2012年6月19日(火) 本会議代表質問

(質問要旨)

2. いのち輝く神奈川の実現について

(1)ライフイノベーション特区について

イ 特区を実現するための方向性について

「革新的医薬品・医療機器の開発・製造と健康関連産業の創出」を目標に掲げ、関連産業や研究機関などの集積を目指しているが、こうした分野は、人の「いのち」に影響を与えるものをつくりだすという性質上、開発から実用化に至るまで、極めて複雑な規制が設けられている。また、多様な医療現場のニーズを的確に捉え、利便性が高く、有効・安全なものでなければ市場に受け入れられず、製品としての発展は見込めない。関係者も産業界だけでなく、医療機関や研究機関、教育機関など多岐に渡っている。 

そのため、一般の製造業等に比べ、高度で多様な面からのアプローチが必要であり、それに対応した形で、シーズ、ニーズを把握し、製品化につなげていくため、多様できめ細かな支援策を考える必要がある。

そこで、「いのち」輝く神奈川を実現するため、この特区におけるライフサイエンス分野の産業等の振興を図るための支援について、当面の取組みとして、どのような機能が求められ、どのような取組みを強化すべきか、方向性と道筋について、所見を伺いたい。

(知事答弁)           

  次に、ライフイノベーション特区を実現するための方向性についてであります。

  県が取り組むべき方向性の第一として、県の関係機関、具体的には、財団法人神奈川科学技術アカデミーや県立がんセンターと、特区における研究機関との連携強化を図ってまいります。

  第二に、産業のより一層の集積を図り、経済成長のエンジンが加速度を増して回るようにするため、ライフサイエンス産業等を支援する機能の強化を図ってまいります。

  具体的には、まず、ライフサイエンス産業への新規参入企業や中小企業を支援するためのコンサルティングなど、「産業支援」機能を強化すること、次に、最先端の国際共同研究を実施するなど、「研究」機能を強化すること、そして、専門的な「人材育成」機能の強化を図ること、などが考えられます。

  こうした機能について、日本においては十分に整備されているとは言えないとの指摘もあり、国際競争力を強化していくためにも、より一層取組みを強めていくことが必要であると考えられます。

  そこで、県、横浜市、川崎市でプロジェクトチームをつくり、民間資金を活用した、ライフサイエンス分野の「産業支援」、「研究」、「人材育成」の機能を有する、中核的な支援施設について、検討を進めてまいりたいと考えております。

  さらに、施設へのニーズや期待、実現に向けての課題、効果等について、現在、企業や学識経験者に対して、ヒアリング調査等を実施するため、準備しているところであります。

  このように、特区の取組みの強化を図る方向で、ライフサイエンス産業の振興等の取組みを順次進めてまいります。