2015年9月25日(金) 本会議一般質問

(質問要旨)

2.くらし輝くふるさと神奈川

(1)生活困窮者に対する支援について

(松崎)   

   質問の第2は、くらし輝くふるさと神奈川についてであります。  まず、生活困窮者に対する支援についてお聞きします。  国民生活基礎調査の平成26年と平成16年の調査結果を比較すると、この10年間に世帯当たりの平均所得は579万7,000円から528万9,000円に低下するとともに、生活意識が苦しいとした世帯は増加しております。

 こうした中で、本年4月8日、知事の2期目に向けた統一地方選挙における街頭演説会が横浜駅西口で開催され、私も応援弁士として傍らでマイクを交代で握りました。夕闇が迫り、気温は2度。体の芯まで冷え込む中、知事は一人一人の方の手を握り、生活に困窮している人たちに新たに支援を行っていくと熱く語られました。そのときの知事の様子に、私は県民の思い、悩みに寄り添う新たな県の姿を見出す思いがし、大変に感銘を受けました。

 私は、単にその場に居合わせたのではなく、この問題にかかわった立場にあると考えております。したがって、県の生活困窮者支援の取り組みについてその状況を確認することは、私の責務であると考えております。

 知事は統一地方選挙後の初登庁時に、経済のエンジンを回すという効果を県民の皆様の隅々まで浸透させていくことは、何よりも大事なことである、ただ、そうしたことを実現するために、さらにいろいろな知恵を絞らなければならないという趣旨の発言をされております。

 私は、地域で生活上いろいろな障害のある方とその家族に対して生活支援に関する事業を行う、二つのNPOの役員を務めております。生活困窮に陥るリスクの高い方々の支援に携わっており、この問題は複雑多岐にわたることも理解しております。そうであればこそ、知事の発言は大変心強く感じております。  

 また、私と同様に感じている県民の方も多数おられると考えております。  

 そこで、知事に伺います。

 生活困窮者の実態についてどのように認識しているのか、また、生活困窮者への支援についてどのような方向で取り組んでいくのか伺います。

(黒岩知事)           

 くらし輝くふるさと神奈川について、何点かお尋ねがありました。  

 まず、生活困窮者に対する支援についてです。  

 さきの統一地方選挙で私は生活困窮の方々の切実な声を耳にし、その声に応えるためにはさらにいろいろな知恵を絞る必要があるとの思いを強くしました。初登庁後、早速、庁内の検討会の立ち上げを指示し、実態把握に着手しました。5月には、保健福祉事務所のケースワーカーから実際の事例を報告してもらいました。また、7月には、生活困窮の現状と課題をテーマに対話の広場を開催し、私も直接県民の皆さんと議論しました。  

 この対話の広場では、生活困窮者は社会とのつながりが薄く、なかなか必要なサービスにたどり着けないことや、生活困窮者のための相談窓口でさえまだ知られていないことなどか指摘されました。このように、生活困窮者に情報が行き届かず情報弱者になっている実態が浮き彫りにされました。また、公営住宅への入居などの住まいの問題や夏の猛暑による健康面の問題など、さまざまな議論が交わされました。

 こうした生活困窮者の抱える複雑多岐にわたる相談をワンストップで受けとめることが、何より重要です。そこで、まずは生活困窮者の支援活動をしているNPOや福祉団体などが活用できるよう、相談窓口や支援の仕組みなどの情報を一覧にしてホームページに掲載しました。さらに、情報弱者である生活困窮者自身に対しては、チラシやポスターにより身近な総合相談窓口などの情報を手軽に知ることができるよう、市町村と連携して取り組んでまいります。

 生活研究の問題は、一つの問題を解決すれば全てが解決するというような簡単なものではありません。県としては、引き続き全庁挙げて解決の方向を探り、生活困窮者に寄り添った支援策の具体化を急ぎたいと考えています。

松崎        それでは、1点再質問をさせていただきます。

 生活困窮は、経済的な問題だけではなく、健康や家族などのさまざまな課題が絡み合い、複雑化していることも理解しております。そうした問題の解決は単純にいかないこともわかっております。しかし、困窮者は早急な支援の仕組みがつくられることを願っていると思います。

 そこで、知事は時期的に、いつごろまでに議論を終えて政策を実現しようとしているのかお伺いいたします。

(黒岩知事)           

生活困窮者への支援の手、いつごろまでに着手するのかというご質問でありました。  

 こういった困窮されている方、早急な支援の仕組みが必要であるという認識、私も共有しております。その中で、県としては全庁挙げて知恵を絞りまして、今年度中に議論を詰めて、市町村を初めさまざまな関係機関・団体の方と連携し、できることから積極的に施策化していきたいと考えております。  

 答弁は、以上です。

(要望)                知事から再質問に対する答弁をいただきました。  

 それでは、要望させていただきます。  まず、生活困窮者に対する支援についてであります。  孤立する困窮者に対し、地域で手を差し伸べ、見守り、地域の一員として迎え入れる、そういった支援の仕組みをつくり、誰もが人とのつながりが実感できる地域社会が神奈川に広がっていくことを期待しております。  

 県が先駆的に取り組んでいっていただくことを要望いたします 。