平成26年12月18日 環境農政常任委員会での質疑のまとめ

○ 県立花と緑のふれあいセンター条例の一部を改正する条例について

松崎      

 民主党・かながわクラブの松崎淳です。何点かお伺いをしていきたいと思います。まずは、議案の中でございます。県立花と緑のふれあいセンター条例の一部改正ということが議案で提案されているわけでございます。先ほど、ご説明を伺ったわけですけれども、基本的にですね、施設運営の改善に向けて、不断の見直しを行うということは、必要なことだと考えております。その視点からですね、今回の具体的な改正の内容について何点か確認させていただきます。

 まず、今回入園料の上限額を、大人の場合、現行の520円から1,000円に引き上げているわけでありますが、その上限額とは、どういう意味なのでしょうか。

農政課長                お答えいたします。利用料金の上限額についてでございますが、指定管理制度を導入している場合の一般的な手法でございまして、県が条例で、入園料の上限を定めて、その範囲内で事業者と県で調整して、実際の入園料を定めるというものでございます。現在の入園料も同様に、定められております。なお、1,000円の料金設定でございますが、春バラのピーク時の設定でございまして、他県等の同様の施設と比較しましても、大体同程度、変動料金を導入している民間の事業者は1,000円を超えるということでございますので、概ね適正な設定ではないかと考えております。

松崎        上限額ということはですね、その範囲内での設定ということでございますから、現行料金520円ということについても、これは縛られないということであろうかと思うのですけど、ということは、現行料金よりも下がるということもあるということでよろしいのでしょうか。

農政課長                お答えします。今回の料金の見直しついてはですね。季節毎の施設の魅力度に応じた料金負担を求めるためのものでございます。変動利用料金制を導入することでございます。先ほどお答えしたとおり、春バラのピーク時でございますが、反対にですね7月、8月および12月から2月は閑散期ということで、520円を220円に値下げする計画となってございます。その他の時期については、現行の料金を維持する計画をしております。

松崎         そうすると、520円が上限というふうに決めておった、今までと比べて、1,000円の時期、520円の時期、220円の時期と3パターンになるということで、経営という観点からすると、どちらの方がより、この、なんていうのでしょう。収益体質が改善されるとか、何か見込めるとか、安定して、5年後とか、3年後が見通せるようになるとか、なんか、こういいことってあるのですか。改善されるという視点があるのですか。

農政課長                お答えいたします。現行のですね。花菜ガーデンの入園者数の状況を踏まえて、今の料金設定を当てはめた場合、収入額が増額するという見込みを立ててございます。概ねですね、収入見込みとして、4千万程度増えるとことと想定しています。年間4千万程度の収入が増額すると考えてございます。

松崎        もう少し数字を補って頂きたいのですが。ずばり、いくらからいくらになるのか。

農政課長                あの、入園料だけではなくて、いろいろと全体を通しての収入、利用料金等収入の見込額ということでお答えをさせていただきます。平成25年度の年間の収入が8千356万円でございまして、それを、今度、新しい料金体系で考えた場合、1億2千845万円程度で見込まれるということでございます。

松崎        まあ、今伺ったように、その増収という形で、これは結果が出てくるということでございます。一方で、その価格の設定という意味でも、まあその時期に応じたリーズナブルな価格設定になるというご説明でしたね。1,000円というのも、類似の他県の施設を考えれば、まあ妥当な範囲だと、まだそれでも安いということだと。さてお聞きしたいのは、その、ちょっと意地悪な質問かも知れませんけれど、入園料を引き上げするというのは、通常、入園者数は減少するはずです。ですね、これは経済学で習う最初の話でありますけれども、入園者数の確保のためには、通常は値上げの前に、まず一層事業者の営業努力をやるということが一般的でありましょう。例えば、まあそれは、旅行会社への施設の売り込みとか、近隣のさまざまな諸団体、学校、町内会等への働きかけをすることは、創意工夫の余地があれば、それはすべて行うということが、まずあっての値上げなのだろうと思います。これは値上げではなく、その変動利用料金制というものへの移行ということではあるのですけれども、春バラの最盛期には、今よりも、まあ値上げになるということであり、また閑散期は、逆に今より値下げになるということでありまして、まあ、いま申し上げたような営業活動、チラシ・パンフレットを郵送する以外にも、あるいは面談を含めて足で稼ぐ営業は、今まで行ってきたのか、あるいは今後どうやっていくのかということを聞かせて頂きたい。

