令和4年9月28日 環境農政常任委員会 質疑応答要旨
質問(松崎委員)
〇 立憲民主党・民権クラブの松崎淳でございます。ここからは、私の方で東京湾の漁業と環境につきまして、何点か伺ってまいります。
東京湾の漁業は、シャコやマコガレイ、アナゴなど江戸前の魅力的な水産物を提供してまいりました。しかし近年は、貧酸素水塊の影響などによりまして、漁獲量が大きく減少しているところであります。
私はこれまで、環境農政常任委員会に5回所属をし、委員長も2度務め、当委員会、そして本会議におきまして、貧酸素水塊への対策など、地元金沢区を含む東京湾の水産資源の回復に向けた取組について取り上げ、早急な対策が必要であると当局に求め、訴えてまいりました。
残念なことに、東京湾の漁業は、漁獲量の減少、それから温暖化による環境の変化などによりまして、依然として厳しい状況にあります。そこで、東京湾の漁業を支えるため、現在、県が行っている取組と、今後の取組につきまして、何点か伺い、質して行きたいと思っております。
○ そこでなんですが、まず、貧酸素水塊であります。これまで私が、この常任委員会や本会議等で得た知事並びに当局からの答弁では、東京湾の貧酸素水塊を再現するシミュレーションモデルを作成して、覆砂、それから浚渫窪地の埋め戻しなどが効果があるという結果を基にしまして、国に対策の実施を働きかけてきて、実際に国は、本県からの働きかけを受けて、令和2年度から東扇島沖の覆砂事業を実施しておりました。環境改善に効果も出でいるということであります。そこでなんですが、今後、本県において実施される具体的な貧酸素水塊の緩和策、これがどのようなものかということを中心に、まずお聞きをしたいと思っております。
そこでなんですが、まず現在までの取組について確認します。
答弁(山本水産課長)
〇 お答えいたします。県水産技術センターは、横浜の根岸湾におけるシミュレーションモデルの計算に基づく貧酸素水塊の緩和策などの成果を横浜地区の漁業者に説明するとともに、港湾の整備等を行う国交省の京浜港湾事務所に情報の提供を行ってまいりました。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
〇 情報提供と、それからシミュレーションを行ったということで、その最新のデータを提供してきたということでありますが、そこでなんですけども、情報提供してきたということは分かったんですけども、県としての係わり方というのは、どういうものなのかということは、どうなんでしょうか。
答弁(山本水産課長)
〇 お答えいたします。令和3年6月から7月にかけて、水産技術センターと京浜港湾事務所は、根岸湾の環境改善についての打合せを行い、水産技術センターからは海底耕うんの効果や適切な実施時期等について技術的な助言を行いました。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ 海底耕うんというのは何ですか。
答弁(山本水産課長)
〇 お答えいたします。海底を耕すことにより、海底の泥の中に酸素を供給する、こういった行為でございます。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ それでは、根岸湾という具体的な名前が出てきている訳ですけれど、県と国ですね、それから横浜市も関係がございますけれど、どのように今後取り組んで行くのでしょうか、お聞きします。
答弁(山本水産課長)
○ お答えいたします。水産技術センターとのこうした取組を経て、京浜港湾事務所では、今年の秋以降に、貧酸素水塊発生の原因となる海底の有機物の量を減らす海底耕うんの実証試験を、根岸湾で実施する予定です。
秋以降に実施する理由につきましては、海底耕うんは海底の泥に酸素を供給するために行うものですが、夏場は貧酸素水塊が発達しており、海水中に酸素が少ないということで、海底耕うんの効果が見られなくなってしまうということから、秋以降に実施するというものです。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ その海底耕うんを行うことによって、どういう効果を期待しているんでしょうか。
答弁(山本水産課長)
○ お答えいたします。貧酸素水塊の元になる有機物が堆積して、そこで酸素を消費されてしまうという現象がございます。それが貧酸素水塊の元になっています。そこで、海底の泥の中に酸素を供給することで貧酸素水塊の発生を抑えるという効果を期待しております。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ そうすることによって、漁業や水産業にはどんな影響があるのですか。
答弁(山本水産課長)
○ お答えいたします。貧酸素水塊の発生量が減少することで、漁場の貧酸素水塊の被害、こういったものを減少できると、それによって漁業に効果があると考えております。以上です。
質問(松崎委員)
