下記質疑は神奈川県議会インターネット議会中継から動画を視聴いただけます

予算委員会 総括質疑(3月8日) 松崎 淳 委員(立憲民主党・民権クラブ)

1 かながわグランドデザイン第2期実施計画における経済のエンジンについて

(松崎委員)

 神奈川県を取り巻く社会環境につきまして、今回の点検作業を通じて、4年前の計画策定時と比べ、特に大きく変化したと実感されたことはどのようなものがありますか。

(政策部長)

 「かながわグランドデザイン 第2期実施計画」の点検にあたっては、客観的な指標等により、神奈川をとりまく社会環境の変化を検証いたしましたが、全体の結果といたしましては、これまでの傾向が継続していることを確認したところでございます。

ただ、その中で特に留意すべき変化も何点かございましたので、主なものを申し上げますと、まず、本県の人口は、これまで、2018年をピークの年と見込んでおりましたが、直近の国勢調査を踏まえた推計では、2020年頃がピークの年になると見込んでおり、確実な人口減少社会の到来を改めて認識するとともに、高齢化の加速を実感したところでございます。

  また、県内経済の状況では、中小企業等において、事業承継や人手不足などが経営課題となっている状況も、さらに顕著に見られるようになりました。

  このほか、AI、IoT、ロボットなど「第4次産業革命」の進展、情報通信技術の発達による「SNS」の普及、さらに、「キャッスレス化」の動きが急速に進んでおり、県民のくらしに大きな影響を与える社会状況も改めて確認したところでございます。

  今後も、こうした社会環境の変化を的確に把握し、本県をとりまく課題にしっかりと対応していきたいと考えてございます。

(松崎委員)

 行政として計画的に政策を展開していく、このことが基本となるのは言うまでもありません。ただ、答弁にございましたけれども、予想を超える変化に迅速に対応していく、このこともたいへん重要な視点でございます。

点検報告の中で、特に「経済のエンジンを回す」取組について、ここから伺ってまいります。

まず、産業創出についてであります。企業誘致は、セレクト神奈川100の目標を上回る104件の立地が進んだわけでございますけれど、県内中小企業への波及効果という点ではどのような成果があるのでしょうか。また、県内での雇用創出の面ではどのような効果があったのでしょうか。

(企業誘致・国際ビジネス課長)

 誘致した企業は、まだ建設中など操業前のものも多く、経済的効果等が現れるには一定の時間がかかりますが、現時点で、既に947億円の県内発注が生まれるなど、県内中小企業にも大きな波及効果が出ていると考えております。また、雇用の面でも、既に約400人の新規雇用が生まれており、効果が出始めていると考えております。

(松崎委員)

 それでは、次、ロボットの実証実験についても伺いたいと思います。

実証実験の目標134件に対しまして、226件と大幅な超過達成をしたんですね。そして、20件のロボットの商品化が図られたということでございますが、では、このうち、県内企業による実績はどのくらいあるのでしょうか。

(産業振興課長)

 ロボットの実証実験は、点検報告書をとりまとめた以降も行っておりまして、最新の件数は、合計で232件となっております。そのうち、約62%の144件が県内企業等によるものでございます。

また、ロボットの商品化につきましては、全体で20件のうち、75%の15件が、県内企業等による実績となっております。

(松崎委員)

 今県内企業のことをお答いただいたのですが、それでは聞きますけれども、確かに多くの企業の県内進出、あるいはロボット関係の取組が積極的に進んでいる、このことは今の答弁をもって評価したいと思いますけれど、こうした成果が、県内で99%を占めております県内の中小企業にどのような効果を及ぼしているのか、この視点が重要と考えております。こうした視点に立って成果と課題、これをどうとらえているのか、産業労働局長に見解を伺います。

(産業労働局長)

 取組の成果でございますけれども、県が誘致した企業に対しましては、神奈川R&Dネットワーク構想への参加や県内発注を促すことで、中小企業との交流や技術連携、そして受発注につながっております。

  また、「さがみロボット産業特区」におきましても、神奈川版オープンイノベーション等を通じまして、中小企業の技術力を生かしたロボットの共同開発や受発注に結び付いていると考えております。

