2013年3月4日 
常任委員会質疑応答要旨

○体罰について

松崎:    県教委の体罰実態アンケート調査結果は教職員本人が体罰を行ったと申告した件数が70件、児童生徒が体罰を受けた、あるいは見たと回答した件数が57件であったとのことだが、この70件と57件というのは、1つの事象について、先生の側と生徒の側と言っているのが、それがきちんとマッチしているのか。つまり、先生方が体罰を与えたと思っていることと、児童生徒が体罰を受けたということが同じ事象についてそれぞれあって、食い違いが13件だったというとの理解でよいのか伺いたい。

保険体育課長:    明らかに双方合致しているということが、私どものほうで、判明したのは1件のみである。

松崎:    どうして1件だけなのか。

保険体育課長:    生徒からの回答のなかで、1つには教員の名前が書いていないということがある。2つ目には、暴言やパワハラといった類のことを、児童生徒は体罰を受けたということで、57件の中で回答しているものがかなりある。これについては教員のほうは体罰ということで判断をしていないので、自己申告に挙がってきていないということである。もう1つは、生徒が書いた中に、過去にすでに処分がされている案件が数件あった。これについても、教員は自己申告をしなくてもよいというルールになっている。こういった諸々の要件が重なり、結果的に教員の自己申告分と生徒から挙がった回答数の合致が1件しかなかったということである。

松崎:    今の答えを聞いていると、最初から少し条件を変えてあったから、ということは逆に言うと、児童生徒側と先生側とで当初から合致する答えが出るということをあまり予想していなかったということか。

保険体育課長:    両方から合致するように、挙がってくるのが好ましいと考えているが、結果的に1件しか合致しなかったということである。

松崎:    ただ結果として1件だけということは、非常に、それだけ先生方の感じていることや考えていることと、児童生徒あるいは保護者の方の考えや受け止め方が、違うということではないか。

保険体育課長:    今お話したように、暴言やパワハラ等という精神的な苦痛を受けたという事案が15件あった。不適切な指導であることは間違いないところであるが、児童生徒にとっては体罰として感じたことが強くあったのではないかと思う。身体的な圧力をかけたという点の解釈について、教員側と児童生徒側との齟齬(そご:食い違い)があったと考えている。

松崎:    こういうふうには考えられないか。

 先生方は、学校では圧倒的な支配者であり、子供たちからするとこれが明らかに行き過ぎであっても、なかなか声を出しにくい。無記名等の方法をとっても、推認、推測、類推されると困る。見ざる言わざる聞かざるというような気持ちになったり、どこかで容認したり、しかたがないとかあきらめてしまっていて、あるいは恐怖心から声を出さないなど、そういうことからこれだけのミスマッチが出るというなら、深刻な事態だと思う。声が出しにくいのではないか。それを県教委に今聞いても、おそらく違うと言うと思うが。

 今回の調査は何のためにやっているのか。全般的にあるのか、ないのかということを延々と調査するためのものだったのか。そうではなく、深く潜行してしまっていて表に出にくい、明らかに客観的には問題とされるような体罰が、しかし深く潜行していて表に出にくいのではないか、それを真正面から取り挙げ、しかも速攻で芽を摘んでいく、徹底的につぶしていく。良い体罰、悪い体罰があり、その線引きをする為の議論ではない。明らかにおかしい、ひどいことがあるが、それが潜ってしまっている。中に入ってしまっていて見えなくなっているのをどうにかして出したい。その芽さえ見つけたら、根っこまで断っていくんだ。そういう趣旨があると思うがどうか。

保険体育課長:    今お話しいただいたような観点があると思っている。

 保護者からの意見の中にも、犯人探しにつながってしまい、言いづらいという意見も確かにいただいている。今回、生徒の中から、同じ教員の事象について複数寄せられた中にそういったものもあり、それについては教員からは自己申告が無かった案件であった。アンケートにより出てくる案件もあり、私ども教育委員会も、すぐに学校に行って事情聴取した案件もあった。子供たちが学校の中で体罰を受けているような状況を、なるべく私どもにもわかるように表に出てくるよう、もっと訴えやすいような形にしていきたいと思う。

松崎:   (要望)それは「なるべく」ではない。99あるいは100といったようなある水準を明確にすべきだと思うし、時間軸もある程度見込んでやらないと、その効果も薄いのではないかと思うので、よろしくお願いしたい。

松崎:    体罰を含めた不祥事が学校で起きた場合、子どもたちの心のケアを含めてどのような対処をしているのか、聞かせてほしい。

子ども教育支援課長:        子どもたちへのケアについてですが、一つには学校に配置しているスクールカウンセラーを活用して教育相談体制を充実させる。もう一つは、学校に対して緊急に支援チームを派遣する、このようなことで子どもたちの緊急事態に対応しているところである。

松崎:  学校緊急支援チームを派遣という話があった。これが本来設置されている趣旨は、いじめ等子どもたちの中で起きたことに対応する緊急支援チームであったと思うが、このように教職員の手によって引き起こされた子どもたちに対する心の被害のために緊急支援チームを派遣することは、設置の趣旨とは違うのではないか。

学校支援課長:    緊急支援チームの設置は、確かに本来はこのような目的ではない面もあるが、それによって生徒に心の動揺が起き、学校の教職員では対応しきれない場合は教育委員会としては救急車的な役割ではあるが、学校を支援していくため、やむを得ず派遣している実態がある。

県立学校人事課長:            県立学校の場合について、特に教員の不祥事の後の体制であるが、所属長をどういったかたちで支えていくかという点では、保護者対応、そしてPTA、同窓会といったところとも連携・調整していくといったノウハウが私どもの方には積み上げがあるが、なかなか学校にはないので、校長を含めてまず、こういう手順から踏みなさい、ここと連絡を取りなさい、こういうかたちでまず、教員の方を人事課で支援させていただき、先ほど学校支援課長から話があったように、子どもたちに対しては、緊急支援チームを活用するといったかたちで対応しているところである。

松崎:    体体罰だけではなく、教員の不祥事があったとよく聞いている。学校の先生によって引き起こされた破廉恥な行為に接するたび驚いているし残念な気持ちになる。不祥事が起こるたびに緊急支援チームを学校に派遣していると受け止めているが、不祥事の関係で年間何件くらい、緊急支援チームを派遣しているのか。

学校支援課長:  過去3年間で言うと、平成21年度は、全部で14件の派遣があったが、教員不祥事に関する派遣はない。平成22年度は、全部で13件に対し3件である。平成23年度は、全部で18件に対し5件である。

松崎:   (要望)全体の派遣件数が増えており、また、教員の不祥事に関する派遣の件数も、0件から3件、5件と増えているのが気がかりである。子どもたちが心に傷を負うような懸念のある重く悪質な事案が増えていると受け止めた。支援チームが行けばどうにかなると考えているとは思わないが、教員が引き起こした事案により子どもたちの心のケアが必要となるという理由から緊急支援チームを派遣することは、既にこの制度の趣旨の限度を超えていると思う。体罰について、あるいはいじめについて、我々は起こるたびに議論をしてきたが、それは後追いの対策を打ってもらいたいからではなく、本来はどうやったら未然に抑止できるか、もっと言えば抑止など考えなくてもよい環境をどうやってつくるかが課題である。  いずれにしても、世間の常識にかなうようにしていただきたい。以上要望して私の質問を終わる。