2010年9月定例会での本会議一般質問
<質疑と答弁のまとめ>
若年者の雇用対策と社会起業支援について
●松崎
3 若年者の雇用対策と社会起業支援について
(3) 社会起業家育成への教育委員会の関わり方について
県立高校では、若い社会起業家が立ち上げたNPO法人「カタリバ」による出前授業を、平成19 年度には横浜桜陽高等学校など11校で実施していたが、現在は、経費等の関係から数校でしか実施していないと聞いている。
生徒が自らの感性を生かしながら、外部の力を借りて社会に貢献するために新たな事業を起こす、いわゆる起業により自ら進路を開拓できるような取組を通じて、初めから雇われることを前提とした教育システムから、リーダーとなる人材を育成するシステムへ生まれ変わるきっかけになると受け止めているが、大半の県立高校では取組に至っていないのが現状である。
そこで、生徒が社会との関わりの中で、自ら起業する情熱を自分の中に見出せるような教育機会の提供が必要であると考えるが、所見を伺いたい。
(教育長)
○教育長答弁
教育関係について、お答えいたします。高校生の起業家意識を育てる教育についてのお尋ねがございました。
高校生の段階から起業家意識を高めていくことは、すべての県立高校で推進しているキャリア教育を充実させていくうえでも重要なことだと考えております。
起業家意識を高めるための、本県における取組でございますが、商業高校でのチャレンジショップでは、経営に関する知識などの習得にくわえ、地域の特産品を活用した商品開発や生徒自らがイベントを企画するなど、実践的なビジネス活動を行なっております。
さらに、神奈川総合産業高校の「アントレプレナー入門」という起業家入門講座においては、高校生のうちから起業家意識を高めるために、新たな産業の創出に主体的にかかわる体験的活動に取り組んでおります。
このような起業家意識を高める取組は、高校生にとって自ら進路を切り拓く情熱を育てるという効果がみられますことから、今後は、専門高校に限らず、普通科高校等でも、幅広く展開していくことが重要であると認識しております。
そこで、今年度からは、普通科の上鶴間高校も大学と連携し、自ら将来を切り拓く情熱や、課題発見と解決力、コミュニケーション能力など、幅広い能力の育成をめざした「ソーシャルアントレプレナーシップ教育」の研究を始めたところでございます。
今後、教育委員会といたしましては、こうした起業家意識を高める取組について、研究発表や研修などの機会を通じて広く県立高校に周知し、「社会のニーズをとらえて起業しようとする情熱」や「自ら進路を切り拓く力」を育成する取組を支援してまいります。
以上でございます。