○ この貧酸素水塊は、この常任委員会で私自身も何度も取り上げてきた問題であります。東京湾広く、一定の平らじゃない、えぐれた所が何箇所もある。そこの所が魚さんたちには住みにくい。それが漁獲量の減少につながっているという分析のもとに立った今のお話しですけれど、私からすると、非常に当局も長い間かけて研究され、準備されてきたことが、ようやく根岸湾で今、これから秋ですから、実証されようとしているということで、大いに期待をつなぎたいと思いますし、ここからが東京湾の水産業、漁業の再興につながるという大いに期待を込めていますので、よろしくお願いしたいと思います。
また、その進捗状況を当委員会で是非、機会を捉えてご報告いただきたいと思っております。よろしくお願いします。
質問(松崎委員)
○ 貧酸素水塊への対策につきましては、調査報告結果に基づいて今後続けられていくということになります。そこで、もう一点角度を変えてお聞きしたいんですけど、世界的にマイクロプラスチックの問題、これ大きな影響があるということで、深刻になってきておりますが、東京湾についてもですね、これ深刻になっているということでございます。
私のところには、地元野島海岸でこの問題をずっと実地にですね、調査を重ねてこられた方からご意見を含めてですね、現場の状況をお聞かせいただいております。その地元金沢区の野島海岸の状況をお聞きしますと、人工芝由来のマイクロプラスチック、これが多数漂着をしているということであります。私もその現場に立たせていただいたところです。
県はその実態を把握しているんでしょうか。
答弁(関大気水質課長)
○ お答えいたします。環境科学センターでは、主として相模湾の漂着マイクロプラスチックの調査・研究を行っているところでございます。委員のおっしゃるとおり人工芝由来と思われるマイクロプラスチックは、色が緑色、形がへら状をしているということで、漂着マイクロプラスチックの中でも特徴的で、数量も多いという結果が得られております。
環境科学センターでは、劣化のあまり進行していない破片の形状等から、これらの発生源は主として玄関マットなどに使われる人工芝ではないかと推定しているところでございます。
質問(松崎委員)
○ 今のお話しですと、発生源は主として玄関マット、あの玄関のマットですよね。そのままですけれど。そういう結果が出ているということですけれども、玄関マットというのは初耳なんですが、県はどう対応していくんですか。
答弁(関大気水質課長)
○ お答えいたします。発生源と推測しております玄関マット、こういった製品は、家庭用も含めまして一般に広く使用されていると思われます。ですので、製品の劣化等に対して適切な対応を図っていただくよう、広く県民に呼び掛けていきます。
また、マイクロプラスチックに関する調査・研究は今後も継続していきますので、知見の集積に応じて対応を検討してまいります。
質問(松崎委員)
○ いま知見の集積という言葉がありました。大変重要だと思います。玄関マットだとおっしゃるけれど、東京湾を取り巻く東京都を含めて、千葉県も神奈川もそうですけれど、見れば当然大規模な運動施設とか様々な遊戯施設、様々な公共の場所に、この人工芝関連のものというのは広く敷き詰められているわけでありまして、ゴルフの練習場などもそうですし、運動施設もそうですよね。たくさんありますね。みなとみらいの方に行ったらそういう敷き詰められた場面というのもありますし、マンションの屋上なんかもたくさん見ますね。だから、必ずしも私は玄関マットだけじゃないんじゃないかと思うんです。その辺どうですか。
答弁(関大気水質課長)
○ 限られた知見かも知れませんが、環境科学センターが調査した範疇でございますけれども、形状がたとえば今、委員がおっしゃられたようなたとえばサッカー場のような所では、資料上の知見ですけれどももう少し繊維の長いものと記述されております。そういったことを考えると見つかった破片の形状からすると、そうではないもうちょっと繊維の短い玄関マットなどに使われるものではないかと推測しているところでございます。
質問(松崎委員)
○ その科学的にかなり分析をなさっておられて、やっぱり玄関マットだろうというふうに絞り込みがある程度されているようです。ならば、対策も絞り込みに応じてある程度立てていくことは可能ではないか、というふうにも思われるので、是非そこは神奈川県単体で取り組むということも、この場合東京湾ですので、海流の関係もあるかも知れませんが、必ずしも神奈川県の沿岸に限られるものではないだろうと思われるので、その辺の対策はやっぱり一都九県とか、様々な取組みの形があると思われるので、広く問題提起をしていっていただいて、やっぱり他県とも或いは東京ともよくご協議をいただいて、幅広く東京湾を取り囲む形で取り組んでいただくということが必要かと思います。
事はやっぱりマイクロプラスチックの漂着ですので、やはりこれは生態系に与える影響も含めて非常に問題が深刻であって、地球の環境にも大きく影響すると思われますので、是非よろしくお願いしたいのですが、その辺のお気持ちやお覚悟はいかがでございますか。
答弁(関大気水質課長)
