平成19年2月28日 厚生常任委員会質疑のまとめ

<子ども・子育て支援推進条例について(子ども家庭課)>

松崎       ●  子ども・子育て支援推進条例についてお聞きしたい。議案を見ると子育て月間を8月とするとのことである。なぜ8月なのか。

次世代育成担当課長           ○ 今回提案させていただいた条例の中で、地域や家庭の力を子育てに向けたいということがある。国の児童虐待月間は11月、子どもの日は5月であることも考慮した。

8月は、普段仕事で忙しい保護者が家庭に戻る時期と考え、また、子どもにとっても夏休みで、親と過ごす時間が長い時期とも考え、家庭と地域の力をもう一度、子育てに向けるのにふさわしい時期であると考えた。

○ 内容としては、ティッシュを配ったり、イベントを実施するのではなく、家庭に帰っていくことを促したい。

具体的には、ちょうどこの時期、現在、取り組まれているところも多いが、親子での割引で乗り物を使って出かけられるとか、工場等の開放、職場体験など、社会が若者や子どもに向き合って実施するものにしたいと考えており、新規のものではなく、現在行われている事業等を結びつけ練り上げていきたいと考えている。

松崎       ● 8月は暑くないか。

次世代育成担当課長           ○ 屋外で実施するイベントであれば暑い気がする。ただし、夏には旧盆があり、終戦記念日がある。いろいろなことを、家庭で、家族で、落ち着いて考えられる時期であり、暑くてもよいのではないかと考えた。

松崎       ● こういう質問をしているのには、もうひとつのポイントがある。県立高校のボランティアの日は10月25日である。この場合でも、10月25日にあてはまらない時はどうすればよいのかという相談を、私も生徒から受けている。したがって、趣旨に添うものであれば、8月にこだわらずに、いつでも実施してよいのではないか。

次世代育成担当課長           ○ 月間を設ける目標をどのようにとらえるかが大切である。いうまでもなく、日常どうあるべきかが大切だが、一方で、特定の時期を定めることで、社会全体で興味をもってもらうことも重要である。365日は無理でも、5月のこどもの日、10月は国の設定した月間、11月は児童虐待防止月間であり、1年を通じて、様々な子育てに通ずるテーマを思っていただくということで、8月にあってもよいのではないかと考えた。

松崎       ● 他のシーズンでも、同様に力を入れていただけるのか。

次世代育成担当課長           ○ そのつもりである。11月の虐待月間、10月の仕事と家庭を考える月間等、8月だけでなく、機会をとらえて普及啓発したい。

松崎       ● 具体的にどのように取り組むのか。安全・安心は、知事・県警本部長が取り組んでいる。教育長もティッシュを配っている。そのようなイベントは、何回も繰り返されており、県民の方は飽き飽きしている。もう少し工夫はないのか。8月に力をいれるべきものとしてどのようなものがあるのか。

次世代育成担当課長           ○ 新しいイベントを企画するというのではなく、今ある取組み、工場の開放、インターンシップ、ハイスクール議会などの既存の取組みを取りまとめ、連携することにより、家庭での子育て支援に向き合うきっかけとしていきたい。既存の取組みをまとめながら、実施している取組みをみて、自分のところでもやってみたいという人を増やしていきたいと思う。

松崎       ● 子育てに意欲的に取り組んでいる方々が大勢いる。これに応えるべく呼びかけをして欲しい。そうしておいて、相手からアプローチがあったら、対応に時間をかけるのではなく、レスポンスのよい対応をお願いしたい。

次世代育成担当課長           ○ 県として、県民の方が子育てに関して何か事業を実施する場合、共催・後援することは、前向きに、また、迅速に検討したい。しかし、それよりも、医師会や子育て支援団体などの民間の関係団体を構成員とした、法に基づく次世代育成支援対策推進協議会組織があるので、そうした県ぐるみの組織を前面に立てて対応していくことを検討したいと考えている。

松崎       ● 病児・病後児保育のニーズについて、県民の多様なニーズをお伝えしたことがある。県民には、具体的で様々なニーズがある。県としても、しっかりと取り組んでいただきたい。

 ここで気になるのが、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業者の行動計画である。課題としてとらえているのが、300人以下の中小企業における行動計画の策定である。中小企業は、例えば、5人くらいの零細企業であれば、毎日必死に働いている状況である。しかし、中小企業の経営者が、子育て支援に冷淡であるというわけでない。むしろ、意欲的に取り組んでいきたいと思う方も多い。これらの方々には、どのように働きかけているのか。

次世代育成担当課長         ○ 1月中旬の数字であるが、神奈川労働局へ行動計画の届け出があった800のうち、義務のある301人以上の事業者は651、義務のない300人以下の事業者は149とのことである。

300人以下の中小零細な事業者は、実際、行動計画の作成をどうやってやるのかわからない。それ以前に、制度自体も承知されていないというところもある。

提案させていただいた条例の中には、認証制度も設けたが、行動計画策定手続きなどもお手伝いしていくことが必要であると感じている。当初予算ではなく、今後の課題だが、そのような相談の仕組みを検討している。

零細企業でも、行動計画をつくり届出れば、国の助成制度により50万から100万円の助成を受ける対象となれる。

松崎       ● お手伝いのための新しい仕組みの検討はどこまで進んでいるのか、是非お聞きしたい。

次世代育成担当課長           ○ 去年の秋、条例の基本的な考え方の説明会を開催するに際して、県民向けだけでなく、事業者向けも実施した。仕事が忙しくて出席が少なくなると考え、21世紀職業財団とタイアップして、同財団が実施している中小企業の子育てと仕事の両立を図るための助成制度も併せて説明を実施した。また、社会保険労務士会と調整して、事業者の個別の相談にも乗っていただいた。

こうした工夫をしたおかげで、このような説明会にしては多数の150名弱の方々に参加していただいた。これは珍しいことで、こうした関係機関と連携した説明会や今回の予算案の中で、商工労働部金融課と連携して、フロンティア融資の中に新たな子育て支援のメニューを創設するので、そうしたメリットも説明しながら、個別相談を組み合わせてやっていきたい。

松崎       【要望】

● これまでの様々な努力の成果が現れているのかと考えている。子育て支援に取り組みたいという意欲を持った中小企業の経営者の方々も多くいるものと認識している。県として、是非、そのニーズをしっかりと受け止め対応していただくように要望する。