平成21年12月14日 商工労働常任委員会質疑のまとめ     

<(財)神奈川産業振興センターについて>

菅原委員               ● まずは、産業振興センターについて伺いたい。

この団体には、非常に多くの補助金が入っているが、県は、一体、この団体に対してどのようなことを求めているのか。

坂井産業活性課長               ○ 「財団法人神奈川産業振興センター」は、中小企業支援法に基づく「中小企業支援センター」に、県知事が指定した、県域で唯一の団体でございます。

 これは、県の中小企業支援施策を、県に成り代わって実行する組織である、との位置付けがなされているということで、県と整合をとりながら、その役割を果たしてきた、これが産業振興センターの役割でございます。

菅原委員               ● その中で、万葉荘というものがある。

この万葉荘というものを、事業内容で見てみると、基本的には、この産業振興センターの財政基盤を安定させるために存在する、と。  

それはやはり、団体として自立していった方がよいだろう、という考えに基づくものと思う。この考え方は非常に大切だと思う。

ただ、問題なのは、この万葉荘という宿泊施設が、センターの財政基盤を安定させるだけの財源を捻出させる能力がある宿泊施設なのか、ということを問わなければならないと考えているが、如何か。

坂井産業活性課長               ○ 万葉荘につきましては、中小企業従業員の福利厚生、という観点も含めて設置されておりますけれども、観光客、湯河原町全体がそうですが、この万葉荘につきましても宿泊者がこのところ減少してきております。

かつては、年間5万人を超えるような宿泊客がおりましたが、昨年度は2万8千人でございました。

その意味で、万葉荘の経営基盤は揺らいでいる状況にある、と考えております。

菅原委員               ● 確か、昨年の経常利益が1千万程度だった。今年が、見積額で2百万前後だった、と思うが、それが出ているかどうかは、決算をしてみないとわからないが、本体の財政基盤を安定させるのではなくて、逆に、財政出動をしなくてはならないような状態になってしまう可能性はないのか。

坂井産業活性課長               ○ このまま、利用人員がさらにどんどん減少していくということになれば、そういった事態に陥るおそれはございます。

菅原委員               ● 可能性はかなり高い。そう考えると、この事業目的としては、大変矛盾した事業になりつつあるのではないか。今後もやはり、財政基盤を強化する事業として、これは続けていかなければならないものなのか。

坂井産業活性課長               ○ 万葉荘につきましては、利用人員が減少してきているということを踏まえまして、今年度から3年間の経営改善計画により、利用増を図っていくこととしております。

営業、サービス内容の改善ですとか、様々な角度から3年間しっかり取り組んで、その先はその結果を見て判断すると。こんなところで、現在、取り組んでおります。

菅原委員               ● 経営改善をするというのは大切だが、その後が良くない。

「結果を見る」という答えを大体よくされるが、結果を見てどうするのか、今の段階で、やはり、ある程度決めておかなければならないと思う。

例えば、1千万くらいの赤字になりました、でもこの程度であれば許容範囲ですよ、とか色々理由をつけて延ばしてしまう可能性もあるわけで、この時点でどの程度だったら、継続すべきものなのか、あるいはどの程度であれば、継続を考えなければならないものなのか、その点は、指針を示しておく必要がある。

逆に言えば、指針を示しておくことによって、万葉荘の方達も、ある程度真剣さが出てくると思う。最終的には、結局、親は、産業振興センターで、もっと言えば県なのだ。なんとかなるだろう、というところは絶対あると思う。これは、民間の宿泊施設だったらないと思う。親が助けてくれるかどうかもわからないわけだから。

ある程度、存廃に関わる基準というのを、今の段階で示すべきだと思うが、如何か。

坂井産業活性課長               ○ 現時点で、こうなったらこうする、という具体のところは示してはおりません。

しかし、ご指摘のように、危機意識が欠如しているのではないか、という問題意識、課題意識はもっておりまして、万葉荘従業員に対しても、現在、非常に厳しい状況があるんだ、ということを、繰り返し説明をして、経営改善に取り組んでいるところでございます。

菅原委員               ● (要望)実際、万葉荘は、あの地域における存在として、雇用を生み出し、あるいは、地域振興にある程度の寄与をしている、という側面が、結果としてあるのは、重々承知している。財源を捻出できるとは思っていないが、ある程度、収支がトントンないしプラスでやっていけるのであれば、継続していくのもやむない施設なのかな、と思う部分もある。だからこそ、やはりその辺は厳しく、今仰ったように、危機意識をもたせるようなかたちでやっていただきたい。

 産業振興センターの中で、国際関係の取組があるが、海外ミッションの受入という事業がある。予算見積書を見てみると「中小企業国際化対策事業費」というかたちで、ドイツ、フランスからミッションの受入を行うという事業があるが、これは同じ事業なのか。違う事業なのか。

坂井産業活性課長               ○ ただいまご指摘の事業につきましては、産業振興センターの事業というよりも、産業活性課で実施している事業でございます。

菅原委員               ● そうすると、産業活性課でもミッションの受入をする事業があって、産業振興センターにもミッションの受入をする事業がある。 

微妙に目的は違うのかもしれないが、私からは、非常に似通った事業に見えるが、重複はしていないのか。

坂井産業活性課長               ○ 実際に事業を行う段階におきましては、産業振興センター、あるいはジェトロといった国際機関がございますので、そういったところと常に連携を図りながら実施しています。

