2010年9月定例会での本会議一般質問

<質疑と答弁のまとめ>

若年者の雇用対策と社会起業支援について

●松崎  

3 若年者の雇用対策と社会起業支援について

(1) 若年者の雇用対策について

フリーターや派遣労働者などの非正規雇用者が雇用者全体に占める割合は高くなっており、本県でも31.1%と雇用者の約3分の1を占めております。非正規雇用者の中には、就職氷河期に正社員として就職する機会に恵まれず、30歳を過ぎてもフリーターにとどまっている年長フリーターも多く、平成21年では全国で91万人、本県でも6万5千人と推定されております。

フリーターをはじめとした、非正規雇用の若者は、正規雇用者に比べて低い賃金で働かざるを得ず、また、厳しい雇用情勢が続く中で、いつ職を失うかもわからない不安定な状況におかれ、経済的な自立ができないため、結婚や出産をあきらめるという現実に直面しています。知事は、多くの若者の声なき声を、どのように受け止めているのでしょうか。

そこで、知事に伺います。

将来を担うべき若年者の多くが非正規労働者として雇用されている状況について、本県としては、どのように認識し、また、若年者の雇用対策にどのように取り組んでいくのか知事のご所見をお伺いします。

○知事答弁          

次に、若年者の雇用対策について、お尋ねがありました。

若年者が正規雇用されない状況が続くことは、本人の経済的自立ができないばかりでなく、社会的格差の増大などにより、我が国の将来に大きな影響を及ぼす重要な課題であると認識しております。

そこで県では、若年者を正規雇用に結び付けていくため、「かながわ若者就職支援センター」及び「人材育成支援センター」において、就職を希望される方が、自らに適した職業選択や職業訓練を行えるよう、カウンセリングを中心に就業支援に取り組んでまいりました。

また、職業技術校では、24歳以下の若年者優先枠を設けたほか、年長フリーターを視野に入れ、概ね40歳以下の方を対象に、技術校での訓練と企業実習を組み合わせた職業訓練により、実践的な能力を身に付けた人材を育成しております。

今後、職業相談においては、企業が求めるコミュニケーション能力を向上させるため、少人数制でのグループワークを導入するとともに、職業訓練の情報提供を、よりきめ細かく行ってまいります。

また、職業技術校においては、本人の希望や適性にあわせた職業選択ができるよう、各校に配置した求人開拓推進員が、新たな就職先を開拓するとともに、必要に応じて職業訓練指導員が訓練生の企業訪問に同行するなど、就業支援の取組を強化してまいります。

さらに、若年者合同就職面接会を拡充するなど、国や市町村等との一層の連携を図りながら、将来を担う若者が正規で雇用されるよう、就職支援に積極的に取り組んでまいります。