平成26年9月30日 環境農政常任委員会での質疑のまとめ

○ 県事業における所得税等の源泉徴収について

松崎      

 こちらも報告がございました部分でありますけれども、県の事業におけます、所得税等の源泉徴収について、少し確認したいと思います。自治体の仕事が税を財源にしていることは当然のことでありまして、徴収漏れというのは大変遺憾なことであります。一方、個人事業主を法人と考えていたという事は、ある意味それでは今まではどうだったのだろうかと、というような事も思われるわけですので、何点か伺います。

 まず、県の事業における源泉徴収というものは、どういう場合に行う必要があるのか、簡潔にお答えください 。

経理担当課長        県の事業におきまして、所得税法に定めのある報酬等の支払いを行う場合において、源泉徴収を行い、納付する義務がございます。

 例えば、審議会委員への報酬、また、講演会の講師謝礼、弁護士等への報酬の支払いの場合でございます。

松崎        源泉徴収義務者とは誰でしょうか。

経理担当課長        源泉徴収義務者とは、源泉徴収に係る所得税等を、国に対して納付する義務がある者のことを申しまして、神奈川県におきましては、本庁では神奈川県知事、出先機関におきましては各出先機関の所属長でございます。

松崎         なぜ、その測量、建築といった、割と限られた分野で、この徴収漏れが発生したのか、また、他の分野は大丈夫なのかというところはどうでしょうか。

経理担当課長        測量士、建築士、土地家屋調査士に業務を行ってもらう際に、通常、県では「報酬」や「謝礼」ではなく、「委託料」や「役務費」という科目で支払いを行っております。そのため、源泉徴収が必要な報酬や料金ではないと誤認したものです。

 の測量士や、建築士、土地家屋調査士以外の弁護士等、これは税理士や司法書士、不動産鑑定士などですけれども、これらの方々への支払いにつきましては、「報酬」や「謝礼」という科目で支払っているために、正しく源泉徴収を行っていたもので、このような事情で一部の分野に偏っていたものです。

松崎        今回ご報告いただいたのは、5,600万円と多額なのですけど、一つの年度なんですよね、そうすると過去の分というのは正しく徴収されていたの か、また、金銭債権の中でも公法上の債権になるのか。そうすると短期消滅時効が係ってくるから、時効は随分と早足であるはずなので、そうすると、徴収しようにも、しないことになってくるのかなというのが、法学部卒業したのだけどよくわかってない人間には疑問なのですけど、どうなのでしょうか。

経理担当課長        今回、税務署から依頼がありまして、自主的に調査したものですけれども、税務署から、調査の期間が示されております。

 まず、平成25年1月から直近の今年の7月までの分につきまして調べ、そこで源泉徴収漏れがあった所属につきましては、22年1月まで遡って調査を行うという指示がございまして、これは税務署の方で時効を考えての期間というように聞いております。

松崎        そうなんですよね。確か3年だったと思うんですよ。なので、そこから先のところは調べたところで、その徴収義務がなくなるのか、時効によってそれが裁判所に行ってもはじかれるのか、そこがよくわかりませんけれども、そういうふうになってしまうのかなと思うんですけど、そうすると実際は徴収漏れがおきて、徴収漏れが、そのトータル総額がいくらだったのかということは、5,600万円どころかもっと高くなるのじゃないかなと思うんですけど、そこら辺はいくら位になるかわかりますか。

経理担当課長        先ほど申しました調査期間、まず25年1月から直近の今年の7月までを調べ、該当があった所属については、22年1月まで遡って調査を行った各局の結果を、会計局でまとめたものが今回発表いたしました金額でございましたので、この期間につきましての金額としては、発表した金額が総額になります。

松崎        答弁が十分でないのですが。

総務室長                お答えいたします。まず、今回の件の時効というお話でございましたけれども、税務署の整理といたしましては、今回の課税の時効は5年ということもございますので、5年遡って行うということでございます。今回の件、全国的に発生しているということもございましたので、税務署の方からこうした時効の期間も踏まえて、5年間をしっかり調べなさいというような調査でございまして、その結果、本県、各局で調査した結果5,600万円の徴収漏れがあったということでございます。それ以前のものにつきましては把握していないというのが状況でございます。

松崎        把握する必要はないのですか。税務署からじゃなくて、神奈川県として正しい状況を、特に税金の徴収というのは根幹たるものなので、そういうところについて過誤がないようにしなきゃいけないという意味あいにおいて、神奈川県という行政体、役所がきちんと正しいかどうかを、いくら集めてなかったかということは、はっきりさせなくていいのでしょうか。

総務室長                ご指摘のようにですね、今回こういった結果がわかったというところでございます。結論といたしましては、今回の対応といたしましては、5年間に遡って調査をするということでございますので、その限りで内容を発表させていくというのが、私どものやらなければいけないということで、現在取り組んでいるところでございます。

 ただ、ご指摘の様に、私どもの仕事が、税ということに基づいて行っていますことを考えますと、大変、今回の件は残念なことでございますし、かつ結果として、源泉徴収の回収などをお願いするところがあり、お手間を取らせてしまっていることは、しっかりと受け止めているところでございます。

