平成21年3月4日 商工労働常任委員会質疑のまとめ

<「かなテクカレッジ活用キャリア教育等推進事業」等について>

松崎       ● 民主党では、「平成21年度当初予算に対する要望」において、「安心して働き続けることのできる雇用の創造」の柱の中で、若者が現場や人物に直接触れる職業観の醸成手法の開発や、「ものづくりへの総合的な支援の確立」の中で、ものづくり人材の後継者養成などについて要望したところだが、こうした観点から、昨年4月から東部総合職業技術校で実施している「かなテクカレッジ活用キャリア教育等推進事業」について、何点か伺いたい。

 キャリア教育事業のうち、「ものづくり体験プログラム」の実施状況について、伺いたい。

答弁要旨               ○ 昨年4月に東部総合職業技術校が開校いたしまして、隣接した寛政中学校をはじめとする中学校3校と、近隣の鶴見総合高校などの高等学校2校の合計5校を対象に実施しております。

 学年又はクラス単位に、きめ細かい体験実習を実施しており、年度当初の事業計画としては580名の参加を想定しておりましたが、今後、実施を予定しております3月分を含めますと、最終的には予定を上回る約700名の参加が見込まれております。

松崎       ● 人数は700名ということなのですが、東部総合職業技術校の周辺の中学校3校と鶴見総合高校等と整合するか。

答弁要旨               ○ 20年4月に開校しましたので、近くからということもありますし、東部総合職業技術校自体は、県の東部をカバーしておりますので、私どもとしては東部地域の体験プログラムを対象としていきたいと思っております。初年度でございますから、近くの学校に声をお掛けして、実施させていただきました。

松崎       ● 初年度にあたっての取組であったから、こうであって、これからは県東部の中学校や高校に広く呼びかけていくと受け取れるが、どのように考えているのか。

 参加した中学生、高校生はどう受け止めていると考えているのか。

答弁要旨               ○ 今年実施しまして、好評いただいております。通常の職業訓練のプログラムの合間をぬって実施しておりますが、近隣にとらわれず、高校側のご意見とか日程を調整しながら、対象範囲を広げていきたいと考えております。

 体験プログラム終了後の参加者に対するアンケート結果は、中学生、高校生合わせまして、プログラムの内容が「大変良かった」とする生徒が65%、「良かった」とする生徒が29%となっており、合計94%の生徒から概ね高い評価をいただいております。

 特に中学生だけをみますと、「大変よかった」が78%、「良かった」が18%、かなり高い評価で、「普通」が4%ありまして、「あまりよくなかった」は0%でした。

さらに、アンケートの自由意見欄を見ると、工業系を中心に「難しそうだったけど、楽しかった」とい意見が多く、「やすりをかけてみて1ミリの大切さがわかりました」、「ケアワーカーの仕事は大変そうだと思いました」といった職業への理解が深まったことを感じさせる意見もあり、生徒の職業観の醸成に役立てたのではないかと考えております。

 また、引率された先生方からも、普段の授業では見られない積極性が見られて、次も是非参加させたい、という感想をいただいております。

松崎       ● 反響もあって、素晴らしい事業ならば、何も近隣の3つの中学校に限ることはないと思いますので、また広げていくお考えのようですから、東部という名前に属した形でどうすすめていくのか。かと言って、大勢の方がみえたら学校の機能がパンクしてしまったでは困ります。お示しをしていただきながら、うまく進めていただければと思います。

  体験入校で、これは生徒さんではなくて、若年フリーター、若年離職者・転職者が対象ということだが、調べさせていただいたところ、実施済みの1月29日現在で203名ということで、計画は120名だったので、大きく計画を上回ってはいるのですが、少なくはないか。

答弁要旨               ○ 体験入校は、今年度東部校が開校した中で進めている事業で、若干試行錯誤の部分がございます。

 1回目から6回目までやりまして、1回目の10月の時は、定員が20名に対して3名という時もありました 。

松崎      

● 1回ごとが、30名とか15名とか13名になっていて、明らかにチャンスを求めている人が対象になっていると考えられるのに、この人数は容量いっぱいなのか。もっと増やす余地はないのか。

答弁要旨               ○ 後半は、経済・雇用の状況もあるかと思いますが、11月くらいから尻上がりに増えまして、実施回ごとに言いますと、13名、14名、32名、最後の2月に実施した6回目は定員61名に対して93名、最近になって非常に増えてきております。

ここまでの評価を申し上げますと、73%の方から体験の内容が「大変良かった」との評価を頂いており、さらに、87%の方が今後東部校への入校を希望しておりまして、体験入校という意味での目的は達成できているのかと思います。

 実施回ごとにばらつきがあることは、今後検証させていただきたいと思います 。

松崎       ● 名称がキャリア教育となっておりますが、私がキャリア教育と言われて直感するのは、県立高校や私立の高校などで職業観等を養いながら、実際に職業がどういったものなのかを触れていくと受け止めています。

一方で若年者の方々、35歳までの方々についても、この名称がついているが、商工労働部としては、キャリア教育をどう考えているのか。

 県の教育委員会に聞くと、先ほど申し上げたことを言われるのですが、商工労働部としては教育委員会とどう連携していこうと考えているのか。

答弁要旨               ○ 私ども、若者就職支援センターの事業を 通じて、地域連携ということで、高校教育課と、まさにキャリア教育ということで、職業観の醸成のプログラムを実施しております。   

そういった面では、私どもと教育委員会のキャリア教育の定義は変わらないと考えております。

 ものづくり体験プログラムと体験入校の2つの要素をキャリア教育の事業ということで、事業名称の中で一本化しておりますので、キャリア教育ということでいけば、ものづくり体験の方がそれに近いもので、体験入校は職業訓練に誘導していくためであるので、若年者の方に対しては、体験入校ということで、お話をさせていただいております。事業名としてはそういう整理になっております。

松崎       ● 体験入校ということは、東部総合職業技術校に入校してみませんか、と意味合いかと思う。体験入校で素晴らしいなと思ったけれど、入校しなかった、他の学校にいかざると得なくなった方等もいるかと思う。

 体験入校というよりは、職業に触れてみる機会、そして興味が沸いたら、なにも東部総合職業技術校への入校だけではなくて、民間の教育機関が歴史と伝統をもって行っているわけだから、そこを目指してもいいと思う。

 うちの学校に来ませんかという狭さを感じるので、こういう仕事に触れてみたら、こういうことに興味が沸いたので、こういう進路を考えてみよう。そして、就労につなげよう、という形の組み立てを、学校側サイドからよりも参加してくる働き手となる方々の視点で、どういうようなかたちの組み立てが望めるかが、あってはいいかと思う 。

答弁要旨               ○ 1月から取り組んでおります、第3次の緊急経済対策の体験入校では、キャリアコンサルティングを併せて行っております。ご本人の適性はどこにあるのか、ということで、その中で技術校を目指していただく方はそれもよし、違う道が適しているということであればそちらに進んでいくこともあるかと思います。

 その方に合った将来の就職先をアドバイスするのが、ご指摘のとおり一番大事かと思いますので、私ども今後もキャリアコンティングを合わせて実施することで、技術校に誘導することだけでなく、ご本人を中心としたアドバイスをさせていただきたいと考えております。

松崎       ● 非常に反響があり、初年度を終えて本格実施をするということですから、いくつか要望、指摘をした部分を取り入れていただいて、利用者本位の形で進めていただくことを要望いたします。

中学校や高校とも連携を強化していくことになるかと思うので、教育委員会とも連携を図って、学びたい方本意の取組みを強化していただければと思います。