2011年3月3日 かながわ再生特別委員会での質問要旨

県庁正規職員削減の中で、非正規職員は?

松崎        今、職員の削減について近藤委員から質問しているわけですけれども、ここで今取り上げられているのは、専ら正規職員だというふうに理解しています。もう一方で、県庁の中で働いている人の中には、非正規の職員の方もいらっしゃると思います。職員数の削減というものを取り上げる場合には、正規職員の方以外にも、非正規職員の方々の実情というものも取り上げないといけないのかなと思いましたので、関連でお伺いします。

 まず、非正規で働いておられる方は県庁で何人くらいおられるのかお伺いします。非正規の方々のとらえ方は4類型あると思いますが、累計毎の人数を分かれば教えてください。それともう一つは、正規職員の削減が進んでいる中で、非正規の方々は逆にその分増えてきたのかどうか、業務量に見合った処遇がどのように行われているのかを伺います。

人材課長                正規職員以外の職員、いわゆる非常勤職員の部分のお話だと思いますけれども、非常勤職員という概念の職員ですが、平成22年4月現在の数字で申し上げますと、1,694人おります。これらの職員は、行政の補助員として事務的な仕事をしている職員の他に、大学ですとか医療機関において講師としておいでいただいている、パートタイム的な仕事をしていただいている職員の方が大多数を占めております。これ以外に臨時的任用として、正規職員で埋めきれていないところを埋めていただく臨時的に任用する職員がございます。これが270人。その他、再任用職員として、フルタイムで県の職員を一度退職して再任用の御希望があった人で、週40時間働いていらっしゃる方は118人。それから、短時間の再任用職員ということで、週29時間従事していただいている方が334人、これ以外に想定されるものとしては、日々雇用職員という形で繰り返しの業務に当たる職員がおりますが、時点によってとらえ方が様々になり、繁忙期には大量に雇い入れることになりますし、そうでない時期もありますので、時点としては昨年の6月末の数字ですと630人というふうになっています。

 傾向といたしまして、一番大きい数字の非常勤職員ですが、平成18年度は1,618人、先ほど申し上げた22年度が1,694人ですので、全体として職員削減をしている中で、業務量として、非常勤職員数はそれほど多くは増えていないという状況になってございます。

松崎        非正規雇用の人たち自身も、正規職員の削減モードの中で、労働法制の見直しということが課題として上がってきている中においては、本来、民間企業で働いていれば、3年経てば正規職員への道が開かれるわけですが、県庁で非正規で働いている場合、3年間働いた方々はどうなるのか端的にお答えください。

人材課長                それぞれによって雇用の形態が違っております。非常勤職員については、1年ごとの契約になっておりまして、問題がなければ、行政の事務補助員として3年間継続して同じ職場で働いていただこうという制度でございます。その後は行政補助員としての募集があればそちらに応じていただくということしか、今のところは用意させていただいておりません。

 その他の臨時的任用職員については、6箇月を一回区切りとし一回だけ更新できるという形ですので、1年間が一つの区切りとなります。それ以上は、任用の必要があれば任用させていただくという手続となります。

 再任用職員につきましては、退職した年度によって制度が違いますけれども、おおむね65歳に達する日まで任用させていただいております。

松崎        公務員の採用ということには元々法律がございますので、いたし方がない面もあるということは重々承知しておりますが、しかし一方では、民間では少し前の報道にもありましたように過去、非正規で働いていた人たちを次々に解雇していった企業においても、もう一度そこは見直して3年ルールというものをしっかりやろうという機運が全体としてあるという中で、県庁においては民間と隔絶されていて、3年働こうがその人がどういう人であろうかは関係なく、一旦解き放ってしまうとういう厳然としたルールをただ運用するだけではなくて、その人の次のジャンプアップというものも同時に考えなくてはいけないと私は思います。

 先ほど、廃止される第三セクターの職員の再就職みたいなことに色々と苦心した結果、大多数の人はうまくいったというような報告があったけれども、その人たちの面倒をしっかり見ようということがあるなら、自分たちの業務をすぐ隣の席で日々手伝ってくれる人たちの持っているものを考える視点、これだけ雇用問題を県としては一番の施策として取り上げている中ではバランスを欠かないような対応が必要だと思うんです。その辺について、組織人材部長のお考えがあれば伺います。

組織人材部長        基本的には公務員の場合、公平・公正でなければいけないということで、3年間雇用しても、それが優先的に正規雇用につながるものではないという地方公務員法上の制約があるということについては、御理解をいただきたいというふうにおもっております。 

 ちょうどこの3月に3年経って切れる方の後任について行政補助員という形で募集をかけましたところ、今のこの雇用情勢を反映しておりまして、1人につき10倍から40倍という応募が現実にあるという実態がございます。逆に言いますと、3年経った方が5年、10年といくかということになると、新たに雇用を希望されている方の道を閉ざすということにもなるわけでございます。とは言いつつも委員の御指摘のように、3年働いた方はどうするんだということについてですが、別のセクションであれば応募していただいて結構ですよということが一つございます。

 それから、元々この制度というのは、多くの県民の方々に雇用の場を県自身が提供していこうということから発した制度でございますので、そういう意味ではステップアップをしていただこうということで、研修もこれまでは若干弱めだったのですが、3年いる間に、正規職員や退職した職員と全く同じ規模とはいきませんけれども、研修や日ごろのOJTを通じて、正規職員の道へと御自分でチャレンジをしていこうと、勉強して挑戦してみようという方もいらっしゃいます。そういった道をつくることで、非常勤の方々の雇用の場を県自らが提供していかなければならないという両面から、今後も非常勤問題について取り組んでまいりたいと思っております。

松崎        現下の厳しい雇用情勢に対して、県として優先順位を付けるとすれば一番だということを今度の新年度予算の中でも明確に盛り込んでいるわけでございますので、是非とも県庁自身における雇用ということに関して意を配っていただきたいということを要望し、質疑者に返します。