2004年12月 決算特別委員会の質疑のまとめ
神奈川県立の病院事業決算についての質疑

こども医療センターの新棟整備による医療機能の充実と経営改善

松崎:   横浜市南区のこども医療センターで現地調査を行い整備中の新棟を回った。特に大規模な地震に備えて免震構造を採用して耐震性の強化を図っているところを実際に見た。この新棟整備で充実を目指す医療機能は。

県側:   県内唯一の小児科の高度専門医療機関として小児移植医療や思春期医療という新たな医療ニーズに対応するとともに、患者一人当たりの病室面積を二倍にして患者の療養環境を改善することが目的だ。あわせて老朽化した本館を免震構造とし、地震発生時の患者の安全や医療機能の確保を図る。具体的には患者さんの生活の場としてのプレイルームや学習室を設置するほか、骨髄移植やさい帯血移植など移植医療に対応したクリーン病棟を整備し、思春期医療を念頭に病室の個室化を図る。また外来診療室や処置室の充実、検査・放射線部門の集約化など外来医療機能を充実させる。さらには集中治療室や救急処置室などを整備し救急医療を充実させる。

松崎:   ぜひよろしくお願いしたい。ところで病院事業会計は企業会計に移行して3年たち3年連続して損益は黒字を達成しているが、この新棟が完成すると当然減価償却が始まる。そうするといままでの黒字が一転して赤字になっていくという懸念を抱くが、胴のような見通しを持っているか。

県側:   こども医療センターの経営成績は3億9200万円の黒字だが、新棟整備に伴って、いままでは2億円程度の減価償却費が18年度から23年度までは8億円から9億円の額に一気に膨らむので、このままで行くと18年度には赤字になってしまう。そのため収支の改善策として、診療体制を見直し地域医療機関との連携を推進して病床の利用率を向上させたい。また入院管理料や地域医療支援病院の施設基準の取得など診療報酬上のメリットも生かしたい。さらには薬品の使用量や光熱費の節減などできるところから費用削減に努めたい。

松崎:   赤字にしないということを、いまここでいえるのか。

県側:   18年度から単年度黒字にできますと約束はなかなかできないけれども、減価償却費が上がることについては重く受け止めて経営改善に努める。

松崎:   その答弁をこちらが重く受け止める。一層の努力をお願いする。