2020年9月28日
総務政策常任委員会 立民 松崎委員

(松崎委員)

本会議の代表質問におきましても取り上げたところですが、日米地位協定について質問します。

 黒岩知事は、本会議での我が会派の代表質問に対しまして、基地問題の抜本的な解決のためには、日米地位協定の改定が不可欠であるという認識を示したうえで、引き続き渉外知事会を中心に、全国知事会とも連携して、日米地位協定の改定に取り組んでいくという姿勢を示されました。そこで、現在の本県の取組、今後の方針につきまして何点か伺ってまいります。

 報告資料によれば、在日米軍における新型コロナ感染症対策につきまして、渉外知事会において要請を行ったということでありますが、日米地位協定の改定については、どのように要請しているのでしょうか。

(基地対策課長)

報告資料記載の渉外知事会の要請は、8月18日に実施いたしました渉外知事会の定例要望と併せて実施いたしました「在日米軍における新型コロナウイルス感染症対策に関する特別要請」の内容について、御報告したものでございます。

日米地位協定の改定につきましては、例年どおり、定例要望書の中で国に求めております。

具体的には、国内法適用の拡充として、人、動物及び植物に対する検疫並びに人の保健衛生に関して国内法令を適用することなど、7本の柱に掲げる19項目について、日米地位協定の改定を求めたところでございます。

(松崎委員)

資料記載の内容は、特別要請として実施したもので、同日に実施した定例要望で、地位協定の改定について要請しているということでありますが、参考までにお聞きしますが、報告資料には5月に緊急要請を実施、とございます。では、「緊急要請」と「特別要請」の違いは何でしょうか。

(基地対策課長)

「緊急要請」と「特別要請」では、厳密な使い分けはございません。いずれも、毎年行っている定例要望書による要望とは別に実施しておりまして、例えば、大きな事件・事故などが発生し、緊急に対応を求める場合は「緊急要請」、定例要望とは別に個別の課題について、特に強調して求める場合に「特別要請」を実施してきたところでございます。

本年5月の緊急要請は、3月末に米軍が感染者情報を非公表にするという措置をとったことを受けまして、適時適切な情報の公表などを緊急に対応を求めるといった趣旨から実施したものでございます。

8月の特別要請は、定例要望書には含んでおりませんが、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえまして、個別に対応していただきたい事項について求めたものでございます。

(松崎委員)

それぞれの要請にそれぞれの性質がある程度浮かんでくるのですが、総じて、相対的なものであり、絶対的な仕切りや違いがなく、わりと柔軟に要望している経緯があります。であるならば、どうしてこの特別要請の中で地位協定の改定を求めないのか、逆に説明してください。

(基地対策課長)

8月に実施いたしました特別要請は、例えば平成25年の日米合同委員会合意を踏まえ、現在の合意に位置付けられていない米軍基地と、日本側の衛生当局間の情報交換の仕組みづくりを求めるといった、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、この時期に特に国に取り組んでいただきたいことを強調して求めたものでございます。

できるものから適時・適切に対応いただきたいという事項でございまして、例えば日米地位協定の改定によるといった手法まで限定して求めるものではないと考えております。

一方で、日米地位協定の改定につきましては重要な課題でありますので、引き続き定例要望の中で、しっかりと国に求めたところでございます。

(松崎委員)

コロナ対策という差し迫った課題があり、また感染症の情報について非常に限定された状況であったのを、住民の不安に応える形で安全で安心なものに変えていくためにどうするかというところで、アメリカに対して、優先順位をつけて求めていくということは私もまったく賛成です。ただ、もう一つあるのが、日米地位協定の改定という県の基本的な姿勢というものの重みをどれぐらいつけて、具体的に相手に伝えているのかということが、気がかりになる部分がややあるので、やはり安心して、一緒に県民の声を踏まえて活動をしていただきたいと思っておりますから主張しております。

一方で、報告資料では、基地関係県市連絡協議会による要請について記載されています。この協議会の定例要望において日米地位協定の改定について、渉外知事会と同様の内容は求めているのでしょうか。

(基地対策課長)

渉外知事会の定例要望では、日米地位協定の課題につきまして、改定を求めるものと、運用改善を求めるものとに区分をいたしまして、包括的に幅広い内容を求めております。

一方、基地関係県市連絡協議会の定例要望では、渉外知事会と共通の内容もございますが、基本的には、神奈川県の基地問題に関連があると思われる事項について要望しております。

