神奈川県議会 平成19年9月定例会本会議での一般質問と答弁

3         警察の諸課題について

●         (1) 愛知県長久手の人質立てこもり事件のほか、長崎市長射殺事件など、最近、暴力団関係者等による凶悪な犯罪が身近なところで発生しており、県民も不安に感じている。

   英国には「クライムストッパーズ」という民間団体があるが、この団体は犯罪情報を匿名でメールや無料電話で受け付け、この情報を元に、警察と連絡を密にし、警察が刑事事件を解決している。

   この仕組みは国民と情報の受け手と警察との信頼関係により成り立っており、日本の警察にとっても、地元住民との信頼関係を構築することが最も大事である。

   本県の暴力団対策に目を向けると、この信頼関係を構築するのに、パイプ役として最も重要な役割を期待されているのが、神奈川県暴力追放推進センターではないかと考えている。

   神奈川県暴力追放推進センターが行っている暴力相談について、7月2日から電話や面接の相談とともに、休日や真也でも県民が相談できるメール相談がスタートした。

   そこで、神奈川県暴力追放推進センターの役割とメール相談の効果的事例及び暴力団対策についての警察の取り組みについて、伺いたい。

○          

警察本部長答弁

○ 松崎議員、ご質問の「神奈川県暴力追放推進センターの役割」と「メール相談の効果的事例」及び「暴力団対策についての警察の取組」についてお答えをいたします。

○ はじめに、「神奈川県暴力追放推進センターの役割」についてでありますが、同センターは、「暴力団対策法」で規定されている公益法人でございまして、暴力団員による不当な行為の防止及びこれによる被害の救済を図るため、広報啓発活動や暴力団あるいはそれに関係していると思われる不当要求等の相談事業、更には、民間暴力排除組織への支援事業等を行うなど、県民総ぐるみの暴力追放運動を推進している法人であります。

○ そこで、「メール相談の効果的事例」についてでありますが、同センターの評議員であります松崎議員のご提案もあり、本年7月2日から、メールによる暴力相談を開始したところであります。

 今まで、メールによる相談が8件ありました。その中で、「暴力団関係者の車両を無断駐車されて困っている」旨の相談では、直ちに警察署と連携を図り、警告をして車両を撤去させております。また、「インターネットの架空請求をされて困っている」旨の相談については、対応をアドバイスした結果、被害を未然に防止することができたケースもございました。

○ いずれにしましても、メールによる相談は、開始して間がないわけでありますが、議員ご指摘のとおり、休日や深夜にもメールによる相談が届いているなど、県民の皆様にとって、利用しやすい相談窓口となっておりますので、今後も、県民の皆様方に周知徹底を図ってまいりたいと考えております。

○ 続いて、「暴力団対策についての警察の取組」についてであります。

 全国的に、暴力団員等によるけん銃を使用した卑劣極まりない事件が相次いで発生しておりますが、県内でも、相模原市内において、暴力団組員によるけん銃使用殺人事件とその後の立てこもり事件が発生するなど、本年に入って4件の発砲事件が発生しております。

  そこで、県警察としては、新たに暴力団対策課に「銃器摘発班」を設置し、取締り体制を強化したところであります。

○ 暴力団対策は、暴力団の取締りと暴力団排除活動が 有機的に連動する必要がありますが、暴力団に対して 真に打撃を与えるためには、社会全体で暴力団の資金 源を封圧するための対策を推進していくことが、特に 重要であると考えております。

  そのためにも、暴力団の資金獲得活動に対する取締りを強化するとともに、関係機関団体や地域・職域の皆様方と連携を強化し、今後、社会・経済の場から暴力団を排除していく諸活動を進めてまいる所存であります。

●           (2) 警察署の建て替えは、庁舎建築後の経過年数、署員数の増加等を勘案して、おおむね30年を目安として建て替え計画を策定しているが、その30年を経過している警察署は、県内54警察署のうち半数の27警察署にも及んでいる。

   現在の計画では、移転用地を確保するなどして毎年度1警察署のペースで建て替えを行っているが、その様なペースでは、単純に計算しても27年かかる。その間にも老朽化がさらに進むことを考えると地域の安全・安心の要、治安維持の拠点、さらには大規模災害が発生したときに災害活動拠点となる警察署の早期建て替えは差し迫った重要課題である。

    そこで、今後の建て替え計画をどのようにしていくつもりなのか、伺いたい。

○          

警察本部長答弁

○ 次に、「今後の警察署建て替え計画」についてお答えをします。

○ 現在の計画では、狭あいな敷地を解消するための移転用地の確保等の問題がありますが、基本的には毎年1警察署のペースで建て替えをお願いしているところであります。

○ しかしながら、議員ご指摘のとおり、このペースでは老朽化が進む一方ですので、関係機関とも調整のうえ、出来る限り財政負担のかからない手法の研究、耐震補強工事、改修工事等による建物の耐震化・長寿命化の推進などを導入し、県民の安全・安心の拠点である警察署として十分な機能が果たせるよう、必要な整備を進めてまいりたいと考えております。 ○ 以上でございます。