神奈川県議会平成18年6月定例会
厚生常任委員会質疑のまとめ
3 産婦人科・小児科医師不足問題への対応について
松崎 ● 産婦人科・小児科医の不足問題については、先程山田委員からも質問があったが、私も少し、私なりの考えを持っているので、質問をさせていただく。 例えば、若い研修医が研修を修了し、産科、産婦人科あるいは小児科に一定割合の者が従事する、そういった手段はとれないものか。義務付けるというのはちょっと語弊があるのだが。
医療課長 ○ 産婦人科、小児科の方に若い医師を就けたらどうかという質問だが、この件について厚生労働省の方では、へき地医療や救急医療などの経験を病院や診療所の管理者要件に加えるという管理者要件の見直しについて、今年1月の社会保障審議会医療部会で提案しているという情報が入っているが、最終的に関係者の合意が得られず、今回の医療法改正の中に盛り込むことが出来なかったと聞いている。しかしながら、産婦人科あるいは小児科の医療について確保することは重要なので、全国知事会を通じて病院管理者の要件として特定診療科における医療従事を設けることなどを国に要望してまいりたいと考えている。
松崎 ● 国に働きかけていきたいというお答えであった。
● もう一つ、これはまた違う取組みだが、北海道では具体策に乗り出しているようで、北海道女性医師バンク(仮称)を設置したという。簡潔にこの内容を紹介すると、この女性医師バンクに登録した女性のお医者さんのご事情だとか希望、例えば報酬だとか、診察内容、勤務時間、勤務形態、育児支援の対応に併せて、柔軟な勤務形態に対応が出来る医療機関を紹介する。また、病院保育所、ベビーシッターといった育児支援が可能である医療機関の紹介、斡旋を行うと。更にこのバンクに登録した方を対象に復職された際のトレーニング、それからスキルアップのための研修も行うということで、これは北海道の医療政策課が中心となってやっているようだ。これで全て解決するというところまで言い切れないが、非常にいい、そして具体的な取り組みだと思うが、県ではこうしたことについてどうか。「やってみる」、「やってみない」、あるいは「よい」とか「悪い」とかの評価を含めていかがか。
医療課長 ○ 女性医師バンクということで、北海道の取組み例の紹介をいただいた。他県においていろいろな形での医師バンクが行われているようで、県で採用した医師を派遣したり、あるいは病院の求人募集に対して、希望に併せて紹介したりしている。あるいは女性医師を対象にしたり、へき地医療の医師を対象としたり、いろいろな形態がある。実施主体についても医師会とか、大学とかいろいろな形がある。産婦人科、小児科といった医師確保が困難な状況なので、そういったところにどういった形の医師バンクがいいのかについて、やはり神奈川県の実情にあった形で研究をしたいというふうに考えている。
松崎 ● ちなみに北海道がこの女性医師バンクを作ったのは、先程から何度も名前が出ているが、医療対策協議会というところだそうである。是非とも折角部会を開いているということであるから、そういった部会で提案するなり,あるいは検討していただくなり、具体的な一歩を踏み込んでいただきたいと思うが、そのあたりはいかがか。
医療課長 ○ 今後、医療審議会医療対策部会において、先程からお話しのあった医師管理者要件、医師バンクについてはご提案し、検討をお願いしていきたいと思う。
松崎 (要望)
● 是非とも、もう新聞でも、連日特集が組まれていて、全国でも神奈川県でも、医師不足が診療科によっては更に深刻な状況が続いているわけで、先程も施設数の減少、また常勤医の減少というデータも報告されているわけなので、前向きで目に見える対策を是非とも早急に取り組まれ、実施に移していただくことを要望させていただく。