平成20年10月8日 商工労働常任委員会質疑のまとめ

<「EV用リチウムイオン電池」の取組状況について>

松崎       ● 8月の常任委員会の際にも「EV用リチウムイオン電池」の取組状況について取り上げられたところだが、この厳しい経済情勢の中にあっても、付加価値の高い環境ビジネスを起こし、雇用を生み出すことは大事なことだと思う。神奈川R&Dネットワーク構想や中小企業支援条例との関連も含めて、何点か伺いたい。

 まず、「EV用リチウムイオン電池研究会」の直近の様子について伺いたい。

答弁要旨             ○ 8月25日に第4回研究会を開催し、EV用リチウムイオン電池の研究開発、あるいは製造現場の最前線で活躍されている大学あるいは企業の方々に、様々な角度からご講演いただきましたが、なかでも、今年度、インベスト神奈川に申請しましたオートモーティブエナジーサプライ株式会社の方からも、ご講演いただきました。

 当日は、県が実証試験に用いている電気自動車の同乗試乗会も行い、約60名の方に電気自動車を体験し、実感していただきました。

 研究会の参加者は、県内はもとより、兵庫、愛知など、12の都道府県に加え、韓国からの参加もあり、過去最多の156名でありました。リチウムイオン電池の研究開発について、産業界の関心の高さが窺えると思います。

 また、研究会終了後も遅くまで、質疑応答、情報交換や議論が続けられたと聞いております 。

松崎       ● 私も一部ですが研究会に参加して、様子がわかりました。大分産業集積が進んでいるなという感じを持ったが、一方で、分からないのが、すでにR&Dネットワーク構想というものがあり、「神奈川R&D推進協議会」があるが、それと「EV用リチウムイオン電池研究会」との関係について説明していただきたい。

答弁要旨               ○ 「神奈川R&D推進協議会」は、現在、「インベスト神奈川」による助成を受けて研究所を新設・増設した大企業13社で構成しております。

 この協議会メンバーには、日産自動車のように直接、電気自動車の開発に着手している企業のほか、旭硝子や日本ゼオンなど、材料で関連する企業がありますが、13社全てが、必ずしもリチウムイオン電池に関係している訳ではありません。

 一方、県内には「インベスト神奈川」の助成を受けた企業以外にも、リチウムイオン電池の研究開発を行っている企業があります。

 そこで、「EV用リチウムイオン電池研究会」の発足に当たり、こういった企業を取り込むとともに、「神奈川R&D推進協議会」としては、取組の一つに位置付けて、協力する関係といたしました。

 これまでの研究会活動で、推進協議会メンバー企業から、日産自動車や旭硝子に研究開発の現状について、ご講演いただきました 。

松崎       ● R&D推進協議会というのは、リチウムイオン電池に限らず、すべての研究開発の母体となっているのか。

答弁要旨               ○ すべての研究開発の母体になるように、協議会を立ちあげたという認識です。

そのようになって欲しいと考えております 。

松崎       ● リチウムイオン電池には様々な可能性があり、いわゆるパワーエレクトロニクスというか、これから発展していくと大変裾野が広くて、雇用につながってくる可能性がある。現状、電気自動車以外で、どういう用途が考えられるのか。

答弁要旨               ○ パワーエレクトロニクスの分野では、電気を制御するのに一般的に蛍光灯などでインバーターが使われています。風車とか、風の状況によって、発電量、発電する電圧が違ってくるので、効率良く貯めるにはリチウムイオン電池、それを使うときに一定の電圧にしたりする用途に、パワーエレクトロニクスが使われています。新エネルギーということで、電力を使うところでは、リチウムイオン電池やパワーエレクトロニクスの技術が、一つのキーテクノロジーになるのではないかと思っています。

松崎       ●そこを聞いているのですよ。つまり、キーテクノロジーになると思うので、県として、どういう発展の可能性があるのか、何をどうしていくのか伺いたい。

答弁要旨               ○ リチウムイオン電池の方は、こういった研究開発の取組を行っているほか、それに関連する技術、例えば、電気自動車に急速に充電する急速充電装置とか、先日の常任委員会でも報告しましたが、そういった充電器を開発した企業に、工業技術開発大賞を受賞していただきまして、ご支援をするといったことを地道にやっていきたいと思っております。

松崎       ● 是非とも、次世代、しかも環境関連でもあるので、研究開発に力を入れるのはもちろんだが、それが同時に現実の雇用を生み出す。確実に神奈川は、この厳しい経済情勢の中でも、次の時代を見据えながら現実の雇用を生み出していく施策を目指していくべきだし、さらにがんばっていただけるように応援をしていただきたいと思う。