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2019年3月6日 経済・産業振興特別委員会 における質疑
精神障がい者の雇用促進について
精神障がい者の雇用促進について伺う。昨年の4月から、精神障がい者が法定雇用率の算定基礎に加えられ、より一層精神障がい者の雇用促進の取組が求められるということは言うまでもないが、元来、制度が変わったから取り組みを強化するのではなく、制度改正いかんにかかわらず、従来からしっかりと取り組まなければならない課題であると考える。
そこで、精神障がい者の雇用促進について何点か伺いたい。
1
経済・産業振興特別委員会資料の10ページに記載があるが、近年、県内における精神障がい者の新規求職申込件数及び就職件数は増加しているようだが、実際に雇用されている精神障がい者の人数はどの程度で、ここ数年はどのような傾向で推移しているか。
(答)
○H29.6.1現在で県内企業に雇用されている精神障がい者数は約3,100人
〇ここ数年の推移は、毎年400~500人程度増えてきており、5年前と比して約3倍
2
精神障がい者の就職件数が毎年1,000件以上あるのに、実際に雇用されている人数は少ないという印象である。就職しても退職する人が多いのか。就職した精神障がい者の職場への定着状況はどうなのか。
(答)
〇精神障がい者の平均勤続年数は、身体障がい者や知的障がい者よりも短い
〇障がい者が雇用されてから1年後の定着率も、精神障がい者のみが5割を下回る
3
精神障がい者は職場定着が課題のようだが、職場定着が難しい理由としては、どのようなことが考えられるのか。
(答)
〇精神障がい者の離職理由としては「職場の雰囲気・人間関係」が最多
〇その要因は、精神障がいが外見からは見えづらいなど、周囲の人の理解や必要な配慮を得るのが難しいということが考えられる
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精神障がい者が、法定雇用率の算定基礎に加わったのは平成30年4月からだが、冒頭にも申し上げたとおり、精神障がい者の雇用は、従来から取り組むべき課題であったというのが私の考えである。県では、昨年度まで、どのように精神障がい者の雇用促進に取り組んできたのか。
(答)
〇昨年までの主な取組
・精神障がい者の雇用をテーマとしたフォーラム
・精神障がい者が自身の状態を見える化するための「セルフチェックシート」の研修
・障害者雇用促進センターによる企業への出前講座(障がいの特性、職場で必要な配慮等にかかる説明)
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それでは、精神障がい者が法定雇用率の算定基礎に加わった今年度、精神障がい者の雇用促進に向け、何か新たな取り組みをはじめたのか。
(答)
〇今年度新たな取組
・企業を対象とした「精神障がい者雇用支援セミナー」
・精神障がい者職場指導員設置への助成
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精神障がい者雇用支援セミナーを、今年度新たに開催したとのことであるが、そのねらいは何か。また実施結果についてはどのように受け止めているか。
(答)
〇参加企業の精神障がい者の雇用と職場定着を促進することがねらい
〇当初の開催予定は1回であったが、定員を上回る応募があり、急遽、追加開催。参加者アンケートの回答も好評で、一定の効果があったと認識
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今年度から新たに、精神障害者職場指導員設置に対する補助を実施しているとのことだが、この補助事業のねらいと補助内容について、もう少し詳しく教えてほしい。
(答)
○中小企業が精神障がい者の雇用に取り組み、雇用した障がい者に対する社内の支援体制をつくることを促すことがねらい
○補助制度の内容
・精神障がい者を雇用して1年以内の、従業員100人未満の企業が職場指導員を設置する場合に補助
・補助期間は3年間
・補助額は、1年目は月額3万円、2年目及び3年目は月額2万円
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資料によれば、今年度の交付実績は3件とあまり伸びていないようであるが、これはなぜか。また今後、より一層の利用に向けた取り組みが必要と考えるが、あわせて伺いたい。
(答)
○中小企業が新たに精神障がい者を雇用するには、様々なステップが必要で、短期間で雇用に至るのは困難
〇今年度からの制度であり、周知が十分には行きわたっていないことも要因のひとつ
○今後はハローワークへの協力依頼や企業向けの周知を強化
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最後に、精神障がい者の雇用促進に向け、今後どのように取り組んでいこうとしているのか伺いたい。
(答)
〇企業に精神障がいについての理解を深めていただくための取組を充実させていく
・来年度の新たな取組として、企業で障がい者が働く現場の見学会を実施
・同じく新たな取組として作成を予定している、企業向けの障がい者雇用のためのガイドブックの活用を促進
・精神障がい者職場指導員設置補助金の利用促進のほか、
精神障がい者雇用支援セミナーについては、参加企業の取組状況に応じた、より実践的な内容に充実して実施
こうした取組を通じ、精神障がい者の雇用促進を図っていきたい
(要望)
従前より雇用が義務化されている身体障がい者や知的障がい者と比べ、昨年新たに法定雇用率の算定基礎に加わった精神障がい者は、求職者も急増しており、雇用拡大が期待される。
その一方で、受け入れる企業側の理解が、十分ではないことから、精神障がい者への理解と雇用、職場定着を促進する一層の取組みが求められている。
ともに生きる社会の実現に向け、今後とも工夫を凝らし、様々な支援を通じて、一人でも多くの精神障がい者の就労につながるよう取り組んでいただきたい。