松崎        やっぱりそういうところについて敏感であるということが、我々議員も四六時中求められている。行政もやっぱり四六時中求められている存在だと思います。今までは良いと思ってたんだけども、実は国税の方でそうではないと今回言われて初めて気がついた実態かなと思うのですが、そうするとやっぱり、それは過去どうだったのだろうかということは、要求を受けた、或いは時効の消滅時効に係る部分についての債権としての部分というだけではなくて、やっぱり正しいことがちゃんと行われていなかった部分についていくら位総額があったのかということは、遡って、遡れる限りは調べるという姿勢は、必要なのかなと思います。

 そういうことをしっかりやっていただきたいなということ、これは単に要望するだけではなくて、やっぱりきちっと何処かの時点でまた改めてご報告をいただけたらと思うのですが、いかがでしょうか。

総務室長                私ども環境農政局の調査結果といたしましては、調査期間中でありますと約32万円の徴収漏れということでございます。県全体として5,600万円という中で、今回、税務署からの指摘をいただきまして、会計局が全庁的な対応として行っている部分でございますので、私ども環境農政局としての考えだけで、なかなかお答えができないということを申し訳なく思っているところでございます。そうしたご意見があったということについては、しっかりとまずは受け止めたいと思います。

松崎        局長どうでしょう。

環境農政局長        委員のおっしゃるとおりで、以前にもあったのではないかということをご指摘いただきますと、その可能性というのは、ないとも言えないというふうに思っています。ただ現場のいろいろな状況ですとか、文書の保存期間とかそういったことも考えまして、また全庁的に、環境農政局としての考えだけで、なかなか申し上げられないというのは、ただ今総務室長が申し上げたとおりでございまして、この問題につきましては、神奈川県庁全体で考えなくてはいけないと思っています。大変恐縮ですが、環境農政局だけでこの調査期間以前の対応については、申し上げられないというのが、現状でございます。

松崎        この一点はやはり、議会人としてこだわり続けなければいけないところだと思うんです。我々自身もそういうことを肝に銘じてかかってくる局面と思ってここに来ている訳ですし、やはり当局も同じことを認めなければ、県民の皆様から見て、大きな信頼に係わることなので、是非ともここは局長、全庁的な課題だとおっしゃるのならば、全庁的な討論をする場面ですとか、あるいは知事に対して話をされる場面で、このことを取り上げていただいて、きちっと明確にすべきである。それが今すぐ今日この委員会でということではなく、それは大変な作業だと思うのですけど、やっぱりこういった過誤がなかったかということは、きちっと遡る、調べるという姿勢をもっていただきたいというふうに申し上げておいて、そこは是非お願いをしたいと思うのですが、いかがでしょうか。

環境農政局長        ただいま申し上げましたが、全庁的な対応というのもございますので、しかるところに伝えてさせていただきます。

松崎        もう一つですね、不納付加算税は、これは早く払ったほうが良いと思うのですけど、いつ頃支払えるのでしょうか。

経理担当長            9月12日までに納付を終わっておりますので、今後、税務署から不納付加算税と延滞税の額が通知される予定となっております。県でも試算をして準備をしておりますので、11月には払う予定でおります。

松崎        これはもう報告にあったとおりに、再発防止に取組むと当然のことでありますけれども、全庁挙げてどういうふうに取組むのか、確認の意味でお尋ねします。

経理担当課長      9月5日に会計局から通知が出され、それに基づきまして職員には周知・徹底を図ったところです。また、10月の1日と3日に、会計局主催で税務署の職員を講師に招いた研修が2度開催されます。そこに、各所属の職員が出席することにより、制度について一層の理解を図っていくということを予定しております。

松崎        個人事業主っていうことが今回でてきて、その者を「個人」と見るのか、「団体」というのか「企業」とそういうふうに見るのかということと、それからもう一つ契約の性質を「請負契約」あるいは「役務提供の契約」と見るのか、それともそうではなく「雇用契約に限りなく近いものの形」で見るのかということの、解釈の違いみたいなものがあるということと、もう一つは国が統一的な基準を明確にいつも示しているかどうかという別な問題もありまして、その国税に関する法律の法体系というのがありますけども、実際のところ実務でこれをどう扱うかというところについては、かなり有権解釈とか裁量とか、国側にまだ担保されてることが多々あるのかなというふうに思われます。自治体の担当の実務の方からすると、突如として解釈変更に近いことを言われて、責めは全部自治体の側が負わされるみたいなところに対して、物を言う場所もないということが実はあるのかなと思います。ただ、県民の方々から見ると、そうではなくて、やっぱり税というものだから、そういうことについて信頼を損なうようなことは、国であろうが、地方であろうが、やってもらっては困るというのが、これが意見なんですよ。そこのところで我々は県民の側に立って物を言わなければいけないと思っております。

(要望) 要望を申しあげますけれども、徴収漏れとなった分については、しっかり納付していただくことは当然でありますし、また、再発防止に努めていただくとういことでありますけど、もう一つはやはり、国が、地方自治体が納めている税金の関係で、まだまだ突如として解釈変更みたいなことをやりはじめるようでは困るので、その税務署でありましょうかどこであろうか私にはわかりませんけども、国との関係においてやはりどういう税目については、どういう形で課税をして、どういう納め方が正しいのかということを、可能な限り明らかにしておいて、取り組んでいただくということを、当然のことですけども、お願いをして、こういうことが頻発するようでは困るので、是非ともそこのところを、お願いをしたいと思います