菅原委員               ● そこがすごくわかりづらい。

交流していく、受け入れるというような同じ目的で、あちこちに主体が出てくるわけだ。ジェトロにも似たようなことをお願いして補助金を出している。産業振興センターでもやっている。県単独でもやっている。そうしたところを少し整理していかないと、先ほど総務課長から、財政が非常に厳しいという説明があるなかで、こうしたところをある程度整理していく必要があると思うが、如何か。

坂井産業活性課長               ○ もし、分かりにくくなっているというご指摘であれば、それは分かりやすく示す努力が必要だと思いますが、県の仕事だけではなかなか事業が上手く進まない部分もあります。

ジェトロあるいは産業振興センターの国際部門と連携することで、幅広くいろいろなところに呼びかけたり、効果的にできる部分がありますので、連携していくことに関しては、引き続き、是非とも必要だと考えています。

菅原委員               ● 私がわかりにくく受け取っただけで、実際は分かりにくくないんだよ、というご答弁だったと思うが、そうであれば逆に連携のようなまどろっこしいことをしないで、すべて産業振興センターに一元化すればいいではないか。目的は変わらないわけで、なぜ、その主体が県であるものがあって、ジェトロであるものもあって、産業振興センターであるものがある必要があるのか。産業振興センターなり、他のところに一元化すれば、一番話として分かりやすいと思うが、如何か。

坂井産業活性課長               ○ やはりそれぞれが持っている資源、例えば、県であれば海外駐在事務所や経済交流班、等々ございますが、それぞれ、特性を生かして一番上手くできる方法でやっていくことが基本の考え方になると思っております。そういった観点で連携をしております。

分かりにくい点については整理する必要があるかと思いますが、基本的には、現状で特に不都合はないと考えております。

菅原委員               ● 事業執行するときに不都合があるかないかではなく、目的を達成するものとして重複していないか、と伺っている。結果的に、求める成果が重複している可能性もあると思うが、重複は全くしていないということでよろしいか。

坂井産業活性課長             ○ 重複していないかどうか、ということであれば、重複している部分はあろうかと思います。ただそれは、我々としては相乗効果だと考えております。

藤井商工労働部副部長       ○ 確かに海外との交流については、県、あるいはジェトロ、また委員ご指摘の産業振興センターがございます。やはり課長が答弁したように、それぞれの役割がございます。

例えば、県では、駐在事務所をジェトロに間借りしている部分もあり、これは産業振興センターではなかなかできない部分でもあります。

色々な役割分担があって、それを三者一緒になって海外交流に取り組んでいる、という部分がございます。

文書では、確かに受入に係るところがいくつか出てきて、分かりづらい部分もありますが、例えば、県で受け入れるが、こういった部分について産業振興センターに一緒にやってほしい、という意味で、一緒になってやってるもので、両方出ているという側面もございます。

全く同じ事業を二つでやっているというよりも、こういう部分は県で、こういう部分はジェトロで、こういう部分は産業振興センターで、ときっちり分けている部分もございます。

整理はもちろんさせていただきますけれども、協力してやっていると捉えていただければと思っております。

菅原委員               ● わかりました。いまそういうご答弁だったが、そうであれば、逆に、成果は明確に違うものとして現れているのか。

坂井産業活性課長               ○ ご質問の趣旨を確認させていただきたいのですが、それぞれ三者の成果というようにとらえてよろしいのでしょうか。

そういう意味では全くそのとおりです。県として予算を計上して事業を実施した。これについては、当然、県としてこういった成果を上げたと。また、産業振興センター、あるいはジェトロが協力した部分については、例えば、それによって、参加者をどれだけ動員できたといったようなことが、それぞれの成果として考えられる、こういうことになります。

松崎       ● 産業振興センターは非常に大きな組織で、今日午前に発表された事務事業評価について、関連で伺いたい。

事務事業評価結果10事業のうち2事業が商工労働部関係であるが、何れも神奈川産業振興センターが行う形で展開している事業である。

 一つは小売商業経営革新総合支援事業費、もう一つは下請企業振興対策費補助であり、ともにC評価であり、かなり見直しが必要であるということでよいか。

森商業観光流通課長           ○ 小売商業経営革新総合支援事業費についてでございますが、神奈川産業振興センターが中小企業支援法に基づく中小企業のワンストップセンターという位置付けを踏まえ、ワンストップ相談事業、専門家派遣事業に対し、商業振興というサイドから補助する事業であり、神奈川産業振興センター事業の一部であります。中小企業者の大半は小売、商業、サービス業であり、そういった方の相談対応をするためのマネージャーの雇用、専門家の謝金などを中心に助成しております。神奈川産業振興センターがワンストップ相談窓口として機能していく上で必要な事業であると考えております。神奈川産業振興センターには、産業活性課から全体事業費として助成しているが、商業サイドから一部分担金のような形で支出しております。しかし、同じ事業に対して2つのルートから補助する方式はなかなか分かりにくいため、今後は、2本立てではなく、本体事業に一本化するような形で整理していく方向で進めております。

