平成26年6月27日 環境農政常任委員会での質疑のまとめ
○ 公益財団法人かながわ海岸美化財団の取り組みについて
松崎 次の質問は、本日ご説明のあった経営状況説明書の41ページでございます。41ページは、31ページからの公益財団法人かながわ海岸美化財団の経営状況説明があったことについての重要な部分を取り上げさせていただきたいと思います。
41ページのところは、参考ということで、数値(努力)目標の設定とあります。これはつまり、かながわ海岸美化財団の数値目標という風に理解をいたします。まずお聞きするんですけれども、この「数値(努力)」の、「努力」の意味は何でしょうか。
答弁
(環境部長) 海岸美化につきましては、本県は海岸線を抱えている13市町と県が一緒になって海岸美化財団を設立し、美化に取り組んでいるところです。しかしながら、海岸美化を進めるにあたっては、なかなか行政だけ、または、美化財団だけの活動は非常に難しいということです。そういう中で、海岸美化を進める中では、是非とも県民の方、いろんな団体と一緒になって取り組んでいく必要があるだろう、というふうに考えているわけですが、財団としては、やはり美化活動は、もともと本来は海岸管理者がやるべき業務でもあるし、または市町村のごみ処理のなかでやっていくべき業務でもある、という中で、強制的にこれを団体等の協力を求めていくことは非常に難しい、したがって、できれば自然発生的にさまざまな方々の協力を集めていくような取り組みを進めていきながら、輪を広げて行きたいという気持ちがあって、これは行政ももちろん連携を図っていきますが、財団自身もいろんな形で、企業なり学校なりの現場に飛び込んでいくと、こういった輪を広げていきたいという思いからこういった努力というふうにしている、というふうに受け止めております。
松崎 今の答えは、今一つ腹に落ちない、というか、ピンと来ないんですけど、達成すべき目標なんですよね、これは。違うんですか。
答弁
(環境部長) 美化財団は、経営改善計画というふうにございますけれども、今現在、主たる財源をそれぞれの行政からの負担金をとっている、と。その負担金の中で清掃活動を進めていく、ということになります。先程申し上げましたように、しかしながら、こういった美化については啓発活動をしていく、海岸にどのようなごみが落ちているのか、落ちているごみをどのように少なくしていくのか、といった研究的な取り組みもしております。そういったことを行っていくなかで、自主的な財源を確保していきたい、または自主的に協力していただける方々も広げていきたい、という中で経営改善目標というのを定めて、それに向けて取り組んでいきたい、ということでございますので、その中では努力目標ということでございます。
松崎 それに関連して、少し聞いていきますが、具体的な項目に入りますけれども、この数値目標のまず1番の「会員数」ですが、法人が「71法人・団体」と。それから個人が135人と書いてあるのですが、目標135人の分母は、神奈川県民900万人と考えてよろしいんでしょうか。もしそうならば、非常に少ないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
答弁
(環境部長) 確かに、県民を想定しておりますが、海岸美化に協力していただける方々、または個人の方々を含めて、非常にさまざまな方々に入っていただきたいということでございます。財団法人として設立した、というところがありますので、会員というかたちでは、社団法人とは違いますので、なかなか集めづらいというところがあって、任意に協力を求めながら、なおかつ一定の会費をもらっていきたいというところで、今回の数値自体が135人と非常に少ないという数字ではございますけれども、協力していただける方々はもっと増えているだろうけれども、会費をいただくような会員の方はこれくらいから少しずつでも広げていきたいということでございます。
松崎 まあ、部長ご自身も、少ないとおっしゃっている、ならば、努力目標とせずに、これは、必達の目標、とされてよいのではないでしょうか。
答弁
(環境部長) 今、現在、本当に財団はいろいろと努力をしていまして、会員の方々を募ったり、会員にならないまでも協力していただける方々に対してPRを図っているところでございます。その中では、美化財団自身も、広く会員の方々を増やしたい、という気持ちは、美化財団はもっていると、日々の私どもも財団との打ち合わせのなかでは受け止めております。その中で、現実的な数字として135人という数字を掲げてございます。しかしながら、この135人という数字を増やしていきたい、という気持ちは財団も持っておりますので、今御指摘がございましたとおり、今後会員を増やしていくという方向で取り組んでいきたいと考えておりますが、今回、この平成26年度の経営状況報告としては、努力目標というかたちで置かせていただいています。