  それから課題でございますけれども、こうした取組に参加する中小企業の裾野を広げていくことだというふうに考えておりまして、AIでありますとか、IoTといった新たな技術への対応の必要性も含めまして、新たな事業・産業への参入や、取組への参加のメリットなどを、商工会・商工会議所を通じて、広く、そして強く発信してまいりたいと考えております。

(松崎委員)

 今局長から答弁がございましたけれども、このロボットの分野、私も非常に期待をしてきたものでございますし、一定の評価をさせていただきたいと思うんですけれども、ただ実際には、まだまだですね、県内における経済分野での波及、特に中小企業で実感を持たれて、この分野にどんどんどんどんと人が入っていく、というところにはまだ課題があるかなと。そしてその取組は一層推進してもらわないといけないということを思っておりますので、引き続き取組を強化していただくようお願いいたします。

ところで「経済のエンジンを回す」施策の成果を判断する根拠になりうる、毎月勤労統計調査の不正問題につきまして、国会で連日取り上げられているのは誰もがご存知かと思います。県民の皆様も注目しておられるかと思うのですが、今考えられる本県へ影響している可能性のあるものは、どのようなものあるでしょうか。

(政策局企画調整担当課長)

 現時点で、国から公表されている情報をもとに、誤った手法により実施された毎月勤労統計調査に関しまして、県の事務事業への影響を全庁調査により確認いたしました。その結果、一部、職員に対する手当等について、制度上影響を与える可能性があるものがございました。具体的には、職員に対して支給をした「退職手当」と、県が直接実施する事務事業ではございませんが、共済組合が職員に対して支給をした「育児休業手当金等」がございます。

一方で、今回の国の毎月勤労統計調査の不適切処理によって、県の事務事業を通じて、県民生活に影響を与えるものはないと、こういったことを確認してございます。

(松崎委員)

 今の答弁ですと、事務事業に直接の影響がないけれど、しかし実際のところの影響が全くないわけではなくて可能性を含めると、そこには一定の及ぼしている可能性がある、みられるものがあったということでございます。そこで、お聞きをしたいのですが、この問題で統計や指標、つまり国あるいは地方を問わず、行政の根拠が、企業からも働く人たちからも、誰からも信用されない、説得力を失ってしまう、そうした事態を私は心配をしています。昨年、国の公文書改ざん問題が起きた際には、県は公文書のあり方について不断の見直しが必要であることから全庁横断で検討組織を設置して総点検を行いました。行政への信頼の確保に向けまして県としての努力を払ったばかりでございます。しかし、立て続けに障がい者雇用の人数水増し問題、これが発覚し、今度は統計不正でございます。そこで、知事にお聞きしたいんですけれど、統計不正問題で傷ついてしまいました行政への信頼について、県はどのように捉え、どのように対応していくつもりなのか伺います。

(知事)

 今般、国による毎月勤労統計調査の不適正処理が明らかになりましたが、誤った調査結果により雇用保険や労災保険等が過少となっていた方が、延べ1,970万人にものぼるなど、国民の生活に多大な影響を与える重大な事案であると認識をしております。統計のみならず行政への信頼を失わせた国は、二度とこうした事態が起こらないよう、再発防止と信頼回復にしっかりと取り組むべきだと考えています。

県では、国が公表している情報をもとに、国の不適正処理による県の事務事業への影響を調査したところ、一部、県職員の退職手当等に影響が生じる可能性はありますが、県の事務事業を通じて県民生活には影響を与えないということを確認いたしました。また、統計法に基づき県が独自に実施しています16の統計調査につきましても、総務大臣への届出内容と実施内容が相違していないことも確認しました。

今回の事案を通じて、改めて統計の重要性といったものを強く認識しましたので、本県といたしましても気を引き締め、今後も適正な事務執行に努めてまいりたいと考えております。

(松崎委員)

 やはり、私も知事と同じように、これは重大な事案だと受け止めておりますし、今後とも県としては、適正な対応を是非ともお願いしたいと思います。

次に未病産業研究会について伺ってまいります。ヘルスケア・ニューフロンティアの推進、これは複数のプロジェクトに係る神奈川県の戦略の一つに位置付けられております。企業にとっては新たなビジネスチャンスにつながることが期待をされておりまして、その期待から、未病産業研究会には680社以上の企業・団体が参加しております。この中から新たなビジネスとなる取り組みとして、どのような成果が出ていますか。