佐藤工業振興課長               ○ もう一本の事業で、下請企業振興対策費補助でございます。この事業は、中小企業の振興を図るため、下請取引のあっせんや相談、受・発注商談会等の事業を実施するほか、発注企業の開拓に取り組む事業ということで、県の補助事業となっております。

事業評価のご意見としては、世の中のITが進展しているので、オンラインシステム化が重要であるとか、企業のホームページを作成するといった支援に切り替えるべきではないか、というのが大きなメッセージでございました。

これに対してですが、下請企業の厳しい状況を踏まえ、受・発注商談会は大変有益な取組であると思っておりますので、そこの部分は引き続きやらせていただく。しかしながら、インターネットを活用した取組も重要な部分がありますので、若干の見直しを図りつつ、商談会に重点的に取り組むというような方向性を出しまして、来年度以降、見直しに取り組んでまいりたいと思っております。

松崎       ● 商談会については、経営改善の方の、経営改善目標の達成に向けた取組というところで、既に20年度、「商談会については、昨今の経済情勢からニーズが高まっているので、回数を増やすよう努力してもらいたい」と出ていますね。万葉荘についても、収支健全化、さらに経営努力を期待すると出ている。

 何故、神奈川産業振興センターに着目しているかというと、赤字決算をした後、有価証券に関する減損処理をし、さらに経営についていろいろ改善していく必要があるといった中、神奈川産業振興センターの役割論を再検証する必要があると考えた。

小売商業経営革新総合支援事業費についてC評価がでているのが何故かというと、中小小売商業者への情報提供、相談支援事業は、国、市町村、商工会議所等でも同様の事業を実施している。神奈川産業振興センターの本事業に対する補助について、県の役割分担や必要性を整理し、行政システム改革調整会議では廃止を含めて検討する必要があるという厳しい検討結果を出していることから、我々としては黙ってみているわけにはいかないということで問題提起している。

事務事業評価の結果を受け、どのように取り組んでいくのか。当然見直しをしていくことだが、そこには神奈川産業振興センターの役割の見直しが不可欠であるが、この点も含めどのように考えているか。

藤井商工労働副部長           ○ 行政システム改革調整会議やいろいろ批判を受けていることは承知している。また、必要な部分については当然改革をしていかなければならない。ご指摘の件について、同じことをしている全くない。例えば商工会・商工会議所議所で相談を受ける、これは基本的な部分の相談を受けるということである。商工会・商工会議所議所の指導員が地域を回っていろんな話を受けるのが商工会・商工会議所。また、県としては、例えば技術と経営の一緒になった相談を受けるなど専門性の高い、あるいは地域に偏らない相談も受けることで、全く同じ相談をしているとは思っていない。しかし、いろいろ誤解を受けるご指摘の部分で確かにそうだと思われる部分がある。基本は与えられた役目はあるということを踏まえた上で、皆様に分かりやすいやり方で改革をしていくのが我々のスタンスである。

菅原委員               ● 横浜貿易協会について伺いたい。

まず、この団体に対して県が求めるものは何か。

坂井産業活性課長               ○ 貿易関係企業の活性化、あるいは県内と海外との貿易による県内の活性化、そういったところでございます。

菅原委員               ● 横浜インドセンター、これもまだ、補助金が続いているのか。

坂井産業活性課長               ○ インドセンターにつきましては、今年度、正式に団体として発足しており、インドと神奈川県、非常に今後の経済交流が期待できるということで、ここの事業を支援するという観点から補助しております。

菅原委員               ● 両方とも国際にかかる部分で、産業振興センターについても、国際化について事業を実施しているわけだが、特に、インドセンターに関してはインドに限定をしているようだが、他の部分でもインドと何か県自体がやっていたような気がしたが、この辺りは、役割は重複していないか。別個のものなのか。

坂井産業活性課長               ○ 役割として重複するということがないように、県としても実施しておりますので、それは様々なジャンルでの取り組みということで、相乗効果を発揮するということで、事業を整理しております。

菅原委員               ● そういった中で、横浜貿易協会については、全体に占める県の補助金の割合が4.1%ということだが、財務の状況を見てみても、前年度よりも200万円ほど減額にはなっている。 

これは完全にゼロにしていくようなかたちというのも、こういった情勢であれば可能なのではないかと考えるが、この辺の将来見通しは如何か。

坂井産業活性課長               ○ ゼロにすることについては、現在検討というところまでは考えておりませんけれども、会費収入がございますので、自立化を促していく、こういう方向で考えております。

菅原委員               ● ゼロじゃないと問題はあるのか。自立して完全にやっていってくれれば、それほどいいことはない。県民の皆さんからみても、その団体にとってみても、必ず補助金がなければならないわけではないと思う。

 かなり会費収入が集まっている団体であることは、財務状況を見る限りでは感じられるので、それなりに飛び立たせてあげるような方向性でいくべきではないかと思うが、如何か。

坂井産業活性課長               ○ ゼロにするかどうかにつきましては、公益的な部分で、県行政の国際化支援を補完していただいているので、そういったことも考慮に入れて、かつ、自立化を促していくという両方面で取り組んでいくと考えております。

菅原委員               ● 今、公益的な部分と言われたが、公益的な団体は世の中たくさんあるわけで、なぜ、この団体だけなのか。例えば、インドセンターに関しては、なぜインドだけなのか。

