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2018年6月19日 本会議代表質問

(質問要旨)

1 緊急課題の解決に向けて

 (1) ヘイトスピーチ対策について

  ア 本県のヘイトスピーチ対策について

(松崎)   

  ヘイトスピーチ解消法は、地方自治体の責務を規定し、各地方自治体の実情に応じた施策を自ら考えて取り組む事を求めている。

  これを受け、公の施設の利用許可に関するガイドラインを策定している自治体もあるが、本県の取組は広報啓発活動にとどまり、地域の実情に応じた施策、基本的な施策である相談体制の整備、教育の充実は講じていないため、本県の地域事情を踏まえれば、速やかに具体的な施策を検討する必要がある。

  そこで、ヘイトスピーチ解消法に規定されている県の責務を踏まえ、ヘイトスピーチの解消に向けて、外部の有識者を交えた検討会を設置し、具体的な取組について速やかに検討し、実行すべきと考えるがどうか。 また、県が管理する公の施設の利用に関し、有識者の意見を踏まえて庁内横断的な体制での速やかな検討と実行が必要と思われるがどうか、併せて所見を伺いたい。

(知事答弁)           

 松崎議員のご質問に順次お答えしてまいります。 緊急課題の解決に向けてについて何点かお尋ねがありました。 まず、ヘイトスピーチ対策についてです。 はじめに、本県のヘイトスピーチ対策についてです。 ヘイトスピーチは、人としての尊厳を傷つけ、地域で共に生きることを否定するものであり、人権尊重や多文化共生の観点から、決して許されるものではありません。 このため、県では、平成28年に施行された「ヘイトスピーチ解消法」における県の役割を踏まえ、ヘイトスピーチの解消を呼びかけるホームページを作成するなど普及啓発に努めるとともに、国に対して、ヘイトスピーチの規制について、統一的な基準に基づき、法整備を行うよう要望してきました。 しかしながら、こうしたヘイトスピーチの解消に向けた取組をさらに進めていく上では、法制度をはじめとした専門分野の知見や、ヘイトスピーチを巡る実態などについて、外部の有識者から意見を伺い、これを県の施策に活かしていくことが大切です。 そこで、8月に開催する「かながわ人権政策推進懇話会」の場で、新たにヘイトスピーチをテーマに取り上げ、委員である有識者や各種団体の代表者などから、具体的な取組方策などについて、幅広くご意見をいただいてまいります。 また、県が管理する公の施設の利用についてですが、ヘイトスピーチの実施が懸念される場合は、施設の管理者だけで判断せず、庁内横断的に設置した「人権男女共同参画施策推進会議」で調整を図ることとしています。 このため、施設利用の申請があった場合に、確認すべき点などについても懇話会からご意見をいただき、取組に活かしてまいります。 今後とも、こうした外部からのご意見も踏まえ、ヘイトスピーチの解消に向けて取り組んでまいります。

(松崎)               【再質問】 1点知事に再質問させていただきます。本県のヘイトスピーチ対策についてであります。8月には具体的な取組を検討するとの答弁でありましたが、いつまでに検討し、そして実行していくのか、知事に伺います。以上です。

(知事答弁)       【再質問への答弁】 それでは再質問にお答えいたします。今後、「かながわ人権政策推進懇話会」の委員の皆様から、様々なご意見をいただいてまいります。 この中で、具体的な取組に活かせるものにつきましては、全体の検討が済むのを待つことなく、速やかに順次実行に移してまいりたいとそういうふうに考えております。 これで終わりにします。

(要望)     それでは何点か要望をさせていただきます。まず本県のヘイトスピーチ対策についてであります。 最高裁判所で確定している京都朝鮮学園事件の判決は、大阪高裁の判断を支持しておりまして、その不当な差別的言動につきましては、表現の自由によって保護されるべき範囲を超えていることも明らかで、また、その活動は憲法13条にいう公共の福祉に反しており、表現の自由の乱用であって、法的保護に値しないと言わざるを得ないとされました。

  県はヘイトスピーチ解消法の立法趣旨を受けとめ、ヘイトスピーチに対して他のあらゆる法令と行政権を行使して厳正に対処すべきであります。多くの県民が不安を覚えております。ぜひ早急に県自らが主体となって、積極的にヘイトスピーチを解消するため、ヘイトスピーチ解消法4条2項、5条、6条に相当する具体的な施策を実行するよう要望いたします。