また、この中で県内に中小企業に波及したものとしては、どのようなものがあるかを伺います。

(ヘルスケア・ニューフロンティア推進本部室長)

未病産業研究会につきましては、超高齢社会の進展という社会の大きな変革の中で、未病産業という新しいジャンルを切り開きイノベーションを起こすことを目的としておりまして、この趣旨に賛同する様々な分野の多くの企業が集い活動してまいりました。これまでの成果といたしましては、例えば、継続的に歩くことで保険料の一部が返ってくる、いわば未病保険とも呼ぶべき保険商品など、60を超える新たな商品、サービスが参加企業の中から生まれております。

また、研究会の参加企業がスピンオフをいたしました、湘南会議が昨年10月に藤沢市の湘南ヘルスイノベーションパークで発足いたしまして、先日は新たなビジネスモデルを発表するなど自発的な取り組みも進んでおります。県内の中小企業につきましても、例えば、姿勢の歪みを測定するシステムの商品化など、研究会の活動を通じて新たなビジネスチャンスの創出につながったケースがうまれております。

(松崎委員)

 私は先ほどですね、この質問ではですね、県内の中小企業へ波及したものは、どのようなものがありますか、というふうにお聞きをしたのですが、聞き方が悪かったのもしれませんが、私の意図しているところは、やはり実際に県民の皆様、とりわけ中小企業の皆様にとって、これは期待が持てるな、実際に我々のビジネスとつながっていくな、ということを実感していただけるかどうかというところに、これはかかっているなと思っているわけでございます。従って、今のご答弁を頂いたのですけど、やはり中小企業にきちんと波及していくのかというあたりを、確信を持ちたいものですから、答弁をもう一度その点に絞ってお答え願えないでしょうか。

(ヘルスケア・ニューフロンティア推進本部室長)

 未病産業研究会でございますけれども、現在688の企業がございます。この中で、県内中小企業が278ということでございますけれども、そしてこのような企業が、年に10回近いかたちでミーティングを繰り返しておりまして、こうした中から新しい産業創出というものを、私共しっかりと支援してまいりたいと考えております。

(松崎委員)

 今、答弁ではしっかりと支援していきたいと、はっきりおっしゃいましたので、やはりそこのところを実行していただきたいと強く求めておきます。

 県内に多くの企業が立地し、経済活動が活発化することは大変喜ばしいことです。私は、その影響が、特に中小企業へどういう波及効果を及ぼしたのか、及ぼしていくのか、そして、雇用創出などにどうプラスに働いていくのか、働いてきたのか、ということが一番重要だと思っています。

この分野に限らず、今後のあらゆる施策展開と結果の評価にあたりましては、こうした視点を徹底し、先ほど統計について知事のお答えもございましたので、評価指標も工夫すべきだと考えていますし、その成果を実際に県民の皆さんに分かりやすく伝えていく、ここが重要かと思います。県政への理解や評価につながるわけでございますから、この点について、知事の見解と今後の取組について伺います。

(知事)

 本県ではこれまで「政策のマネジメント・サイクル」に基づき、数値目標の達成状況などにより、政策評価を行い、政策運営の改善を図ってまいりました。

  そして、その数値目標については、できる限り県民の生活に直結した指標を設定するとともに、その成果や分析結果を県民の皆様に理解していただくことが重要だと認識しております。

  今後、人口減少・超高齢社会の進展により、解決すべき課題が複雑化・多様化する一方で、自治体経営は財源的にも人員的にも一層厳しい状況になることが見込まれます。

  そうした中、迅速かつ的確に課題を把握し、有効な対応策を講じていくには、政策立案時に様々なデータを活用し、政策と成果の因果関係をより明確にする「証拠に基づく政策立案」EBPMの考え方を導入することが必要だと考えております。

 そこで、本県では、今年度から、EBPMを政策レビューや予算編成に取り入れることとしました。

  今後は、こうした取組結果を参考に、EBPMの考え方をできるだけ広く、「政策のマネジメント・サイクル」に導入してまいります。

  この中で、県民に分かりやすい指標を設定し、その成果をしっかり伝えていくことで、県民の皆様に理解され、評価される県政を展開していきたいと考えています。