 そう考えるのであれば、県が政策目的として、商工労働部として、政策目的があって、それを実現するために、団体に頼まなければならない状況があるのであれば、事業費補助として対応していけばいいのではないか。

坂井産業活性課長               ○ 考え方としては、事業費補助、それから横浜貿易協会がどういった事業に取り組むのか、それが県にとって必要な事業かどうかという部分を、十分に精査していかなければならないと考えます。

菅原委員               ● 逆に言えば、今、県が補助してまでの事業を、この協会はやっているのでしょうか。絶対やらなければならない、必要不可欠なんだ、この財政が厳しい状態のなかでも必要不可欠なんだ、というものを協会はやっているのかどうか。

坂井産業活性課長               ○ 円高などいろいろございますので、海外と県内企業との取引には、非常に厳しい部分がございます。

 こういった面で、国際化支援の取組が必要であり、県の中小企業の活性化の目的に沿った事業を実施していただいていると考えております。

 そのような面から必要であると考えております。

菅原委員               ● 必要な事業をやっていることはわかった。

 しかし、補助金を出さないで済むのであれば、出さないでいいのではないか。ある程度自立してやっていってください、というような問いかけをしてみてもいいのではないか。問いかけくらいはどうか。

坂井産業活性課長               ○ その点につきましては、これまでも問いかけをしてまいりまして、その結果として補助金の額が減ってきているということがございますので、今後も十分に話し合ってまいりたいと思います。

菅原委員               ● 神奈川県観光協会について伺いたい。

 観光協会に対して、県が求めるものは何か。

鍛冶観光室長       ○ 観光協会に求めるものは、県の観光施策の実行役、実施役である。

菅原委員               ● 予算見積書をみると、行革指定事業、団体見直指定と括弧書きがついているが、何を意味するのか。

森商業観光流通課長           ○ 県の行政システム改革の方向性の中で、従来、団体に対して運営費補助という形で進めてきたものを事業費補助に切り替えていくという方向で、平成19年度からスタートとして、21年3月までにこの作業を終えるとスケジュールで整理しているものである。この全体の行革の方針に沿って見直しを行う団体と指定されたものである。

菅原委員               ● 今、運営費補助から事業費補助となったということだが、先ほどまでの話だと何がなんでも運営補助という部分にこだわっていたようだが、何故これは総務部の行革から言われたような事業費に替わるべきなのか。入っている額は激減していないが。

森商業観光流通課長           ○ 基本的な大きな方針として、県の施策を推進する団体については、従来、運営費補助的な側面があったものを段階的に事業費補助に切り替えていく。この方針に沿ったものである。

菅原委員               ● やはり、運営費補助から事業費補助にいくべきだという全体の方向性があるわけか。

森商業観光流通課長         ○ そのように理解している。

菅原委員               ● そういった中で、収支の資料をみると、平成21年度になってから給与費がゼロになっている。これは事業費に潜り込ませるような形になっているわけだが、何故このような形になったのか。

森商業観光流通課長           ○ 従来、神奈川県観光協会の運営費については、団体運営費補助という形で、平成20年度までは人件費を含めて運営費への補助の形で事業立てをしていた。それを行革の方針に従って、今年度から事業費補助化した。事業を資するには人が必要であり、通常、県の委託事業においても、必要な人件費については積算上単価として見込んでいる。そういった考え方に基づいて整理した結果、人件費補助、運営費補助と言う形ではなく、事業費補助という形になった。

菅原委員               ● そうすると、本来の運営費補助を事業費補助にした良さが失われてしまう。本来そういったところを切り離すべきだと、運営と事業を切り離すべきだというように考えて事業費補助にしているはずなのに、運営費補助が事業費補助に替わると、そのために給与の算定の出し方が変わってしまうというのであれば、結局、改革の理念が失われてしまうというように考えるがいかがか。

森商業観光流通課長           ○ 事業費補助にしたということにより、団体の自主的な努力、例えば外部の財源を獲得する、あるいは民間活力を導入するといった努力が促進されると考えている。

菅原委員               ● それでもいままでいた職員の人たちの給与は変わらず同じ額措置されているわけですよね。

森商業観光流通課長           ○ これまでも、この協会が人件費の削減、あるいは人員の削減といった努力をしてきておりますが、今回の運営費補助から事業費補助への移行に伴う措置としては、当然、人を抱えておりますので、人件費というのは事業費の中に見込む形で積算をしております。

菅原委員               ● それではモチベーションとして会費を集めようという努力になかなか繋がらないと思う。先般特別委員会で遠くの秋田県の方のNPOを調査をした時に、NPOの方達はほとんど無償でやられていた。

 じゃあ、事業をやっていくお金がないのかといえば、事業をやっていくお金は行政からたくさんいただける。自殺対策の事業だったんですけど。しかし、それは、事業費補助だから自分たちの人件費には用いることができないわけですね。だから、事業は出来るけど自分たちの人件費を集めるために会費を集めるとかそういう努力をされているわけです。そこを、事業に関係があるからといってねじこませてしまったら、それは単に人件費を補助していることと変わらなくなってしまうわけです。ですから、そう考えると、実際人件費が出ているのに、団体の資料の中に人件費という項目が出なくなって、財務の見方としては非常に不透明になっているように感じられるんですけどもこの点についていかがでしょうか。

