2012年6月19日(水) 本会議代表質問

(質問要旨)

1. 知事の県政運営における基本姿勢について

(1) 基地負担の軽減に向けた取組みについて

先月、厚木基地で空母艦載機の着陸訓練が実施され、大きな騒音被害が発生し、知事も基地周辺の騒音状況を確認した上で、基地に赴き、中止要請を行った。日米安全保障体制を前提とする以上、基地との連携の重要性は十分認識しており、今後もしっかりと取り組んでほしいが、今回の着陸訓練など県民が基地による被害に苦しむ中、基地負担の軽減に向けた取組みも、今まで以上に進めていかなければならない。

知事は渉外知事会の会長も務めており、神奈川の基地問題への取組みは、本県だけの取組みに止まらず、渉外知事会を牽引する取組みであることが期待される。

そこで、知事は、これまでも、県議会において「できる限りの基地負担の軽減に取り組んでいる」と答弁されているが、渉外知事会の会長として全国をリードしていくという立場を踏まえ、基地負担の軽減に向けた取組みについてどのように考え、行動していくつもりか、知事の基本的な考え方を伺いたい。

(知事答弁)           

  松崎議員のご質問に順次お答えしてまいります。

はじめに、県政運営における基本姿勢について何点かお尋ねがありました。

まず、基地負担の軽減に向けた取組みについてです。

本県には、人口密集地域に米軍の枢要な基地が所在し、県民生活に多大な影響を及ぼしていることから、本県は、これまでも基地の整理・縮小・返還を基本として取り組んでまいりました。

こうした取組みにより、「再編実施のための日米のロードマップ」の中で、本県の基地負担の軽減として、基地の返還や空母艦載機の厚木基地からの移駐などの合意がなされたところであります。

この日米合意の早期かつ確実な実施と、それまでの間の騒音被害の軽減などについて、国に対し繰り返し求めているところであります。

こうした中で、この5月に厚木基地で空母艦載機の着陸訓練が強行され、私も基地周辺の市長と共に現地にまいりましたが、民家が立ち並ぶ中、訓練が繰り返され、凄まじい轟音が響くさまを目の当たりにし、本県の基地負担の重さ、これを改めて痛感したところであります。

私は、こうした負担を軽減するため、日本政府はもとより米側に対しても、地元の意向に沿った解決が図られるよう、具体の提案を交えて繰り返し訴えていかなければならないと考えております。

6月6日には玄葉外務大臣にお会いし、空母艦載機を期限までに確実に移駐することを求めた上で、硫黄島を活用するための条件整備や日米間の協議に基地所在自治体の代表者が参加する地域特別委員会を設置することなどについて、県知事、渉外知事会会長の両者の立場から、具体的な提案を行ってまいりました。

米軍基地に関わる運用は、基本的には日米両国政府間の枠組みで決定されておりますが、住民の皆様の生活環境を守るという立場から、基地負担が軽減されるよう、今後とも県知事として、また渉外知事会会長として、先頭に立って、しっかりと取り組んでまいります。

また、基地との連携は、相互理解、信頼関係の醸成等を通じて基地問題の解決にもつながると考えておりますので、積極的に進めてまいります。