2018年7月6日 常任委員会質疑

(質問要旨) 電子母子手帳の取組について

(松崎)   

  ヘルスケア・ニューフロンティアの取組は、多岐にわたるが、その中でも、未病の改善を行うためには、個人の健康情報の見える化が大事であると考えている。  私事ではあるが、現在、妻が妊娠7か月となり、秋口には初めての我が子が誕生する予定である。母子の健康管理には、日ごろから、特に気を付けている私にとっても、県の電子母子手帳には、非常に関心がある。

  そこで、自分の周囲の声を県に伝え、より一層の工夫を重ねていただきたいという気持ちから、ヘルスケアICTの中でも特に、電子母子手帳について何点か質問していきたい。 まず、妊産婦や乳幼児がいる子育て世帯は、毎日、食材を買いに行くよりも、食材の宅配など利用している場合も多く、我が家も、便利なために利用している。そうした世帯にも広く県の電子母子手帳アプリを知っていただくため、例えばこうした宅配事業者などと連携して広報を行っていくことも必要と考えるが、県としての見解を伺いたい。

市川次世代社会システム担当課長  

 昨年度は、宅配を行っています生活協同組合ユーコープに協力いただきました。具体的にはユーコープに加入の資料請求を行った方で、妊娠中または1歳未満のお子さんをお持ちの方に、無料で配布している販促品「スマイルボックス」、この中には赤ちゃんのおしりふきや離乳食レンジ対応の容器、お母さんをサポートするようなレシピなどが載っている本などをセットにしたスマイルボックスに、本県の電子母子手帳のチラシを一緒に入れていただくなどの協力をいただいています。

  本年度は、生活協同組合だけでなくその他の民間企業とも連携して、本県の電子母子手帳の広報を行ってまいりたいと考えております。

(松崎)                  県の電子母子手帳は、平成28年9月に導入されたと聞いている。そろそろ2年近くになるが、県内の自治体での現在の普及状況については、どうなっているのか。

市川次世代社会システム担当課長  

 本日現在で、23市町に参加頂いており、全体で約9,600人の方に、本県の電子母子手帳を利用して頂いております。

(松崎)               23市町、約9,600人と報告いただいた。そもそも、私が住んでいる横浜市では、2人で行った母子手帳交付の際、区役所の窓口では県の電子母子手帳アプリについて案内は一切なかった。人口規模の多い政令市が導入していないことが、普及に向けてのネックになっているのではないか。相模原市は先日の記者発表で7月1日から電子母子手帳を導入するとのことだが、22市町から23市町になったということだと思う。横浜、川崎の状況について、確認したい。

市川次世代社会システム担当課長  

 横浜市、川崎市につきましては、現在のところ本県の電子母子手帳の取組に参加いただいておりません。ですので、区役所等の行政の窓口では県の電子母子手帳の案内はされておりません。

  横浜市からは、電子母子手帳に参加するには、現場の保健師を含め、それぞれの区役所毎の意向を取りまとめることに時間を要している状況であると伺っています。

  また、川崎市からは、市から子育ての情報発信を行う独自のアプリ「かわさき子育てアプリ」を平成28年4月に開発し、市民向けに提供しており、この子育て支援情報も発信していることから、当面はこのアプリの運用に注力していく意向と伺っています。

(松崎)                  今の状況はわかったが、そこにとどまっていてはいけないと考える。実際に私もアプリをダウンロードしていろいろと試してみたが、妻とも話し、同じ状況の方々のご意見を伺いながら今日に臨んでいるが、非常に使い勝手の良いものになっているという評価である。ということは、広めてさえいけば、かなり普及していくと思われる。実際に利用している方々の声を聞いてそのように思う。横浜市、川崎市の住民には、どのように周知し、電子母子手帳を普及していこうと考えているのか、伺いたい。

市川次世代社会システム担当課長  

 県では、県内市町村に対して電子母子手帳の導入に向けた検討会を年3回程度開催し、横浜市、川崎市も含め、28の市町村に参加いただいています。

  引き続き、両市には、この検討会の中で、電子母子手帳の取組に参加することのメリットを説明するとともに、電子母子手帳の取組への参加に向けた、働きかけを行っていきます。

  さらに、県として、両市にお住いの方も含め、幅広く県民の方を対象にした、電子母子手帳の普及キャンペーンなども行ってまいりたいと考えております。

  この中で、ベビー用品を扱う企業などとも連携して、キャンペーンに合わせて、SNSやインターネット広告なども活用して、子育て中の親御さんに訴求力のある効果的な広報を行い、本県の電子母子手帳の利用者増へつなげていきたいと考えております。

(松崎)                  利用者の視点で今日は伺っているが、他市に転居した場合には、県の電子母子手帳は引き続き利用できるのか。

次世代社会システム担当課長          

 今現在、県の電子母子手帳を利用している方が、県の電子母子手帳に参加してない市町村に転居した場合は、市町からのお知らせは届かなくなりますが、電子母子手帳の本来の機能である、予防接種歴や、健診結果のデータは、そのまま電子母子手帳アプリの中で継続して利用できます。

(松崎)                  市町村からのお知らせが届かないのがネックではないかと考える。アプリ単体の利用が便利だからよいということで、結局、情報連携という形で広くこれから普及することにはならないという面がある。ぜひ、そこは課題として取り組んで解決していただきたい。

  やはり、妊産婦の方々に心配があるという声があるのは、このような電子化されたメディアを使うということが、情報漏洩や個人情報の関係でセキュリティの面で大丈夫かという不安感があるということ。その点について、どのように考えているのか。

市川次世代社会システム担当課長  

 マイME‐BYOカルテと連携する電子母子手帳アプリについては、通信データやサーバーに保存されたデータを暗号化しているほか、不正アクセスの検知、ウイルス対策など、情報漏洩がないよう、アプリ運営業者によって十分なセキュリティ対策を行っています。

  また、県としても、アプリの運営業者が行っているセキュリティ対策について適切に実施されているか、独自にセキュリティ監査を行い、その安全性を確認しています。

(松崎)               (要望)

  要望を申し上げる。電子母子手帳の取組については、市町村と連携して、直接県民に届く取組として受け止めているが、政令市の参加に向けて、引き続き調整を行っていただきたい。

   また、民間企業とも連携したキャンペーンやSNSを活用した広報という話もあったが、セキュリティ監査の実施等も含めて、広く県民の方々に安全で安心な電子母子手帳を本県が推進していくということで普及拡大を図っていくよう要望する。