森商業観光流通課長           ○ 積算上、個々のこういう事業毎に人件費記載がある方がいいという考え方もあろうかと思いますけれども、県全体の行革の団体に対する見直しの中で、一つの方法として見直しを進められておりまして、実際、事業費補助化することによりまして、人件費であれば、当然、ある程度保証されるということもあるわけですが、事業費化されますと今度は、団体として事業費獲得の努力をしていかなければ、このように経済情勢が厳しい中、削られてまいります。そういった意味では団体に自主的な努力を促す方向に作用するのではないかと思います。実際に、そのように期待したいと考えております。

菅原委員               ● いまのは以前よりはというお話だと思うんですね。本来であれば人件費もきっちりわけて、人件費は事業費とわけて自分たちの努力できっちりやっていくという形が一番、それで運営出来るかどうかは別にして、動機付けとしては相応しいと思う。こういった中で、支出の部の計画の中に物産事業費支出というのがあるのですが、だいたい3千万程度、運営費の部分は人件費にあたるので2千万ぐらいの支出だと思うんですけれども、この支出の効果というのはどのような形で出て来るのでしょうか。

鍛冶観光室長       ○ 県が補助している事業の一つにかながわ産品販路開拓事業がございます。これは、県内外の百貨店で実施される物産展等に対して出展する補助でございまして、その物産展では県産品のPRを行うという内容でして、これは、例年、今年はもう行われましたが、横浜高島屋で神奈川名産品展。それも含めて県内外で県の物産のPRをしているという内容であります。効果については、直接的に数字で把握出来ませんが、広く神奈川をアピールするという効果があると考えております。

菅原委員               ● それではアンテナショップの方はどうでしょうか。売上とかそういうことを含めて。

鍛冶観光室長       ○ かながわ屋の販売状況でございますが、手元に平成20年度の販売状況がございますが、平成20年度売上高合計で2,820万弱になっております。1日あたりの売上で約9万円という実績になっております。前年に対しまして、平成20年は1日あたりの平均売上で106.5%増になっております。

菅原委員               ● それは人件費なども含めると収支はプラスかマイナスかどっちなんでしょうか。

鍛冶観光室長       ○ 平成20年度のかながわ屋関連の収入総額は合計で40,032千円。

 それに対し、支出総額は41,405千円という状況であり、合計1,373千円の赤字という状況でございます。

菅原委員               ● それでは、また、この中で別の項目なんですけれども、支出として日本観光協会拠出金を出されているという項目があるんですけれども、この点について外部監査の方でも、ちょっとおかしいんじゃないですかと言う話があって指摘されているわけですが、県の方としては、県の施策として必要なんですとおっしゃっている。私が思うには必要かどうかは別にして、日本観光協会というのは、私は余りこういう言葉は好きではないのですが、天下りの団体なわけですよね。となりますと、上の方は相当な高給をもらっている可能性もある。そういったところにお金を出しているということが如何なものかということがあるのですが、この件についてお答えをお願いします。

鍛冶観光室長       ○ 日本観光協会に県観光協会から拠出金という形で拠出をしています。この制度は、国の方が全国広域観光事業費に対して、地方交付税交付金措置を行ったことに始まったものでございます。平成11年12月24日付けの運輸省運輸局長の通知に基づいて運用されてきたものでございまして、先ほど申しましたように日本観光協会が実施します、全国広域観光事業に対して拠出する内容でございます。

菅原委員               ● いま、長々と経緯のご説明だと思うのですが、結局これは義務なんですか、義務じゃ無いんですか。

鍛冶観光室長       ○ 日本観光協会が、全国の都道府県に対して、一定の基準で算出した額を要望という形で依頼が来ております。

菅原委員               ● つまり義務じゃないということだと思うんですね。であるのであれば、まず、日本観光協会がそもそも県の観光施策に対して役に立っているのですか。

鍛冶観光室長       ○ 先ほど申しましたように、この拠出金は、全国的な広域観光事業に対して拠出するという内容になっておりまして、例えば今年も行われました旅フェアというような全国的な観光振興に対するイベント等もこの中に含まれております。それから、国際観光の面で行きましたら連携しての海外の観光展に対する出展等の事業も行っております。そういった面からしますと、県にとってもすべてとはもうしませんが必要性のある事業だと思います。

菅原委員               ● 本当に心の底から必要だと思われているんですか。本当にそう思われてますか。

鍛冶観光室長       ○ 先ほど申しました旅フェアのような全国規模を対象としたイベントというのは一つの県で開催することが出来ませんし、ああいう場を使って神奈川というものを宣伝するのは非常に有効だと思っております。

菅原委員               ● 観光協会の拠出金の他に県も負担金を払っているということでいいのか。

鍛冶観光室長       ○ ご指摘のとおりである。

菅原委員               ● 県の補助金を受けた観光協会が拠出金を払って、県も負担金を払っているということか。

森商業観光流通課長           ○ 拠出金とは別に、日本観光協会の会費及びが観光情報提供システムの運営事業に対して、県が直接、負担している。

菅原委員               ● それは義務なのか、義務ではないのか。

森商業観光流通課長           ○ 制度的な義務ということではなくて、県としての必要性に基づいて払っているものである。

菅原委員               ● 県が負担金をだして、県が補助する観光協会が拠出金を払うという出し方はどうなのか。観光協会も県から補助を受けていて、県なくしては運営できない、県の附属団体のようなものであることは皆承知していることであり、観光協会は県と同じ方向を向いて進んでいくわけなので、そう考えると、2重に計上することが本当に適切なのか、一本化をしていくべきだと考えるがいかがか。