農政課長                お答えいたします。開園当初、入園者数が低迷した要因の一つとして、施設の認知度不足があったということでございまして、まあ入園者数の増加に向けてですね、トライアル期間においては、プロモーション活動の強化ということで取り組んで参りました。具体的な内容としてはですねテレビなどのメディアへの働きかけ、平塚、横浜などの主要駅へのポスターの掲示、花菜ガーデンの周辺地域を対象とした新聞の折り込みチラシ等ですね、取り組んできたところでございます。まあ、一方営業活動についてはですね、運営費の削減という面からですね、人員配置の見直しも行ってございまして、営業担当の職員も1名減に減ってと、必ずしもですね、十分な取組ができていたのかどうかというところは、検討の必要があるのではないかと考えています。今後ですね、更なる料金改定しても、今後更なる入園者数増加に向けて、委員のご指摘をいただきました、旅行会社への働きかけとかですね、各種団体等への積極的な営業活動などが必要だと考えてございます。事業者も同様の認識を持ち、今後、取組の強化を図っていきたいというふうに考えております。

松崎       まあ、この手の事業を従来の県直営ではなく、民間の方々に参画をしていただくというのは、プライベートとパブリックをうまく見て、経営のセンスというものが、取り入れられる。逆に言えば、それはまた別の意味で、非常に試されるという側面もございますよね。それは、チャレンジを伴うという一面もあるかと思います。その時に、やっぱり入場者を増やすということ関して言えば、いろんな連携ということを、もっと図って行かなければいけないということになってくるかと思うのですけど、例えば同じ、神奈川県の施設同士との連携というのは図れているのでしょうか。

農政課長                お答えいたします。県の施設同士での連携ということのご質問でございますが、花菜ガーデンと県の施設ということで、県立フラワーセンター大船植物園が、大船にございます。こちらではですね。お互いそれぞれの入園券の半券、いわゆる それを、お互いの窓口で提示することで、相互割引という連携を図ってございます。例えばですね、フラワーセンターの半券で、花菜ガーデンの入園料が、現在100円割引になります。反対に、 花菜ガーデンの半券で、フラワーセンターが50円の割引になる、そういう相互割引などの連携も取っているという状況でございます。

松崎         実際、それで年間、どれくらいの利用の状況があるのですか。

農政課長                平成25年度の実績でございますが、大人とか、シニアの方も含めて全体ですが、400、申しあげますと、フラワーセンターだけではなくてですね、フラワーセンター以外にも、他の施設との相互割引みたいなものをやってございますので、それを含めた全体の数ということで説明させてください。全体を含めて406名ほど、相互割引を使って花菜ガーデンに入園いただいております。

松崎         年間400名ぐらいというのは、いささか少ないのかなという気もします。100円割引とか50円割引で回っていかれたとしても、そのトータルで割り引いた額というものを想定すると、平成25年の8千万円という収益という部分とのパーセンテージで考えてもですね、あまり、まだ大きな連携、成果が上がってきているとは思えないので、そのあたりも、やっぱり工夫をしていただきたいですね。もう一つはですね。休園日を今度は、10日以内から30日以内ということに改めるということでありまして、お聞きすると休園する日が増やすことができるようになるのだなあというふうに受け止めるのですけど、このあたり、見直しの考え方とか、あるいは県民サービスへの影響については、どのように見ているのですか。

農政課長                お答えいたします。現在の休園日は、10日ということで、年末年始の5日間、あと1月から2月にかけまして5日間ということで、設定してございます。見直し後の休園日についてはですね、年末年始を8日間、7月と8月、12月から2月で、だいたい22日間程度ということで、合計30日ということで考えてございます。見直しの考え方でございますが、年末年始の休園日を増やすということはですね、やはり年末は、今は年始、年末年始はですね、やはり、非常に来園者が少ないという事がございます。過去にも、1日1名しか入園者がなかったという事もございましたので、そういう運営の効率化を図るという観点からですね、年末年始についてはお休みを増やさせていただきたいと考えております。7月、8月あと12月から2月の時期でございますが、園内のメンテナンスのために休園日を増やすということで考えてございます。7、8月はですね、主に病害虫の発生の時期でございます。病害虫防除にかかる作業を中心に、12月から2月は、主に樹木の剪定ですとか、あと堆肥の投入などの土作りなどですねを行うための休園日をどうしても必要だと、その時期にしっかりいいメンテナンスをして、いい花を皆さんに見ていただきたいということで、休園日を増やさせていただきたいと考えてございます。あと、これらの時期でございますが、現状でも入園者の実績が少ないという状況でございますので、サービスへの低下の影響は最小限に抑えられるというふうに考えてございます。

松崎         今、ちょっとお伺いしてきますと、4千万円ほどの増収プラス、メンテナンス等々のための休みの期間を増やすということでありまして、そうすると現状よりも、経営体質は強化されるのかなあというふうに思います。そうすると強化した経営体質で以て、何にチャレンジするのか、民間の知恵や事業の特質を公の施設に盛り込むという、この花菜ガーデンの趣旨からすると、ここで得られた経営体質の資源というか、経営体質の強化の部分を何に活かしていくのかということについては、どう検討されていますか。

