厚生常任委員会県外調査報告書 調査日 平成18年9月4日(月)~6日(水)
特別養護老人ホームいづはら
1 目的
対馬市における高齢化率(65歳以上の高齢者の割合)は25%を超えており、少子化対策とともに、高齢者福祉対策の充実が求められ、市内の高齢者福祉施設は充実されつつあるが、施設に入所はするものの、家族や地域とのふれあいなどをどのようにしていくのかというソフト面での課題に直面している。当老人ホームは、ショートステイ、デイサービス及びケアサービスも併設された特別養護老人ホームであり、対馬市の高齢者の福祉の向上に寄与している。
そこで、高齢者福祉施設の運営状況等を調査することにより、本県における高齢者等福祉対策についての検討に資する。
2 施設概要
所在地 長崎県対馬市厳原町東里223-3
設置主体 対馬市
運営管理 社会福祉法人 長崎厚生福祉団
開所年月日 平成3年5月1日
入所定員 特別養護老人ホーム50名、デイサービス30名、ショーツステイ20名
事業内容 介護老人福祉施設事業・・・特別養護老人ホームいづはら
短期入所事業・・・・・・・いづはらショーツステイセンター
通所介護事業・・・・・・・いづはらデイサービスセンター
居宅介護支援事業・・・・・いづはらケアサービスセンター
建設面積 2,219.37㎡
敷地面積 9,308.56㎡
構造 鉄筋コンクリート造平屋建て
3 質疑応答
質疑 ● 入所者の平均介護度はどれくらいか。また、介護保険制度になってから入所者の順番等に変化はあったか。
回答
○ 現在の平均介護度は4である。現在の待機者数は30人であるが、措置入所の時は申し込み順に入所していたが、介護保険制度になって、介護度5以上の人が優先して入所している。
質疑 ● 医療機関との連携はどのようになっているか。
回答 ○ すぐ近くに対馬いづはら病院があるため、24時間体制で連携をとっている。何かあった場合にすぐ搬送でき、このような施設ではて安心である。
質疑 ● 入居者はほとんど対馬の方か。そして家族はどのくらいに頻度で面会に来るか。
回答 ○ ほとんど対馬の人である。要介護度5以上の人が22名いるが、月に1回程度の面会があり、仕事帰り等で毎日来る家族もある。ただ、足が遠のく家族も正直あり、その場合は、衣替えのときに新しい洋服も持ってきてくださいなど、何かの用事をお願いして、こちらに来てもらうように努力している
質疑 ● 将来的に介護保険施設と障害施設の統合の話もあるが、もう既に取り入れている形になっているのでは。
回答 ○ 障害者の受け入れ先がないため、介護認定してもらって受け入れている。
質疑 ● 対馬の世帯人口は2人強のようであるが、家族構成の状況はどのようになっているのか。
回答 ○ 若い人は、仕事も大学もないことから、高校を卒業すると島を出て行ってしまう。よって、老人の独居や高齢者夫婦2人だけの世帯が多い。お互いの介護が無理であるので、ショートステイでも実際はロングステイになってしまうケースが多い。
質疑 ● 最近老人の筋トレを推奨する動きがあるが、こちらでの取組はどうか。
回答 ○ 当初マシーンを購入して、筋トレを行うことを検討したが、今は、お散歩や買い物など、普通の生活の中で筋力を使うように努めている。
4 調査結果
特別養護老人ホームいづはらは、高齢化率が非常に高い対馬での老人福祉施設としてその役割を果たしており、介護保険制度適用により、入所者の要介護があがってきており、その中で、地域の特性に合わせ、ショーツステイ等と連携させながら効率的な運営を行っていることがわかった。これら高齢化率の高い地域での老人福祉施設を調査することにより、本県における高齢者等福祉対策についての検討に資することができた。