平成22年3月3日 商工労働常任委員会質疑のまとめ

雇用対策:<障害者雇用対策について>

松崎       ● 雇用状況は大変厳しく、わけても障害者雇用は大変厳しい状況が続いている。確かにこのところ一定の改善は見られたものの、依然として法定雇用率に達していないのも現実である。

神奈川力構想によれば、今年の6月1日の障害者雇用率の目標は1.92となっているが、3月現在、目標達成についてどのように考えているか。

産業人材課長     ○ 障害者雇用の状況につきましては、昨年の調査の結果では、国(神奈川労働局)や県、あるいは神奈川県障害者雇用推進連絡会の取組などもあり、本社所在地集計、事業所所在地とも改善し、全国順位も上昇しております。

 これは、1つの要因としまして企業の障害者雇用に対する認識の変化が大きいものと考えております。私も障害者雇用をお願いするため、企業を何社かまわっておりますが、いくつかの企業の人事担当・採用担当者から、”会社の業績は厳しいが、障害者は出来るだけ雇用を維持したい”との話を聞いております。

 ただ、同時に、新たな障害者雇用については、当面、難しいとの話もいただいております。

 実際、毎月、神奈川労働局から発表されます障害者の新規就職件数は、前年度を下回って推移しており、障害者の雇用環境は大変厳しい状況にあると考えております。

 経済・雇用情勢の急激な回復が見込めない現状においては、今年の6月1日の障害者雇用率1.92%という目標は、正直なところ大変厳しいと思っておりますが、我々としては、安定所とも連携しながら一人でも多くの障害者を職に結びつける努力をし、少しでも目標に近づける努力をしていかなければならないと考えております。

松崎       ● 厳しいのは分かるが、問題は目標を掲げているのであるから、達成に向けて6月までに何をやるかである。従来の事業だけでは限界があるのは明らかであり、何か新しい施策は考えていないのか。

産業人材課長       ○ 障害者雇用施策につきましては、委員もご承知のように、これまで障害者就労相談センターや障害者しごとサポーターによる個別就労支援をはじめ、様々な支援策に取り組んでまいりましたが、それだけでは難しいということもございます。

 しかしながら、障害者雇用が大変厳しく、また、一方で県財政も大変厳しい中で、国の緊急雇用基金を活用して何か新しい施策が出来ないか検討いたしました。

 一つといたしましては、昨年、10月から県内の雇用率対象の56人以上、300人以下の企業、約2,700社全てを回って障害者雇用の啓発を行う取組を行っております。これは、障害者雇用促進法が改正され、今年7月から障害者雇用納付金の対象が、これまでの301人以上から201人以上に拡大されることから企業側の関心も高いようで、一定の効果はあるものと考えております。

 もう一つといたしましては、同じく国の緊急雇用基金を活用した事業でございますが、「障害者合同就職面接会」を、毎年、安定所の主催で県が共催という形で開催しておりますが、初めての試みとして、この面接会を安定所が開催しない時期に、県主催の事業として、安定所のご協力をいただきながら、緊急的に実施したいと考えており、現在、神奈川労働局と調整を始めたところです。

 こうしたことにより、できるだけ、今年の目標である1.92%に近づけて行こうと考えております。

松崎       ● 初めて県が主催して障害者の合同就職面接会を開催するということだが、いつごろを予定しているのか、また、どのくらいの効果を見込んでいるのか。

産業人材課長       ○ 障害者の合同就職面接会は、安定所がこれまで毎年開催しており、例年9月から2月にかけて横浜、川崎など県内6地域で開催されており、直近では2月25日に横浜で開催されております。

 面接会の実績ですが、平成20年度の実績といたしましては、6地域を合わせて230人が就職しており、今年度は、昨年、12月末日現在で申し上げますと、6地域で 146人が就職しております。今年度は、現在のような雇用情勢の中、昨年度よりは就職件数は減っているものの、直接就職に結びつく事業として大きな効果があると考えております。

 また、実施の時期でございますが、現在、神奈川労働局との調整を始めた段階でございまして、国の面接会が9月~10月に開催されますから、新年度に入って、出来るだけ早い時期に実施したいと考えております。

松崎       ● 面接会は国主催でも実績は挙がっているが、更に国が実施していない時期に行うことで、ある程度厳しい中でも実績を挙げていきたいということだが、現実には、就職できなかった障害のある高校生や障害のない高校生も大勢おり、大変厳しい状況である。また、特別支援学校の生徒たちも就職できないまま3月には卒業する。

若年者には3月中に面接会を行うこと、また6月1日の達成目標を考えると、現実に厳しい状況に置かれていることを考え、なるべく早く、できれば4月、5月には行っていただきたいと考えるがいかがか。

産業人材課長       ○ 確かに、特別支援学校を卒業して就職できるのが、例年ですと25%を割っている状況で、

 また、年度末で雇用契約を打ち切られる障害者もいらっしゃると考えられます。

そういった方のことを考えると、できるだけ早くと考えております。

 現在、労働局ともやり方を相談している段階であり、今後、プロポーザルを経て委託で実施する予定でございまして、請負業者を決定する手続きもしなくてはなりませんので、4月というのは難しく、委員のご提案を踏まえ、5月中の実施を目標に各種調整を最短で行って、こういった方々に安心していただけるように取り組んでまいります。