なお、県市連絡協議会の要望では、改定を求めるもの、運用改善を求めるもの、という手法による区分を設けずに、両者を含む見直しという言い方で要望してございます。

(松崎委員)

具体的にお聞きしたいのですが、基地における新型コロナウイルス感染症の対応に関してですが、最終的には、保健衛生に関する日本法令の適用がキーワードになってくると思います。そこで、日本法令の適用に関して、地位協定の改定が不可欠であるという理解でよいのでしょうか、あるいはそういう風に考えていくのでしょうか。

(基地対策部長)

現行の日米地位協定のもとで、在日米軍の活動には、原則として、受入国である我が国の法令は適用されませんが、受入国の法令を適用していくための、いくつかの手法があると考えております。

一例として、在日米軍の基地の間の移動につきましては、交通法規などが米軍に適用されます。これは、日米両国政府が日米地位協定を調印した時に、公式に定めた議事録、歴史上は合意議事録と呼ばれていますけれども、これによりまして、日米地位協定の第5条の日米両国政府の公式の解釈として定められたものでございます。

また、地位協定の条文で、日本法令の適用を定めたものもございます。具体的には、米軍が雇用している米国人の事業者に対する日本法令の適用を定めた条文がございます。

外国の例でございますが、これはヨーロッパの例ですが、NATO軍地位協定を補足する、ドイツの「ボン補足協定」がございます。包括的な内容で、ほぼ地位協定に近いものでございますが、ドイツの環境法令等を、米軍を含むドイツへの駐留軍基地に適用することを定めております。

このように、国内法を適用していく上では、いくつかの手法があると考えられますが、渉外知事会においては、地位協定改定を積極的に進めるべきという立場から、国内法令の適用については、国会承認条約である日米地位協定を改定して行っていただきたいということを国に対して主張しているものでございます。

(松崎委員)

渉外知事会として、日米地位協定の改定が必要だ、だから改定してほしいということを国に対して要望している、という明確なお答えでありました。今差し迫った課題としてのコロナ対策でありますから、保健衛生に関する日本法令を適用できるかどうか、地域住民にとっても気がかりな不安なものでありますし、同時に、日本とアメリカとのより良い関係づくりという観点からも改定が必要だと考えるところであります。

日米地位協定につきまして、改定を具体的に求めていくときの課題、運用改善を求めていく場面での課題、両方それぞれ様々あると思います。ただ、差し迫ったコロナウイルス感染症対策というものもありますから、そこも念頭に置きながら、日米地位協定の課題につきましてどのように取り組んでいくのか答弁を求めたいと思います。

(基地対策部長)

日米地位協定につきましては、締結から60年以上改定されておらず、その改定は、本県を初め、渉外知事会構成都道府県の共通の願いでございます。

これに対しまして、日本政府は地位協定の改定ではなく、運用改善によって、迅速な対応を図るべきであるとの方針を繰り返し明らかにしております。

本県といたしましても、運用改善を否定するものではありません。運用改善により迅速に対応できるものについては、そのようにすべきであると考え、渉外知事会におきましても、運用改善関係の要望を行っております。

また、米軍の新型コロナウイルス感染症対策に関しましては、緊急要請、特別要請を実施いたしましたが、その手法までは限定しておりません。

一方で、運用改善を行ってもなお、抜本的な解決には至らない基地問題があることも事実でございまして、最終的には基地問題の抜本的な解決のためには、日米地位協定の改定が必要であると認識しております。

今後も、関係都道府県と協力しつつ、また地元の基地問題につきましては地元市の意向に配慮を払いつつ、日米地位協定の改定実現に向け、粘り強く取り組んでまいります。

(松崎委員)

知事はこの問題について、基地問題の抜本的な解決のためには、日米地位協定の改定が不可欠であると、基本方針を明確に答弁しています。そのことを受けまして今日は具体的な取組について伺ったわけです。県が、新型コロナ感染症対策の現状を踏まえ、早急に実施すべき内容について、特別に要請していることは理解いたします。一方で、様々な基地問題がありますので、最終的には日米地位協定の改定が不可欠であると思います。最終的にと申し上げましたが、優先順位が最後ということではありません。到達したい一番の念願の課題だという意味です。今後も、日米地位協定の改定に向けて、引き続きしっかりと取り組んでいただくことを強く要望します。