平成19年2月28日 厚生常任委員会質疑のまとめ

<神奈川県国民健康保険団体連合会に対するその後の対応について(医療課)>

松崎       ● 12月定例会で、神奈川県国民健康保険団体連合会の剰余金に関していろいろと質問し、答弁をいただき、また、要望も行ったところであるが、それに関連して何点か伺いたい。

● まず、12月定例会でいろいろ議論させていただいたが、その12月定例会の後、県としてどのような対応をしたのか伺いたい。

医療課長               ○ 12月の常任委員会において、委員から国民健康保険団体連合会の剰余金の扱いについてのご質問、ご要望をいただいたところである。常任委員会の最終日の翌日に私自身が国保連に出向き、常任委員会で出された質疑の状況を伝えるとともに、多額となっている剰余金の扱いについて検討するよう指導を行ったところである。

○ また、2月7日及び8日に国保連に対して行った定期指導の場でも、改めて、剰余金の縮減やその活用について理事会等で保険者の方々と十分な協議を行い、合意形成を図ること、また、場合によっては理事会等以外の場でも率直な意見交換を行うよう指導したところである。

松崎       ● 医療課長が自ら出向いて指導を行ったということである。直接出向いて指導を行ったその根底にある考え方はどういうことなのか伺いたい。

医療課長               ○ 12月の常任委員会でもご質問いただいたところであるが、国保連に多額の剰余金が集まるということで、その内容について、国保連とそれを構成する市町村に十分お考えいただいて、この額が適当なものなのかについて協議いただくようお願いをするという考え方である。

松崎       ● そういう県の指導を受けて、今、国保連ではどのような対応をとっているのか伺いたい。

医療課長               ○ 今月国保連の方でもいくつか会議が開かれている。例えば、2月2日に保険者の代表で構成する国保連運営協議会、2月14日に理事会、また2月23日に総会が開かれ、その場において、来年度の予算等についての審議が行われている。その場で剰余金の取扱いについて国保連の方から説明し、その中で意見交換が行われたと聞いている。

○ そこでは、剰余金の活用については将来の財政と併せて考えていきたい事を基本として、ただ、国保連の場合は、状況が大きく変わっており、医療制度改革やIT化の推進への対応が求められているということで、今後5年位の業務運営及び財政の見通しを考えなくてはいけなくなっている。ただその場合、平成20年度からスタートする高齢者医療制度の審査・支払業務を国保連で受託できるかということも大きく影響を受けるので、今、具体的な財政見通しは決められないが、その中で剰余金の縮減やその活用について一緒に考えていきましょう、という事で国保連の方から説明をして、保険者の方々からご了解を得られたと聞いているところである。

松崎     ● 県としてそれではどのような対応が可能で、またどう対応していくつもりなのか伺いたい。

医療課長               ○ 県としての今後の対応ということであるが、県は、国保連に対して、財産の管理執行等について、経費の不当支出とか財産の不当処分等の法令等に違反する場合には、国民健康保険法第108条の規定に基づき、是正改善命令等ができることになっている。

○ 今回ご指摘のあった剰余金について県としては是正改善命令するものではないと考えているところであるが、改めて厚生労働省に確認したところ、「国民健康保険法では剰余金について規制する規定はないことから、剰余金の多額が法第108条の違法・不当には当たることはなく、県が、この規定に基づき是正命令等を行うことはできない。」との見解が示され、その理由として、「国保連の業務は、保険者との契約に基づき行われるものであり県はそれを尊重して対応せざるを得ないこと、また、決算の認定に当たっては保険者も総会に出席する等して関わっているので、当事者間で十分話し合っていただく(問題である)。」という話であった。

○ したがって、県としては、保険者と国保連で構成する理事会等において、剰余金について十分話し合いをしていただき、決定されたこと尊重し、国保連が保険者と十分お話をしていただいて対応するよう、引き続き助言・指導という形で対応したいと思っている。

松崎       ● これからも引き続き助言・指導を行っていくということでよいか。

医療課長               ○ ただ今申し上げたとおり、引き続き十分国保連の方にはお話し合いをしていただくようお願いしていきたいと思っている。

松崎       ● 端的に言って、国民健康保険加入者が324万人、それで介護保険の改定も国保連でやるとなると、そちらと合わせると、支援費の関係も合わせるとだが、1兆5千億円、これは神奈川県の一般会計の1兆6千億円とほぼ同額と言っていい額である。

● その中で、毎年10億円を超える剰余金が出ていて、しかもそのことが、あの会計決算要求資料の中にも計上されていないのだから浮かび上がらず、関係者しか知り得ないという状況の中で、余剰金が各年度それぞれ生まれ、そして多額の繰越が行われてきたということである。

● そのことを当委員会で指摘し、助言・指導を実際に県は行ったというが、理事会等でも議論があったというが、申すまでもないが、その剰余金の使途が、これから先会計が厳しくなるかもしれない、けれどもまた新たな会計が入ってくるかもしれない、この「かもしれない」が多過ぎる。過去に剰余金が積まれた繰越金の透明化をどのように図るかということである。扱っている会計そのものがまさに国民健康保険とかあるいは介護保険というような「公共の会計」であるので、その点について、発揮できる権限の範囲内とはいえ、きっちりと引き続き助言・指導を行っていただきたいと思う。県民の皆様、加入者の皆様から見えるようにしていただきたいという事がまず要望の1点である。

● それからもうひとつは、前回の定例会の質問の最後に申し上げたことだが、昨年の10月から現役並みの所得の高齢者は負担金が3割に引き上げられている。そして、現役並みでない方も1割負担がまもなく2割負担に変わろうとしている。保険だからその性格は違うとはいえ、まさに支払っている側が対価としてのサービスを受けるわけだから、お金を払っている側から会計の内容が一義的に明快でない、よく分からないままであってはいけないと思う。せっかくこれから指導・助言をするということなので、是非ともこの剰余金の今後の扱いを含めて透明化を図るよう助言・指導を行っていただくことを強く要望する。