農政課長                今回、花菜ガーデンについて見直しを行った大きな成果といたしまして、入園者数が計画よりも低迷して事業者の収支が厳しくなり、事業経営が危うくなったということがありました。今回の見直しはですね、トライアル期間の結果、いろいろ様々な取組、魅力度アップとか、認知度の向上とかですね、いろいろ取り組んできたなかで、事業者が、元々計画しております20年間の運営の期間をですね、効率よく、県民サービスを低下させないようになるということで、今回の見直しの形を示させていただいているということでございます。

松崎         いや、料金値上げをして、休みが増え、いろいろなことができるようになりました。ほっとしましたということでは困るのですよ。果たして、県民の皆様から見て、こういうふうにして、まあ余力が生まれるとは言いません、厳しかったわけですから。だけど、こういう形で以て、経営体質を強化できるようになったという、車の運転に例えるのであれば、ハンドルの許容範囲が少し、取り回しが良くなって、やっと交差点を曲がれる良い形になってきたというようなものを、そうなった分だけ、一体事業者は、あるいは県としては、何をどこに、どんな形で力を入れていくのか、前向きなビジョンとか、無いのですか。あるのでしょと聞いているんです。

農政課長                失礼しました。この花菜ガーデンは、農業の理解促進と花を、花卉園芸の振興ということで、花を鑑賞しつつ、情報を理解してもらうということで設定、設置をしてございます。そういうことで、経営に余裕を持って頂いて、しっかり農業理解促進、よい花をですね、県民の方にこう、鑑賞していただくということで、施設の設置目的の為に、最大限に効果を発揮してもらうようにですね、努力していただけるものというふうに考えております。

松崎        ちょっと解りにくいんですよね。それから理解促進というのは、例えば、今までだったらなかなか来て貰えなかった遠方の人にも、いろいろと大勢来て貰らうようにするために、様々な広報とかを含め、そういうところにも、もっとお金を投じることができるようになりますとか、あるいはまた、良い花を植えるというんだったら、例えば、今まで、なかなかコストの面から見て、取り入れることができなかった種類の花々についても、新たに取り入れて行きますとか、そういう様なことが、具体的にある程度見込んでなければ、これは議案ですから、私どもは、やっぱり、そういう事について、どんなビジョンを持っているのかということを、ちゃんと聞いたうえで、議決したい訳です。なので、そこの所をちゃんと説得力ある答えを示してください。

農政部長                お答えします。経営の収支の改善された部分で、さらに魅力度をあげる、これまでも三日月山などにつきましても、春の時期、秋の時期、コスモスなど季節の花等々も含めて、更なる魅力度のアップに努めてきた訳でございますけど、そういった余力が生まれることによりまして、花の種類、また面積等を増やすこともできると考えてございます。また委員からご指摘のございました、どのようにPRをしていくのかという事で、もう少し、県民へきちっとPRしていく必要があるというふうにも理解しておりますので、それをさらに浸透させていくような努力も事業者として、していく必要があります。先ほど、県内の園との連携ということで、いろいろな点を含め、少ないという視点がございます。そういった中で、常々、県民への取組、理解促進という視点・観点からも、これから、十分取りくんでいく必要があると考えております。

松崎         (要望)私ども議会は緊急財政対策等々含めてですね、それは予算決算の同委員会でそれぞれ議論がたくさんございましたけど、廃止とかですね、あるいは見直しとかですね、何年後にはもう縮小するとか、事業そのものを止めてしまうとか、あるいはその人件費だけを盛り込んでるような、その補助なんていうのは、もう全仕組み、みんな廃止してしまいましたよね。利用者や県民の方々からすると何故なんだということです。先日の本会議の一般質問でも、非常にたくさんの声を、実は突きつけられているんだという質問をされた八木先生も今日おられますけれど、私どもはそういう場面に常に立っているわけですよ。それは県庁のみなさんもそうだと思うのですよ。そうすると、それを条例改正までして存続させたと、こういう形でもって、成り立たせたていこうとするからには、じゃあそれで具体的に県民の皆様には、何があるのかということを、きちっとお示しできなければ、やっぱり我々、一方では我慢してください、やめましたということもやってきたなかでですね。それとの比較で考えるとそれはきちっと議論をして、やっていただきたいと思います。きちっとお伺いをして、そして、お答えいただいたという風に、私は今受け止めさせていただきましたけれども、これは県民の皆様から見て、安易な値上げなのだというふうに誤解されては困ると思うのですよ。

 あくまで、その変動利用料金制というところにいくのであって、それは閑散期には値下げをする。あるいは逆に引き上げなくていい時期については据え置きをするということがあって、最盛期については、他の施設よりもまだ低いところで、適切な料金設定に改めさせていただきましょうということだというふうに受け止めますので、その中で得られる経営資源とか、あるいは体質の強化は、きちっと県民の方々に、お返しをするという感覚で取り組んでいただきたいなと、強く要望させていただき、次の質問に移ります。