森商業観光流通課長         ○ 日本観光協会の拠出金は、当初、特別地方消費税の2%を観光事業にあてるという仕組みがスタートであり、その後、その仕組みは廃止されたが、日本観光協会からの要請に基づき、県としても負担をしてきた。しかし、協会が一定の方式で算定した基準額について、県はその必要性を吟味し、負担を6割程度に抑えている。来年度以降、日本観光協会に対してさらなる見直しお願いしているところである。

菅原委員               ● 答弁に矛盾があるのではないか。日本観光協会がやっていることがいいことだというなら、要望された額をだせばいいのではないか。10割出していないというところに、やはり日本観光協会がやっていることが違うのではないかという思いがあると思う。残念なのが、知事の考え方は国が対して物を申していく姿勢なのだが、この間の、こども手当の件では、地方の負担は認められないということを他に先駆けて発信していくのは素晴らしい姿勢だと考える。ただ、そういう目立つところは捉えておきながら、こういうところも大切なところだと思う。今の答弁は知事の姿勢とも矛盾するところだと思う。昔の経過があって、国が要請するからやってますというのは、知事のスタンスを考えるとそんなものには1円だって払えないと、きっぱりと示していくのが、知事以下、同じ姿勢で進めていくには分かりやすいとおもうのだがいかがか。

小林商工労働部長               ○ 観光協会の拠出金については、県も観光立県かながわということで条例まで制定していただいて、観光振興に力を入れていこうという姿勢であり、国も観光庁をつくってさらに観光に力をいれていこうとしている。神奈川県としても県内だけでなく、広く国内外の観光客を誘致していこうとする場合、神奈川県だけのツールでは不足する面もある。そこで、日本観光協会という全国的なチャンネルを活用してPRしていくということで一定の拠出金を払っている。しかし、県はこれまでも財政危機ということがあり、毎年要望額全体にお応えできていないという状況になっており、事業の効果を踏まえて、今、予算編成中なので、事業効果にあった額を慎重にさだめていきたい。ただ、神奈川だけでは全国発信、国際発信という点で不足しますので、応分の負担は考えていかなければいけないと考えている。

菅原委員               ● 県の観光協会は経費も削り、人件費も削ってきたという答弁があったが、努力をしているものと思う。そうであるなら、日本観光協会も努力をしないといけないと思うのだが、あの組織は上は国の官僚の方がかなりの高額の報酬をもらっており、我々の負担金でなりたっているのだから、日本観光協会の経営努力を促すということを過去に行ったことはあるのか。

鍛冶観光室長       ○ 日本観光協会の負担金は事業費への負担となっており、人件費見合いは入っていない。先ほどから説明しているように拠出金については年々財政が厳しいなかで、縮減のお願いをしているところである。

菅原委員               ● 運営費は事業費を圧迫するわけだから、運営費がういた分を事業費に回すこともできるわけだから、負担金もやむなしと思ったとしても、要請はしていってほしい。

松崎       ○ 今、日本観光協会との関係について、神奈川県観光協会並びに観光室の関係について質疑をしているんですけど、これは決算特別委員会で、先月まで、私どもが取り上げてきた全国的な団体に対する神奈川県の関わり方という点で、やはりこれは地域主権、地方分権だという先導的な役割を果たさんとする神奈川県でありながら、一方では、国の全国団体から言われれば、言わば、私の表現ですが上納金と言ってもおかしくないような、そういうような分担金なり負担金なりを、自動的に払ってきたところを見直していかないと。全然国との関係が対等ではないじゃないですか。言われるままに、ただ払ってますよ、縮減は求めるけども重要な事業なんですよということでは、論理的にも成り立ちませんね。だから、是非ともそこのところ、財政危機だ、厳しいんだと言うのであれば、是非そこのところもしっかり見直しをかけてもらいたいと思います。

 それで、一方で様々な見直し作業は進めることになっていますよね。例えば観光協会に関してお聞きしたいのですが、随意契約原則廃止というのは22年度までの3年間で実施するというのは全庁で決まっています。それで商工労働部の随意契約をみてみますと、相当な金額にのぼっていますよね。商工労働部に関して言うと、随意契約額は3億5,842万8千円、これが請負契約全体に占める割合も件数で言うと54%、金額で言うと45%となっていて、これを22年度までの3年間で縮減でなく廃止するということになっているんだけど、どんなものがあるのかなと、いろいろ調べてみました。そうしますと、例えば神奈川県観光協会と県が結んでいる契約も多数ございまして、事前にどういったものがあると伝えておりますので、答えて欲しいのですが、外国語版ホームページ整備業務委託、ビジットジャパン案内所業務委託、観光親善大使活動事業運営業務委託、さらに神奈川産品アンテナショップ運営業務委託、この4つで結構です。もっと沢山あるんですけど、この4つについては商工労働部としては、21年度、つまり今年度から事前公募方式に移行するとはっきり打ち出しておられます。では、聞きますが、県観光協会を相手方としていた、そして21年度から事前公募方式に変わったこれらの事業は、今年度契約の相手方はどこになっていますか。

