2015年9月25日(金) 本会議一般質問

(質問要旨)

1.ひとが輝くふるさと神奈川

(1)東京2020オリンピック競技大会を契機とした障がい者セーリングの普及について

(松崎)   

   質問の第1は、ひとが輝くふるさと神奈川についてであります。 まず、東京2020オリンピック競技大会を契機とした障がい者セーリングの普及について取り上げます。

 本年6月に開催された、IOC国際オリンピック委員会の理事会で、東京2020オリンピック競技大会のセーリング競技会場が、江の島に決まったことは大きな喜びであります。

 同時に、江の島で開催されるセーリング競技を成功させるためには、乗り越えていかなければならない様々な課題があると認識しており、県民、市町村、関係団体等と連携して県全体で取り組んでいくことが何より重要です。

 このため、先に策定した、かながわグランドデザイン第2期実施計画において、神奈川の戦略の一つに「オリンピック・パラリンピック」を盛り込んだことは、評価するところであります。

 今後、この戦略に示された取組を着実に進めていかなければなりませんが、大事な視点は、オリンピックとパラリンピックが一体で盛り上がることであり、そのために2020年に向けて、そしてその後を見据えて何をしていくのか、また、何を残せるのかということであります。

 しかし、パラリンピックのセーリングについては、残念ながら、東京2020(ニイゼロニイゼロ)大会では公式競技に採用されませんでした。これは、競技人口が少ないことなどが要因との見方もされております。

 そうしますと、これから東京2020大会のセーリング競技の江の島開催に向けて、様々な準備に取り組んでいく中で、障がい者のスポーツという視点が、なおざりにされはしないかと懸念しているところであります。

 私は、マリンスポーツを身近で楽しめる神奈川県で、障がい者がもっと海洋スポーツに親しむことができる機会を増やすべきと考えております。 障がい者のスポーツは、パラリンピック競技をはじめ様々な競技がありますが、海洋スポーツとなると、セーリングなどに限られておりますし、体験するにしてもハードルが高いのが現状であり、そうした意味でもオリンピックのセーリング競技の江の島開催は、障がい者のセーリングを普及拡大させるための絶好の契機であると考えます。

 このため、例えば、障がい者でも比較的操作が容易なハンザクラスのセーリング大会を江の島で開催して魅力を知ってもらうことや、障がい者がセーリングをしやすい環境を整備していくことが必要と考えております。また、それが競技者の裾野を広げることにも繋がるのではないかと考えております。

 そこで、知事に伺います。

 東京2020オリンピック競技大会のセーリング競技が江の島で開催される中で、障がい者セーリングの普及について、どのような認識を持っているのか、また、どのように取り組んでいこうとしているのか、伺います

(黒岩知事)           

 松崎議員のご質問に順次お答えしてまいります。

 ひとが輝くふるさと神奈川について、お尋ねがありました。

 まず、東京2020オリンピック競技大会を契機とした障がい者セーリングの普及についてです。

 県では「年齢や障がいなどを越えてスポーツをする喜びを実感する」ことなどを目指す「かながわパラスポーツ」の取組みを推進しています。 誰もが等しく大自然に包まれ、自分のペースで楽しむことができるセーリングは、「かながわパラスポーツ」にふさわしい競技のひとつであり、県としても積極的に普及して行きたいと考えています。

 現在、県内で障がい者セーリングの中心となっているのが、江の島の湘南港です。 平成26年6月にはヨットハーバーのバリアフリー化を図るなど、使いやすさにも配慮していますが、障がい者がヨットに乗るための設備がないといった課題もあります。

 そこで、パラスポーツの振興を図るため、浮桟橋に乗降用のリフトを設けるなど、障がい者がより使いやすく、国際大会などの誘致にも適した施設とするための方策について検討していきます。

 また、湘南港では、障がいの有無や年齢に関係なく、簡単で安全に楽しめる「ハンザクラス」のヨットを備え、地元のNPOと共同で障がい者セーリングの体験会を定期的に開催しています。

 しかし、こうした取組みを行っているハーバーは、県内でも限られているのが現状です。

 そこで、今後、NPOやセーリング関係団体と連携し、県内各地で、湘南港で得たノウハウを活かした出張体験会を開催するなど、障がい者セーリングの拡大を図っていきます。 こうした取組みを通じ、「Shonan」の江の島から障がい者セーリングの普及拡大を図り、全国に発信してまいります

(要望)                それでは要望させていただきます。

 東京2020オリンピック競技大会を契機とした、障がい者セーリングの普及についてであります。

 東京2020オリンピック競技大会セーリング競技の会場が江の島に決定し、県では「かながわグランドデザイン」第2期「実施計画」の「神奈川の戦略」に示されているように、今後、関係機関と連携協力して、大会の成功に向けて準備を進めていくことになります。

 この準備に際しては、是非とも障がい者セーリングのあり方など、将来にわたる課題も視野において、団体の意見も聞きながら取組みを進めていただくよう要望いたします。

 それによって、江の島でオリンピックを開催したからこそ、障がい者セーリングのファンが増えたと言われるくらいの意気込みで、より多くの人が障がい者セーリングに関心を持ち、 楽しんでもらえる環境を整えていただくようお願い申し上げて、次の質問に移ります