平成27年3月3日 環境農政常任委員会での質疑のまとめ

○ アライグマとタイワンリスの対策について

松崎      

 アライグマとタイワンリスの対策につきまして、何点か伺っていきます。特定外来生物であります、アライグマとかタイワンリスは、横須賀三浦地域をはじめとして県内に定着していて、生息する地域も拡大しているところです。これらは、農作物への被害をもたらすほか、家屋への侵入などの生活への被害、さらには生態系への被害を及ぼすことから、どのような対策を講じているのか、何点か伺ってまいります。

まず、アライグマの県内の生息地域と農作物被害の状況について、伺います。

自然環境保全課長              

 県内のアライグマにつきましては、横須賀三浦地域を中心に、県内に広く生息しております。

 アライグマによる農作物被害の状況でございますが、横須賀三浦地域を中心に発生しておりまして、平成25年度で、横須賀三浦地域では約370万円、全県で約410万円という状況です。

松崎        アライグマにつきましては、県が防除実施計画を策定し、市町村が捕獲等の対策を進めていることは承知していますけれども、どのような取組を行っているのか、伺います。

自然環境保全課長                市町村は、農作物等の被害を受けている住民等の方からの届出に基づきまして、捕獲を行います。

 捕獲の方法は、届け出た住民の方に捕獲のためのわなを貸し出したり、専門業者に委託して捕獲しております。

 また、市町村は、アライグマが生息している地域で計画的に捕獲を進めております。

 県としては、この市町村の取組に対しまして、市町村事業推進交付金による財政的な支援を行うとともに、各地域県政総合センターに配置しております鳥獣被害防除対策専門員による技術的な支援を行っております。

松崎         捕獲といっても、実際問題、あのアライグマですから、簡単ではないように思われますし、実際はどうなんでしょう。それともうひとつは、住民の人が自分で捕まえるということを推進しているのかやめたほうがいいよといっているのかどちらでしょうか。

自然環境保全課長                市町村は、住民の方からの通報、要請に基づきましてわなを貸し出す、ただ、わなの管理と回収、その後の処分につきましては業者に委託しておりますので、専門の業者が行います。住民の方が行うということはしておりません。なぜかといいますと、アライグマにつきましては、狂犬病を持っていたり、人獣共通感染症であるアライグマ回虫症、こういったものを持っているおそれがありますので、専門の業者が専門の方法によって、取り扱わなければいけないということで、そういう対応をしております。

松崎        実は、私の自宅の周りにもアライグマやタイワンリスが出没しておりまして、お隣の農家のところには、住み着いていたというお宅もあったりするわけですが、今聞いたような病気まであるというようだと、自力で捕獲してしまおうとか、そういうことになると、思わぬ被害を被るということもあると、その辺のことは、住民の方にはちゃんと伝わっているのでしょうか。

自然環境保全課長                県と、市町村も含めまして、ホームページ等の広報になりますが、広報させていただいております。これは、アライグマとタイワンリスに限らず野生鳥獣全般につきまして、それぞれの鳥獣がどんな病気を持っているかというのは非常に重要でありますので、そういった衛生のセクションも含めて広報しているところでございます。

松崎        次に、タイワンリスの生息地域と農作物の被害は、どんな状況ですか。

自然環境保全課長                県内のタイワンリスにつきましては、横須賀三浦地域を中心に生息しておりまして、周辺の横浜市、藤沢市、茅ケ崎市に拡大しつつあります。

 タイワンリスによる農作物被害の状況でございますが、平成25年度で、横須賀三浦地域で発生しておりまして、約210万円となっております。

松崎         こちらもですね、しょっちゅう見かけるようになってしまっていて、独特の声で朝鳴いております。防除実施計画を策定していないというのがタイワンリスの今の状況だと聞いていますが、策定していないのはなぜなのですか。

自然環境保全課長                タイワンリスは、横須賀三浦地域を中心に生息しておりまして、被害もその地域に集中しているということから、横須賀三浦地域の4市1町が、それぞれ防除実施計画を策定しており、対策に取り組んでおります。

 現在の生息状況を踏まえまして、県といたしましては、地域の実情に応じた取組に対して財政的・技術的な支援を行っているところでございます。

松崎         それでは、捕獲の実績について、伺います。

自然環境保全課長                タイワンリスの捕獲の実績でございますけれども、平成25年度で、横須賀三浦地域の市町、横浜市、藤沢市、茅ケ崎市で合わせて2,690頭となっています。

松崎        (要望)

大変な数だな、と思いますが、捕獲をしても増えてくるというのが実態なのかなと思います。タイワンリスの場合、これからの分布の拡大の防止について、県として監視を強化するとか何か打つ手があるのではないかと思いますが、お考えを聞きます。

自然環境保全課長                タイワンリスにつきましては、横須賀三浦地域とその周辺の地域に生息しているというのが現在の状況でございますが、今後、分布が拡大するおそれも確かにございます。

 そこで県では、まだ生息が確認されていない地域の緑地や公園などにおいて、録音されたタイワンリスの鳴き声を流すことによって呼び寄せられる個体を確認することで、生息状況を把握してまいりたいと考えております。

松崎        (要望)

録音された仲間の声を聞いて呼び寄せられるというのは、動物はだんだん学習していくものだから、最初のうちはそれでうまくいくかもしれないが、途中からやっぱり、あれはうそだ、という話になるので、なかなかどうかな、という気もしないでもないですが、やる前からあんまりそういうことを言ってもだめですから、とりあえず取り組んでもらって、改善もまた必要かと思いますので、よろしくお願いします。

いずれにいたしましても、アライグマは県、タイワンリスは市町、というのが今の状況だと思いますけれども、横浜でも当たり前のように見かけるようになっているので、政令市だからといって躊躇せずに、県の方で実態に即して政令市の方も対応するように、話し合って穏やかに連携してやっていただければなと思いますので、対策の強化を望んでいるのは住民なら誰しも同じと思いますからよろしくお願いします。