鍛冶観光室長       ○ 今ご指摘のあった4つの事業につきまして、本年度の契約先は、神奈川県観光協会になっています。

松崎       ● つまり21年度から事前公募方式に移行するから随意契約も内容変わりますよと言っていたのが、相手方は変わっていないということですね。

鍛冶観光室長       ○ ご指摘のとおりです。

松崎       ● じゃあ随意契約ではなくなったけど、結局相手方は同じだから、これは形を変えて同じような内容が続いていると思われても仕方ないと思うんですけど、その点はいかがですか。

川崎商工労働総務課長       ○ 商工労働部内における随意契約の考え方について、先ほど観光協会を例に答弁がありましたが、基本的には委員お話のとおり、20年度からの3カ年かけて原則廃止していくということでございます。事前公募方式を確かに21年度中に行っております。事前公募をやった結果、基本的には公募してきたものが、観光協会のみであった、或いは他の団体にも言えることなのですが、公募した結果、選定して競争的な形でやってきていることでございまして、これは従来の1者随契という考え方は取っておりませんで、事前公募した結果観光協会に決まったということです。これは、行政システム改革の取組みの一環として、公募を行っているものでございます。

松崎       ● 随意契約から事前公募に変えたけど、結局1者しかこなかったから相手方は変わっていないよ、というのはこの委員会での説明は通るかもしれないけど、県民の皆様の理解、納得が得られるかということでは甚だ疑問なんですよ。やっぱり、そのところ何故変えなければいけないのか、というところをもう少し加味してもらわないと、このままで行くと随意契約3年後には原則廃止なのに、これ県全体でいいますと随意契約というのはものすごい額なんですよ。411億3,548万円。こんだけあるんですね。しかも、これ神奈川県の請負契約全部からみても、まだ件数で28%、金額でも25%占めている。それから商工労働の半数近い契約は随意契約のままです。だからそこのところを本当に改革していく心構えをもって、こういう結果になっても仕方ないと思っているのか、それともそうではなくこうして行きたいと思っているのか、その辺どうなんですか。お考えを聞かしてもらえませんか。

川崎商工労働総務課長       ○ 基本的には私どもも、随意契約は全廃する方向で捉えています。ただ、一言で随意契約と申しましても、千差万別でございまして、地方自治法でも認められております、例えば、少額契約とか、急を要する場合或いは入札が不調となった場合など、随意契約ができる根拠が示されています。

 そういった中で、私どもが随意契約の見直しの対象としておりますのは、3つのケースがございまして、その一つが、物品製造や修理加工、また納入に必要な物品の売り払いその他の契約において、その性質又は目的が競争入札の目的に適さないものであるのが一つでございます。二つ目が、競争入札に付することが不利と認められるとき、また時価に比して著しく有利な価格で契約を締結することができる見込みのあるとき、これはそれぞれに自治法に根拠のある随意契約でありますが、私どもはこの3つのケース以外につきまして、3年かけて原則廃止していこうというものでございます。従いまして、随意契約そのものを廃止するものでないことはご理解いただきたいと思いますし、また、見直しの対象となった契約のなかから、幾つか従来通り契約を締結することも認められる場合があります。それを申し上げますと、一つは、法令により対価のある場合、或いは契約の相手方が、法令または市町村との協定により定めがある場合、等々、或いは国庫支出金をうける条件で契約の相手方が特定されている場合、これは先ほど申し上げました3つの契約締結の中でも適用除外とされるものでございますので、それ以外のものにつきましては、全て原則廃止ということでございます。

松崎       ● 丁寧な説明ありがとうございます。ただこれは基本的取扱いということで、もう一昨年くらいからずっと出ているわけでございまして、改めてお読みいただくこともなかろうと思います。いずれにしても、そういったものとさっき観光協会を相手とする契約というのは、これは当てはまらないわけでございまして、これについては、わざわざ事前公募方式にするんだ、改革するんだと打ち出しているわけですから、それはきっちりと路線を守っていただきたい。でないと、尻抜けというか、ザルの目が荒すぎて、結局改革と言ったけれど改革が全然進んでいないのではないか、ということになる訳です。財政危機ですから、菅原議員の質問もそこの所を離れていない訳ですから、その観点から私の質疑を終わりますけど、よろしくお願いします。

菅原委員               ● 今、松崎委員からもありましたけど随意契約、結果的にはそうであったということでございますが、外国語版ホームページの契約、大体583万6,000円ですか、これは、実は運営費が入っていなくて、下の方に5,000万近い運営費が入っている訳で、非常に分かりづらい形になっているわけですが、これぐらいの額であれば、もっと安い額でできるという民間企業があると思うんですね。ですから、そういったことはですね、もし次にそういった入札をかける時は周知を徹底していただきたいと思うのですね。本当に競争をした上で、全ての事業を競争でできるものはやっていただきたいと思っております。そして先ほどの拠出金の話もですね、あるということ自体が私と考え方が違いますけども、しっかりとした毅然とした対応を、知事と同じようなスタンスで対応をお願いしたいと思っています。

 続いて、労働センター等の再編について質問させていただきます。この再編に関して人員が減ってくるということに関し懸念を求める声があるわけですが、この点について改めて伺いたい