○ お答えいたします。調査・研究に関しましては、少なくとも横浜市の環境研究所などとは情報交換をしつつ、委員からお話の中にありました野島海岸などは調査の初期の頃に共同で意識合せ等も含めてだと思うのですが、調査をしたという経緯もございます。今後もそういった共同活動は続けていきたいと存じます。
それから東京湾の自治体間の連携ですが、「東京湾の総量削減計画」などがございますので、そういった連携の取組みを大事にし、対応してまいりたいと思います。
質問(松崎委員)
○ 是非よろしくお願いします。東京湾の環境への対策ということは、これは非常に県民の方々、横浜市民の方々、関心が深い、私もその一人です。こどもたち、次の世代へ繋ぐという意味でも是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。
質問(松崎委員)
○ 次に漁業について伺いたいと思います。先ほども冒頭申し上げたとおり、地元金沢区の漁師の皆さま、漁業者の皆さまによりますと、現在の主要な漁獲の対象の中に、タチウオがあるということであります。どの位の漁獲量があるのか、また、その取扱金額はどの程度であるのか、確認します。
答弁(山本水産課長)
○ お答えいたします。令和元年の東京湾も含めた本県全体のタチウオの漁獲量は217トンで、取扱金額は1億2千7百万円にのぼります。
近年は、年間200トン前後の漁獲量で推移していますが、県の水産技術センターの調査によると、令和2年度以降も、タチウオの漁獲量は増加傾向にございます。
東京湾におきましては、令和元年には、小型底びき網の合計漁獲量が490トンありましたが、このうちタチウオの漁獲量は165トンで、漁獲全体の34%を占めており、小型底びき網における魚種別漁獲量で第1位の重要な魚種となっております。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ タチウオが東京湾の漁業にとって重要な魚種であることが分かりました。一方で、メディアの情報によればタチウオは遊漁船でもかなり人気があるようです。遊漁での漁獲量はどの程度なのか。また、遊漁対象としてのタチウオの魅力はどんなものなのか、確認の意味で伺います。
答弁(山本水産課長)
○ お答えいたします。遊漁におけるタチウオの漁獲量に関する統計資料はございませんが、水産技術センターが一部の遊漁船を対象に調査を実施したところ、漁業による漁獲量を上回る可能性が示唆されています。
タチウオは、日本周辺に広く生息しており、東京湾では以前から遊漁の対象になっていましたが、特に10年ほど前から良く釣られるようになりました。初心者でも比較的、手軽に釣ることができるうえ、引きが強く、釣りごたえもあることから、人気の遊漁対象魚種となっています。
また、淡白な身で、色々な料理で美味しく食べることができるので、釣った後の楽しみも格別ということでございます。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ 確かに美味しいですよね。見た目も形も釣る側からすれば、釣ったという感じがすごくあって、手応えというか、満足感も高いんじゃないかなと思います。東京湾へ遊漁船で出て行って、一定の漁獲があって帰るというのは、言わば釣り人の琴線に触れるというか、そういうものなんだろうということを思います。そして、ご家族などでお出掛けになって、楽しんでおられる方々の笑顔というのは、やはり東京湾のひとつの重要な観光の資源にもなっているんだろうなと思っています。
今ご報告があったとおり、タチウオは、遊漁の方が漁業を上回るかもしれないということで、かなりの量が漁獲されていることは、水産技術センターでも把握、確認されている。これを県としてどう考えていますか。
答弁(山本水産課長)
○ お答えいたします。タチウオの漁獲が増えていますが、単一の魚種に利用が集中すれば資源が枯渇する恐れがあり、適切な利用を進める資源管理が必要と考えます。東京湾においては、一部の漁協で令和3年度から、タチウオの資源管理に取り組んでいます。
資源管理としましては、重量200グラム以下は漁獲を禁止し、加えて、毎週土曜日、それから市場が休みの日の前の日は出漁を自粛するという内容でございます。今後は、漁業者同士の取り決めに基づいて、取組の結果を検証し対策を見直していく「資源管理協定」に移行され、漁業者の主体的な取組として継続されます。
県では、こうした取組を他の漁協へ広げるために、東京湾を漁場とする他の漁協に対しても、資源調査など科学的根拠に基づく資源管理の方策の提案や助言をすることにより、資源管理協定の策定を促してまいります。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ 今、新しいお話しがありました。タチウオ対象、つまり単一の魚種を対象として、資源状況が悪化していくことを懸念しているということが一つと、それから、その対策としてどうするかということで、資源管理指針に基づきながら、一部の漁協等で行われている取組を、これは東京湾全体で広げていくということでよろしいんでしょうか。
答弁(山本水産課長)
