神奈川県議会平成18年6月定例会
厚生常任委員会質疑のまとめ
4 アレルギー疾患対策について
松崎 ● アレルギー疾患についてお聞きしたい。
いままで教育委員会は、被患率という独自の調査を続けており、その結果、横浜市金沢区のある小学校では、ぜん息の被患率が19%を越えている。実際に金沢小学校を訪れて見た限りでは、このような状況はなかったが、一方でぜん息の子どもが増えているのではないかという感覚だけは持っている。それは、被患率というデータが毎年どんどん増えているからである。
そこでお聞きしたいが、保健福祉部では、神奈川県における一般県民のぜん息等アレルギー疾患の状況を把握しているか。
健康増進課長 ○ 本県では、今後のアレルギー性疾患にかかる保健施策を検討する基礎資料とするため、平成15年度の「県民健康・栄養調査」に併せて、県独自の「アレルギー性疾患調査」を実施している。
○ その結果は、約44%の方が何らかのアレルギー性疾患があると回答している。内訳としては、花粉症が25%、花粉症を除くアレルギー性鼻炎10.1%、アトピー性皮膚炎7.3%、気管支ぜん息6.3%、食物アレルギー4.1%となっており、多くの方がアレルギー性の症状を抱えていると認識している。
松崎 ● 本会議でも我が会派の大井議員から質問があったことであるが、具体的な医療提供体制についてどのように考えているか。
健康増進課長 ○ 昨年の10月に国からアレルギー疾患の考え方という通知が出され、基本的な考え方は、がん対策と同じように、県に、集学的医療機関を拠点病院として作り、二次保健医療圏に1か所、専門医療機関を作ることとされている。同様な考え方でアレルギー疾患の対策として、県にまず国立相模原病院を集学的医療機関として位置づけ、また、特に子どもに注目したアレルギー疾患対策として、県立こども医療センターを指定する予定である。
○ 専門医療機関については、地域のかかりつけ医との連携のもと、症状が悪化した場合などに対応する医療機関として、県内の大学病院とアレルギー学会認定施設を合わせた25か所の中から各施設の意向を聞いた上で、今後、数年以内に計画的に順次、指定指定してまいりたいと考えている。
松崎 ● 県立こども医療センターは小児専門の医療機関として子供のアレルギー性疾患に対して進んだ取組みをしており、独立行政法人国立病院機構相模原病院に続き、今回、集学的医療機関に指定していく方向であるということは分かったが、一方金沢区には呼吸器系疾患の専門病院である循環器呼吸器病センターがある。呼吸器系のアレルギー性疾患の代表であるぜん息について、患者の動向やその治療がどのように行われているのか伺いたい。
県立病院課長 ○ ぜん息患者の動向だが、平成13年度は約2,100名、平成16年度は約2,500名、平成17年度は約2,800名と年ごとに増えている状況である。日本呼吸器学会の指導医、専門医など合計11名の医師が診察にあたっており、予防の観点から生活指導も含めて行っている。
松崎 ● 県のアレルギー性疾患対策を推進するにあたって、ぜん息に関しては、循環器呼吸器病センターも専門医療機関として、県のアレルギー性疾患対策の一翼を担うべきであると思うが、どう考えているのか伺いたい。
県立病院課長 ○ 県の対策の専門医療機関の指定には、日本アレルギー学会の認定教育施設であることが要件となっているが、先日申請して受理されたと聞いている。今後、認定されれば、県の専門医療機関指定に向けて手続きを進めていきたいと考えている。
松崎 ● 指定を受けていくという方向は、病院事業庁としての正式な見解か。
県立病院課長 ○ そのとおりである。
松崎 (要望)
● 県民の約44%の方々がなんらかのアレルギー疾患を持っているとのことであり、今後も、一層力を入れてアレルギー対策の取組みを進め、大学・病院の枠を超えてネットワークを形成してほしい。