山田雇用労政課長               ○ 労働センターの再編につきましては、拠点化を図るということで、横浜の本所、加えて3つの支所に職員を集中して配置するというなかで、先般ご答弁申し上げましたが、出張労働相談、或いは街頭労働相談の対応も含めましてサービスの低下を招かない形で運営していくということで考えております。

菅原委員               ● こうした見直しを行うことによって、役割が減っていくのではないかという懸念を持たれているという意見も各地で伺うが、その点は必ずそんなことは無いといことで再編していくということでよろしいか。

山田雇用労政課長               ○ 拠点化を図るなかで、職員の研修・育成も図りまして、また地域サービスも落ちないようにということで考えております。

菅原委員               ● 心配の元にあるのは、現下の厳しい労働情勢、雇用環境の問題だと思う。そこのところを踏まえて、かつ改革がこうした形で進められているのかということが、誰もが聞きたいところで、そこについては明確に答弁していただけないか。

山田雇用労政課長               ○ 厳しい経済情勢、労働情勢ということで労働相談等も増えており、内容的も難しくなっております。そうしたなかで、私ども何年間かかけての検討の内容でございますが、現在のメンバーで効率的に、なおかつ効果的に業務を運営していくという形として、現行の案が最適と考えておりますので、現下の労働情勢にも対応していきたいと考えております。

菅原委員               ● 人員が削減されてもしっかり対応をお願いしたいと思います。

 続いてですね、神奈川県の工業協会についてお伺いをしたいと思います。この団体に対して求めるものは一体何でしょうか。

佐藤工業振興課長               ○ こちらの団体は、県内の中小工業の業種の横断的な組織として、中小企業の経営革新の推進、あるいは人材確保、情報提供など、諸事業を行っていただいております。県といたしましても、この団体と連携をして、中小工業の発展に向けた取組みを進めていきたいということを期待しているところでございます。

菅原委員               ● 目的の中に中小企業の経営の合理化、近代化の促進を図るという部分も書かれているのですけれども、そういった中で事業内容を拝見させていただきますと、公益事業に対して2千3百万円の予算が計上されている中で、その大半、1千万円以上が外国人研修生受入事業という形になっているのですけれども、この事業というのは、団体に県が求める目的といささか齟齬があるような気がするのですが、その点はいかがでしょうか。

佐藤工業振興課長               ○ お話にございました外国人研修生の受入事業でございますが、県内の中小企業の海外展開にも資するために、技術移転を通じて国際交流を深めるための外国人研修生の受入を団体として行っているものでございまして、県内工業の活性化の推進のための一助になるということで、決して目的から外れるものではないと理解しております。

菅原委員               ● 外国人の研修生を受け入れて、海外展開の役に立つという話を初めてお伺いしたのですけれども、それでは、一体どういう研修生の方がいらっしゃっているのですか、研修生の方の具体的な現状をお聞きしたいと思います。

佐藤工業振興課長               ○ 具体的には中国からの研修生を受け入れておりまして、県内の中小企業に一定期間研修を積んでいただいて、技術の習得をしていただくという内容でございます。

菅原委員               ● その研修生の方は個々でいらっしゃるのですか、ある向こうの中国の会社の方の研修生が来るのか、個々で皆さん応募した方が来られるのでしょうか、どういう形になっているのでしょうか。

佐藤工業振興課長               ○ 手元に具体的な関連する資料がございませんので、後ほど、答弁させていただきます。

菅原委員               ● 時間もないのですけれども、今の研修生の受入と海外展開に資するというのはどうも論理的につながる部分がないのですね。研修生を受け入れるとどのように海外展開につながるのか、あるいは海外展開につながった事例がもうあってよいはずだと思うのですけれども、その点をお伺いしたいと思います。

佐藤工業振興課長               ○ 研修生を受け入れることによりまして、研修生が国に帰られたときに、受け入れた企業とパイプができる、あるいは県内の工業を中心とする製造業とのパイプができるということで、逆に県内企業が海外進出をするにあたって、アドバイスを得る、あるいはパイプを使った形での事業展開ができるという意味で、私どもとしては、県内の中小企業の海外進出の一助になると思っております。申し訳ございません、実際のつながった事例については、現在、手元に資料はございません。

菅原委員               ● 結果はないけど繋がっているということになると、非常にまどろっこしいやり方だと思うのですね、というのは他の産業振興センターなどでは、そういった繋ぐ仕組みを一所懸命やっているわけですね。マッチングの作業をしたり、ミッションを受け入れたり、そういうことをやっているのにわざわざ海外とのパイプを作るために、受け入れてやるというそういうまどろっこしいやり方をするために補助金を出すことが果たして目的を達成するための最良の手段といえるのでしょうか。

佐藤工業振興課長             ○ この事業につきましては、補助対象外の事業でございます。

菅原委員               ● ということは実際に何に補助が出ているのですか。

佐藤工業振興課長               ○ 具体的には工業協会が取り組む公益性の高い事業ということで、産業振興施策提言事業でありますとか、中小企業経営支援事業、具体的には研修会、あるいは研究会の開催、あるいは経営情報の提供、あるいは経営相談等々の事業に対して補助しております。

菅原委員               ● 以上で質問を終わらせていただきます。