議員提案条例:神奈川県商店街活性化条例案に対する本会議質疑のまとめ

この条例案は、大型店や全国チェーン店が商店会に加入することを促進し地域振興につなげるとする、4か条の議員提案です。

平成19年12月11日午後6時54分 

本会議再開 出席議員議長共98名

日程第4 議員提出第2号議案 

議案朗読省略。

杉山信雄議員により提出者説明ののち、質疑に入る。

質疑者 松崎淳議員 民主党・かながわクラブ 

答弁者 佐藤光議員 自由民主党

〔神奈川県商店街活性化条例案〕

(目的)

第1条 この条例は、商店街が地域社会の発展に果たす役割の重要性にかんがみ、チェーン店、大型店をはじめ、すべての事業者がその事業を営む地域の商店街における活動に積極的に参加し、協力する機運を高めることにより商店街の活性化を図り、もって県民生活の向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 (1) 事業者 商店街において事業を営む者をいう。

 (2) 商店会 事業者が商店街の活性化を図ることを目的として組織する団体をいう。

(県の責務)

第3条 県は、市町村と連携して、商店街の活性化を図るために必要な施策の推進に努めるとともに、市町村が地域の実情に応じた施策を推進することができるよう、必要な支援に努めるものとする。

(事業者の責務)

第4条 事業者は、商店街の活性化を図るため、商店会への加入に努めるものとする。

2 事業者は、商店会が実施する商店街の活性化を図るための事業又は地域貢献等の取組に積極的に参加するとともに、応分の寄与をすることにより、当該事業又は取組に協力するよう努めるものとする。

附則

この条例は、平成20年4月1日から施行する。

<質疑と答弁のまとめ>

●松崎    本県におけるチェーン店、大型店の業態別及び地域別の商店会への加入状況は。

○答弁    県内全体では、加入率は78.8%だが、コンビニなどチェーン店は65.1%、居酒屋などは63.1%と低い。横浜市は大型店が78.2%、チェーン店が65.9%、川崎市はそれぞれ81.5%と66.2%、厚木市では21.1%と28.0%、箱根町には大型店が存在しないのでゼロ、逗子市、伊勢原市はチェーン店加入率100%だが、それぞれ5軒と6軒で、このパーセンテージにより地域の特色はなかなか見出せない。

質疑の趣旨:条例提案の前提となる事実を確認する。

●松崎    条例提案に向けて、関係者の意見を聞くなどどのような手続きを取ってきたのか。

○答弁  

 年2回のべ12回県内各地の商店街を視察し意見を交換してきた中でたびたびこの加入促進につながる方策について意見が出ていた。条例案の具体化にあたり県商店街連合会と二回、市町村の担当者と一回意見交換しご理解をいただいた。

質疑の趣旨:事前の手続きを確認する。

●松崎    条例案では県の責務として「商店街の活性化を図るための必要な施策の推進に努める」と幅広い規定があるが、本条例案の目的から見た場合、ここでいう県の責務とは、事業者の商店街活動への参加と協力、具体的には商店会への加入促進などを図るための施策の推進に努めることを定めていると受け止めている。そのような理解でよいか。

○答弁    商店会への加入率の低下等による商店会の疲弊が喫緊の課題であるとの認識のもと、まず加入の促進、商店街の事業や地域貢献への取り組みへの協力についての条例を制定しようとしたものであり、お尋ねにありましたとおりの理解で結構。

質疑の趣旨:この幅広い規定は、県当局への広範な委任なのか、逆に何でも責務を負うのか、解釈を明確にする。

●松崎    本条例案では県の責務、事業者の責務は規定しているが、商店会の活性化のためには商店会自身の取り組みや県民の協力が必要であるが、どのように考えているのか。

○答弁  

 加入促進は事業者や県の責務が第一に重要と考え、商店会の責務や県民の協力についての条文は設けていない。それぞれの立場からご協力をいただければと期待する。

質疑の趣旨:条例案に商店会の責務や県民の協力の規定がない。

●松崎    県と市町村の役割分担はどのように想定してこの条例を提出したのか。

○答弁    県としての理念や方向性を示すことが市町村の具体的な取り組みを後押しし、背骨を作ることになる。

この質疑の趣旨:すでに横浜市や相模原市など県内市町村の中には同趣旨の条例を制定し活性化に取り組んでいる中での制定の意味。

●松崎    本条例が施行されることでどのような効果が期待できるのか。

○答弁    すべての事業者にまちづくりの担い手としての自覚を促し、このような動きを全国に波及させて各地の活性化に向けた発信となる。

県の責務については、本条例案の内容である、「商店街活性化のための加入促進」に沿ったものとなると確認した。4か条の理念条例である旨の答弁もあったが、本条例を活かす施策が講じられるよう期待を表明して質疑を終える。

他に質疑者なし

議長 委員会審査省略を諮る 起立多数

議長 採決することについて諮る 異議なしと呼ぶ者あり

松田良昭議長

神奈川県商店街活性化条例について、原案にご賛成の方はご起立を願います。

総員起立により原案の通り決しました。