1.オミクロン株の特性に応じた感染症対策の徹底

現在の感染拡大の大部分を占めているオミクロン株に関しては、これまでのデルタ株等とは、感染力や症状、潜伏・感染期間といった点で異なる特性を持つとされており、こうしたウイルスの特性に応じた新たな対策の確立が急務であることから、対処計画をオミクロン株仕様に早期に見直すほか、他の都道府県や国を巻き込んだ対応を行うこと。

2.真に有益な感染情報の「見える化」を推進

重症化された方や亡くなられた方の年代や性別、感染経路や基礎疾患の有無に加え、新型コロナウイルスのどの株であったのか。またどのワクチンをいつ、何回接種された方なのか等々の詳細な情報が集約され、適切に開示、十分に活用されることで初めて多くの方々に共感の得られる対策ができるものと考える。

県民の皆様が発熱等の体調不良時の判断に、真に有益な新型コロナウイルス感染症関連の情報の「見える化」を推進すること。

3.国に都道府県の権限強化を要請

 オミクロン株の感染拡大を抑え込むためには、感染状況に即応して迅速な対策を講じる必要がある。しかしながら県内には県のほかに保健所設置市が6市あり、それぞれが対等の立場で業務を実施しており、感染症法上は、例えば検査について、保健所設置市域においては、県が指示・命令できる立場にはない。

このような権限のねじれ解消や対策に必要な財源を機動的に発出できるよう新型コロナウイルス対応における都道府県の権限強化を国に強く要請すること。

4.3回目のワクチンの早期接種の支援および検査キットやコロナ経口薬の普及

大規模接種会場の追加設置や自治体が速やかに接種券を発行できるよう協力するなど、3回目のワクチン接種を加速すること。

また、自宅等で通勤・通学を控え軽度の症状を自覚した際に、医療機関を受診させるための抗原検査キット等の配布事業を再開するほか、特例承認された「モルヌピラビル」の安定供給ならびに現在承認申請されている「パクスロビド」といった経口薬の早期の特例承認を国に強く働きかけること。

5.保育所及び介護施設等への支援体制の強化

 急速な感染拡大による、保育所等の休園の多発や介護事業所の一時的な休止が発生し、社会機能に甚大な影響を与えている。こうした施設の再開を進めるには、エッセンシャルワーカーである保育士・介護士などの職員が感染者や濃厚接触者となった場合、隔離条件の緩和を検討する必要があるが、そのために必要な検査キットが入手する手段が整備されていない状況にある。

これ以上、社会活動が停滞しないよう、保育士・介護士等の現場で働くエッセンシャルワーカーに対する随時必要な検査を確実に受けられる体制の早急な構築について、職員の待遇改善も併せ、引き続き国に求めていくこと。

また、保育に関しては、休園の急増に対応した地域の保育機能を保持していく必要から、地域内における多様な関連施設との連携強化を進めること。

6.自宅療養者等への着実な医療支援

県は去る1月28日より「自主療養」制度の運用を開始した。これは率直に足元での「医療崩壊」が現実となっていることを真摯に認識しなければならないことはもちろんのこと、現在も、発熱した方が新型コロナウイルス感染症専用ダイヤル等に電話してもつながらず、県が公表している発熱診療等医療機関において受診拒否されるケース等が多く散見され、深刻な事態となっている。

こうした中で、県はこれまで以上に指導力を発揮し、医師会等への働きかけを通じて、救急医療をひっ迫させないために発熱した方が安定して受診できる体制を構築し、自宅療養者を孤立させないことをはじめとする着実な医療支援を行っていくこと。

さらに、こうした状況のなかでやむなく自宅療養をせざるを得ない、透析患者をはじめとする重篤な基礎疾患のある方・難病の方に対するセーフティネットの確実な整備と、当事者への着実な支援、情報の周知を徹底すること。

7.生活困窮者並びに事業継続が困難な事業者に対する支援の強化

コロナ禍における行政の経済支援対策が不公平に偏っているとの認識から、生活困窮者をはじめとする支援体制の強化ならびに県内の小規模・中小企業の事業継続が困難な事業者に対する支援体制の強化を県としても行っていくこと。

併せて、所得が大幅に減少した生活困窮者など、様々な困難に直面している方々へ行き届く支援にも、これまで以上に引き続き取り組むこと。