平成21年11月9日 神奈川県議会決算特別委員会での質疑のまとめ
平成20年度財務状況について
松崎 まず、財政状況について伺う。本委員会で対象となっている平成20年度決算は、県税収入は、1兆2,517億円で、当初予算額を300億円以上下回ったわけである。改めて、300億円の税収の減少は、どのような要因によるものなのか、簡潔にお答え願いたい。
税務課長 300億円のうち、180億円は法人二税の減収によるものでございまして、そのうち、法人事業税が135億円の減収でございます。これは、急激な景気の悪化によりまして、資本金が1億円以下の中小法人の税収が大きく落ち込んだことが主な要因でございます。
それから、個人県民税が40億円の減収となっておりますが、これは、均等割及び所得割が課税人員の増加などから増収となりましたけれども、配当割、株式等譲渡所得割こういったものが、株価の大幅な下落を背景に大きく減収となったものでございます。
そのほかに、消費関連税目であります自動車取得税や軽油引取税、これらも合計で約80億円の減収となっております。300億円の内訳は以上でございます。
松崎 今回の不況は、20年秋のリーマンショックが大きなきっかけであったということはよく分かるが、実は、その1年以上前からサブプライム問題や、それに伴っての円高、原油高という、経済の先行きに不安はあったわけである。20年度当初予算編成の段階で、もっと厳しく税収を見込むべきではなかったかとも思うが、どうか。 税務課長: 予算を見積もるに当たりましては、様々な経済指標、経済の動向を捉えるとともに、過去の税収実績などを踏まえながら、税目ごとに算定を行っておりまして、特に法人二税については、大法人であります2,000社、これについては法人ごとの収益予想等を踏まえて個別に算定を行っております。その中の特に主要な440社につきましては、県税事務所において、企業から直接情報を聞き取るなどして、見積りに反映させております。予算編成の段階では、確かに不安材料、懸念材料あったわけでございますけれども、好調さを保つ日本経済という現実の中で、先行きの見通しというのは悲観的ではなく、現に20年3月期の企業収益の予測というのは、当時5.9%の増益が見込まれておりました。そうした中にあっても、算定作業の中で、様々な基礎的な情報や計数が得られてまいりましたので、その積み上げの過程において、お話のような円高、原油価格の上昇など、収益環境の厳しさというのが、計数に反映された結果、法人二税の伸びというのは、最終予算額対比で1.7%増となっておりまして、収益予想のプラス5.9%と比べますと、かなり低くなっております。県税収入全体でも、0.1%の伸びということで、ほとんど伸びはみていなかったわけでございます。年明け以降の経済の激変ということがございまして、なかなか税収がそこに追いついていかなかったということは事実でございますが、決して楽観的な見積りをしたわけではなく、その当時把握でき得る範囲で、減速感を増しつつあった個別企業の収益見通し等も織り込みながら、算定をしたわけでございますけれども、この100年に一度という経済の激変を見通しきれなかったというわけでございます。