松崎 まあ、努力目標だけれども、必達目標と限りなく位置づけて、やっていきたいという風に理解していますが、そういうことでよろしいですか。
答弁
(環境部長) 美化財団としては、そういうつもりで取り組んでおります、という風に承知しております。
松崎 それからもう一点、海岸の美化状況に対する苦情数、こちらも数値目標になっておりまして、ゼロを目指すということにこちらなっております。逆にお聞きしますが、今は、何件くらいございますでしょうか。
答弁
(環境部長) 申し訳ありません。今その数字を持ち合わせておりませんので、調べさせていただきたいと思いますが。
委員長 課長、わかりますか。
答弁
(資源循環課長) 今現在は、経営改善報告ということでいただいている書類の中には、その数値はございませんので、調査させていただきたいと。
委員長 じゃあ、後ほど、よろしくお願いをいたします。
松崎
それからもう一点お聞きします。
ここには、美化財団の、これは大きな仕事になってくると思うんですけど、ごみを具体的に減らしていくような数値目標というものはございませんでしょうか。
答弁
(環境部長) 海岸ごみは、人的に発生するものと、または打ち上げられてしまうものとがございます。しかも実際には、個人が道路ですとか、そういったところに捨てるごみとはちょっと違うということで、かなり発生抑制という点でいけば、美化の意識を広げていくという中で、減らしていきたいということはありますけれども、数値目標として、ごみの数量を減らすということを位置づけることは非常に難しいというふうに考えています。
松崎 確かに、そういうご説明を伺えば、例えば、漂着してくる海岸線のごみと、砂浜に残されているごみとはそれぞれに問題があろうかと思います。確かに私も、場所は海の公園という地元金沢区の場所でございますが、そちらで、美化活動に参加をするたびに、バーベキューサイトにバーベキューをしたそのままの機材を含めてまるっきり材料も全部そのまま残されていくというバーベキューごみの惨憺たるものを参加するたびに、目の当たりにしておりまして、回収するのも私どもでありますけれども、こういう状況があるということを、美化財団のフェイスブック上でも何度も拝見しておりますし、そのたびに、「いいね」ボタンをとても押せずに、やはりこれは、「いいね」以外の「怒り」のボタンが必要だなと、そんなように思いまして、実際にそのように書き込んだこともございます。それぐらいひどい状況が今生まれていると思いまして、この質問は、つまりは、そういった今の、かつては考えられなかったぐらいのモラルの低下というものに対して、声をもっと大きくして、県民の皆様にご協力を仰ぎながら、必ずしも、県民の方が残していくごみではないかもしれないと思うので、そこのところを徹底的に対策を強化すべきだと思うから、数値目標は、有益だという観点から質問させていただいているわけでございます。
もう一点伺いますけれども、財団分とボランティア分のごみの収集ということについて、言及をなさっているようなんですけれども、私が思うに、財団分のごみとボランティア分のごみというのは、分けられるものなのでしょうか。ボランティアを募る限りは、財団と一体となって集めて、減らしていこう、という運動の形態かな、と思うんですが、基本的な考え方なんですが、これはどのように位置づけておられるのか、お答えいただけますでしょうか。ごみの性質です、そして、また、集める体制です。そしてまた、それを評価する手法を含めてです。どうでしょう。
答弁
(環境部長) 財団では、通常、年間を通して計画的に海岸清掃を行っております。それは、自然海岸はビーチクリーナーが入れる場所はビーチクリーナーで、クリーナーが入らないところであれば、人手、人力で回収しているということもやっております。ただ、ボランティアの方々は、まず、自分たちが、やりたい場所を自発的に清掃をされる、ということで、美化財団が、財団はここを清掃するので、あなたたちは、是非ここをやって下さいという話の持って行き方はなかなか難しいです。したがいまして、今現在は、とにかく、やっていただけるのであれば、どこでも結構です、と、いうようなところで、ご紹介をし、そういう時に清掃用具を無償で貸し出ししたり、集めたごみは財団で引き取りますよ、というようなことをやっております。したがって、美化財団とボランティアの方がまったく同じ場所を清掃するということはありますし、一緒にやれるときは一緒にやります。また、それぞれが別々に、活動できるときは別々にやっていただくという、非常に様々な方法をとっております。実際に、あくまでもボランティアの方々のごみの回収量は、ボランティアの方々にこれだけのごみの量をとっていただくという趣旨ではなくて、ボランティアにできるだけたくさんの方に参加していただきたいという意味だと承知しております。
