平成22年3月3日 商工労働常任委員会質疑のまとめ

雇用対策:<中高年雇用対策について>

松崎      

● 次に、中高年齢者の就労支援について伺う。

中高年齢者への対策は、若者の就職支援と少し違って、家庭の主要な働き手であるケースが少なくなく、緊急性、即効性を要求されるものも多いと思うが、この点から県の施策は、順調にいっているのか。

雇用労政課長       ○ 県では、平成19年1月に、「シニア・ジョブスタイル・かながわ」を設置いたしまして、再就職をはじめとした職業に関する悩みに対応するためのキャリアカウンセリングを行う総合相談に加えて、起業、創業ですとかNPO、ボランタリー活動といった多様な内容につきまして、専門相談を実施しております。

 また、特に現下の状況がございますので、21年度に関しましては、55歳~62歳の方の中高年齢者の再就職支援事業といたしまして、セミナー、カウンセリング、職業紹介を一体的に行う「中高年齢者のための早期再就職支援事業」、あるいは、これは54歳以下の方になりますが、緊急の再就職支援事業に取り組まさせていただきまして、いわゆる相談、カウンセリング的な部分と具体の職業紹介を含めた事業と2本立てで実施しているところでございます。

松崎       ● 「シニア・ジョブスタイル・かながわ」の現在までの利用状況の推移や成果について、確認の意味で教えていただきたい。

雇用労政課長       ○ まず、利用者数で申し上げますと、19年1月からですので、18年度は3ヶ月間の延べ利用者数は、1,315人でございました。19年度に入りまして12ヶ月ということになりますが、延べ利用者数は9,579人、20年度は15,088人、平成21年度につきましては、1月末までの10ヶ月になりますが、14,972人と、着実に利用者数は増えてきております。

 アンケート等で利用者の評判を聞きましても、「大変参考になった」あるいは「参考になった」という回答をいただいている方、それぞれ71.1%、28.2%とおおよそ99%を超える方に肯定的な評価をいただいているところです。

 進路決定ということで申し上げますと、なかなか中高年の方は若年の方と異なりまして、個人情報を知られたくないという方もいて、進路状況の報告をいただけなかったり、結果報告の把握が困難な場面もございますが、21年度の総合相談の利用者の方、5,045名のうち21年度新規に相談に来られた方は2,446名でございます。その中で進路決定の報告があった方が225名で、約9.2%となっております。

 中高年の方はいろいろ目標とか目的とする部分を持っており、就職だけを目的にしてこられた方がないというところがございまして、進路決定報告ということになりますと、把握できている限りでは新規利用者の約10%となっております。

松崎      

● もともと、この施設はいわゆる団塊世代が大勢退職されるという社会的な課題に対して就業ニーズは多様であろうというところからスタートした施設と認識しているが、現在の状況では、深刻な収入の減少により生活そのものが困難になってきている方がおられる。雇用問題へと深刻化していると認識している。

そこで、この「シニア・ジョブスタイル・かながわ」の取組や方針もここで立ち止まって検証してみて、現下の厳しい情勢を踏まえて再構築しなおすことが必要な時期にきていると思うがいかがか。

雇用労政課長       ○ ただいまお話いただいたとおりでございまして、「シニア・ジョブスタイル・かながわ」は団塊の世代の方々を対象に施設を設置いたしました。いわゆる団塊の世代の方々はおよそ60歳代に入りつつあり、ひとつの時期は過ぎたのかなというところで、「シニア・ジョブスタイル・かながわ」をどう長期的に運営していくのかというのは施設の課題として議論すべきところですし、検討しなければならないと思っております。

 加えて、現下の状況ということで、短期の対応になりますが、シニアジョブスタイルのマネージャーと話をしましても一昨年の秋以降は特にとにかく職をという方が比率として相談者の中に増えてきているという状況がございますので、当面の間は、「シニア・ジョブスタイル・かながわ」は様々な働き方を支援しますというテーマでやってきましたが、直近の21年、22年につきましては、就業関係に力をシフトしていく形を考えております。

 具体的には2つ考えておりまして、総合相談と合わせて、曜日ごとに専門相談を実施しておりますが、年金・税金、NPO・ボランタリー活動、起業・創業といった各種の専門相談を行っているわけですが、22年度につきましては、ものによっては半日、ものによっては廃止するなどして、余裕が出たブースを活用して、総合相談の利用者に対して模擬面接を実施するといった支援、あるいはシニアジョブスタイルかながわの事業ということで21年度は、「50歳代からのキャリア形成支援セミナー」を4日連続で年4回、いわゆる生活設計を構築していく事業を実施しましたが、22年度については、この事業の中で、できるだけ中高年の再就職に資する短期的なセミナーを回数を増やして開催する方向で考えております。

 当面は、就業に力を入れた形で運営して、また長期的なあり方につきましては引き続き検討、議論してまいりたいと考えております。

松崎      

● ぜひ、今の厳しい情勢を反映させた事業運営をお願いいたします。