○ 資源管理協定の取組につきましては、県内ですけれども、東京湾の漁協に限らず、相模湾も含めて、全ての漁協でやっていただくということで、今、取り組んでおります。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ 承知いたしました。全体に広げていくということだと思います。よろしくお願いいたします。ただ一方で、楽しんでおられる方々の笑顔が消えてしまうことのないように、そこは調和を取っていただくということですよね。よろしくお願いいたします。
質問(松崎委員)
○ 漁業や遊漁にとってタチウオが重要な資源であるということは分かりました。そのほかにも、東京湾で、かつてノリの養殖、金沢は今でもノリの養殖が盛んでございますが、海藻類の養殖について、どのような状況でしょうか。
答弁(山本水産課長)
○ お答えいたします。横浜市金沢地区では現在もノリ養殖が行われており、他にもワカメなどの海藻養殖が行われています。
しかし、近年、海洋環境の変化に伴う海水温の上昇などによりまして、ワカメでは養殖期間の短縮や、育成不良などの影響で生産量が減少していることから、海藻養殖においても温暖化対策が求められています。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ 大変厳しくなってきているということであります。海藻類の養殖、シャコとかマコガレイが、なかなか資源が減少している中で、安定した重要な収入源となっているということだと思うんですけども、近年の温暖化の影響に対して何か取組を行っているのでしょうか。
答弁(山本水産課長)
〇 お答えいたします。県としましても、安定した漁業収入となる海藻養殖は重要と考えており、水産技術センターでは、温暖化に対応した養殖などの技術の開発を行っており、ワカメ養殖では、本県産や他県産の品種の交配試験により、早生系、早く育つものや水温が上昇しても十分な収穫量の得られる新たな品種の作出に取り組んでおります。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ つまり近年の水温の上昇、温暖化、こういったものに対して、今までの養殖漁業がなかなか厳しくなってくるので、これを乗り越える温暖化対策ができる、つまり水温の上昇に対抗できる、適応できるような新たな養殖漁業へと踏み出していくということでしょうか。
答弁(山本水産課長)
〇 本県では、現在、藻類養殖が中心に行われているんですが、その藻類養殖において、今、ワカメの高水温でも耐えられる品種を開発するということで取り組んでおります。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ 今、そういった形で養殖漁業の、海藻類について言えばバージョン2.0というんですかね、温暖化に適応した形での持続可能な養殖業をやろうということであります。これはしっかりと取り組んでいただきたい訳ですが、これまでも、二枚貝を育てて収入源としていこうという取組を続けてきたと思うんですけれども、現在の状況はどうですか。
答弁(山本水産課長)
〇 お答えいたします。現在、東京湾におきましては、横須賀地区の漁業者が、マガキ養殖に取り組んでいます
マガキ養殖は、餌を与える必要がないということで、比較的飼育管理が容易であることから、水産技術センターによる技術指導のもとで試験養殖を始め、平成30年には横須賀市東部漁協の地先に区画漁業権を設定して、本格的な養殖事業を開始しました。
当初は、マガキの種苗を宮城県から購入していましたが、水産技術センターがペットボトルを活用した効率的な種苗の採集方法を開発しまして、本県産の種苗による安定した養殖ができるようになっています。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ ペットボトルって、どうやって活用するんですか。
答弁(山本水産課長)
〇 ペットボトルを輪切りにして、その筒状にしたものを、ネットに重りと一緒に入れて、
海水中に吊るしておきます。そうすると、そのペットボトルに牡蠣の幼生が付着します。ペットボトルは表面がツルツルなので、牡蠣の幼生をその後、落として集めるということが容易にできるというものでございます。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ 先ほどは、プラスチックは非常に東京湾を傷めるものというふうに取り上げたんですが、一方で、そういう、いい方で活用できることもある訳ですね。そこは、水産技術センターの方々がいろいろと試行錯誤の上のことだと思います。本当にありがとうございます。
質問(松崎委員)
○ もう一点お聞きしますけれども、今、貝類のことを聞いているので、さらに貝類については、まだまだ掘り下げていかなければいけないんだということを聞いているんですけれど、いま現在、新たな貝類の養殖というのは、どんなふうに進んでいますか。
答弁(山本水産課長)