松崎 今、縷々お答えをいただきましたけれども、海岸線自体は、やっぱり養浜対策ということも言われてきたし、そしてまたこうした形での美化活動というものも、本来であれば、ごみを捨てない、そしてモラルをきちんと維持をしていく、ということがあれば、ボランティア、そしてまたさらには多くの人手を動員して海岸線を常に清掃しなければいけないということも生じないわけであります。そういった部分を含めて、取り組みをしていくのと同時に、県民に対して、あるいはまた県外から来られる方に対してモラルとかマナーというものをアップしていただくような具体的な取り組みが必要かと思います。最後ですけれども、そういった取り組みについてどのように考えていらっしゃるのかお聞かせください。
答弁
(環境部長) 今回、財団が、委員も参加していただいていると言っていただきました、フェイスブックの会員が今5,000名、ゴールデンウィークのときに、バーベキューごみの問題が酷いときには、75,000人の方が参加をして、その中でいろいろな意見の交換をしていただいた、ということがあります。また、25年では、15万人の方がボランティア活動に参加していただいた。15万人という数が、多い、少ないということでなくて実際に、土日に、子供たちも含めて、参加していただいているというのは、非常に大きなことだと思っております。例としては、非常に少ないんですが、たとえば財団の事務所のすぐそばにある茅ヶ崎市立汐見台小学校が夏休み中に、夏休みの活動の一環として子供たちがスタッフとなって海岸ごみのボランティアで活動される方々の受付をやっている、そういった社会活動にも取り入れていただいている、というようなこともやっていただいています。そういった意味では、少しずつではございますけれども、財団の取り組みというのは根付いてきていると私どもは思っておりますので、今後財団からは、そういった学校教育の場、各企業、いろんな活動をされる方々のところに飛び込んで、今でもやっておりますけれども、一緒に議論をしながら、対話をしながら輪を広げていこうというところを強く考えて実施しておりますので、私どもも是非それに協力していきたいと考えております。
松崎 あの、私は、こう思うんです。海岸は、例えば、真っ暗なところで、誰も見ていない、そうしたら、こんなごみくらい良いんじゃないか、空き缶一個くらい良いじゃないか、あるいは、たばこを吸った吸殻、砂の中にぎゅっと入れておけばわかんないんじゃないか、と。そのままタッタッタと行こうとしても、行こうとしたその人自身の気持ちが2、3歩歩き出したら、やっぱりこれは、ちょっとできないな、と。そうやってまた、さっと戻って、それだけは片手で持って、そして、ごみを捨てられる適切な場所へ捨てておこう、という風になるというのが、やはり人間の自然な心の動きだと思うし、モラルだと思うんです。そして、そのことは、最終的には、誰かの目があるからとか、ルールで決まってるからとか条例で罰せられるから、とか、最後はしなければいけないのかもしれないけれども、そのうんと手前のところで、やっぱり人の気持ちがそういう風に動く、そういう神奈川の海でありたい、というふうに強く念じておりますので、財団の活動を引き続き展開していただくとともに、より一人でも多くの県民の方を巻き込んで、しっかりと運動が展開されるよう、私どもも御協力を最大限させていただきますから、よろしくお願いいたします。
答弁
(資源循環課長) 先程の苦情件数の件でございます。財団に確認したところ、25年度の苦情の実績につきましては、特に目立った苦情はない、という状況でございます。意見等につきましては、現在開いておりますフェイスブック等で入ってきてございますけれども、目立った苦情はない状態ではありますが、常に苦情はゼロを目指す、という意味で、目標としてゼロと掲げた、ということでございます。
松崎 よくわかりました。ありがとうございます。