〇 お答えいたします。横浜地区では、冬の比較的短期間で養殖できるホタテガイの養殖試験を行ったほか、ホタテガイの仲間であるヒオウギガイの養殖も試みました。
また、横須賀地区では、トリガイの養殖試験にも取り組んでいます。
今後も、マガキやイワガキなど、二枚貝の養殖をはじめ、新たな養殖対象種の導入に向けた検討を続けていきます。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ 今おっしゃったホタテガイとかトリガイというのは、確かに私もこの委員会で、何年か前に聞いているんですけれど、その辺の成果はどうだったんですか。
答弁(山本水産課長)
〇 お答えいたします。ホタテガイにつきましては、種苗の確保が困難ということで、なかなか厳しいという状況でございます。それから、ヒオウギガイにつきましては、成長が遅くて汚れがたくさん付いてしまうということで、これもなかなか難しいということが分かっております。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ そうすると見込みがありそうなのは、どこなんですか。マガキとかイワガキですか。
答弁(山本水産課長)
〇 おっしゃる通り、マガキですとか、イワガキ、これが今、有望な二枚貝の養殖の対象種と認識しております。以上です。
質問(松崎委員)
○ ありがとうございます。有望なところに取り組んでもらいたいのと、それから、もう一つ、アサリなんです。海の公園でアサリが取れたり、あっという間に取れなくなったりというふうにしているんですね、最近。お聞きしたいんですけれど、アサリを安定的に、いつでも潮干狩りが楽しめるというふうに、親しみの沸く東京湾というか、海の公園にしたいと、地元としては思うんですけれど、アサリが安定的に取れるような仕組みというのは何かないんですかね。
答弁(山本水産課長)
〇 お答えいたします。アサリにつきましては、横須賀地区で造成された小規模な浅場で、水産技術センターが網袋に砂利を入れたアサリ採苗袋による採集試験を行ったところ、稚貝を効率的に採集できることが確認されました。
そうして集めた稚貝を地先の海に放流することで、アサリを増やすことができます。
今後、例えば、横浜市にある海の公園などでこうした技術を活用することで、市民による潮干狩りなどを含め、アサリ資源の持続的な利用が可能になると考えております。答弁は以上です。
質問(松崎委員)
○ 多いときは本当に海が一面、家族連れで埋まるというぐらいに、ご存じの方が多いと思いますけれど、横浜の中で、あるいは関東圏の中で断トツにアサリ取りの人気の場所でありまして、金沢区が賑わう訳です。ここでやっぱり、いつ来ても一定のものが見込めるとなるか、あるいは、取れないときは全然取れないんだよとなってしまうか、大きな違いがあって、地域の振興ということにも大切だと思います。これは金沢区の問題だけでなくて、やっぱり生態系と共存しながら楽しんでいく東京湾というものを、神奈川県と横浜市とが協力しながら作っていきたいという強い思いがありますので、是非、ここのところは、水産技術センターの皆さんにも、さらに研究を進めていただいて、これ実用化していくということでよろしいんですか。
答弁(山本水産課長)
〇 はい、アサリの稚貝の採集技術に成功しておりますので、これをどんどん活用してまいりたいと考えております。以上です。
質問(松崎委員)
○ 今ですね、いろいろとお聞きしてきました。最後にお聞きしますけれども、東京湾の漁業、貧酸素水塊や地球温暖化の影響で漁獲量が減少しておって、大変厳しい状況にございます。県は今後、東京湾の漁業を振興するため、また、市民の皆さまに広く親しんで東京湾と共存しながら、より良い関係を、生態系を保全しながら進めていくために、どう取り組んで行くのか、お聞きしたいと思います。
答弁(山本水産課長)
〇 お答えいたします。東京湾漁業の大きな障害となっている貧酸素水隗につきましては、覆砂や窪地の埋め戻しなどの緩和策の実施を、国の関係機関に働きかけてまいります。
また、現在の東京湾の漁業を支えている重要な魚種であるタチウオにつきましては、持続的に漁獲量が維持できるように、漁業者等による資源管理の取組を促していきます。
さらに、マガキなど二枚貝の養殖の普及や、アサリの増殖による漁場の活用など、新たな養殖、増殖にも取り組んでまいります。
こうした取組により、県はこれからも東京湾漁業の振興に取り組んでまいりたいと考えております。以上です。
要望(松崎委員)
○ 最後に要望を申し上げます。東京湾の漁業は、貧酸素水塊や地球温暖化の影響により、漁獲量が減少するなど、大変厳しい状況にあります。こうしたなか、東京湾の漁業を存続して行くためにも、貧酸素水塊の対策や資源管理、そして、海藻や貝類に加えて魚類も含めた養殖の普及など、早急な対応が必要です。
また、市民の皆さまに親しんでいただきながら、東京湾と我々暮らす住民が共存していく、そういうサイクルを回していく必要があります。県は、国や他の都県とも連携しまして、これから一層、東京湾の漁業、そして生態系の保全にしっかりと取り組んでいただくよう要望して私の質問を終わります。