令和5年3月9日 予算委員会・一般質疑(立憲民主党・民権クラブ 松崎委員)

(松崎委員)

次はですね、安全・安心な県民生活の確保につきまして、縷々伺っていきたいと思っております。

まず、台風や大雨による浸水被害、土砂災害への対策について伺います。

令和元年の台風15号の時、私の地元の横浜市金沢区の福浦地区と幸浦地区で、高潮による大規模な浸水被害がありました。多くの事業所が被災をされました。被災当時、知事をはじめ、横浜市長、また、国からは菅内閣官房長官が被災した金沢臨海工業団地に足を運んでいただきました。その後も様々な支援をいただき地元議員として改めて感謝申し上げます。

金沢区が公表しているハザードマップでは、慶長型地震による津波が発生した場合に、海に面した地域や、区内を流れる河川周辺の地域で広範囲な浸水被害が、また、金沢区をはじめ本県の沿岸地域では、洪水や高潮による浸水被害も発生することが危惧されております。

現に、台風15号による高潮被害は金沢区が大きかったのです、海に面する本県では、しかし、どこで起きてもおかしくない災害であります。

そこで県では、台風15号による浸水被害などの教訓を踏まえ、このような災害の危険が迫った場合に、被害の拡大を防ぐため、どのような体制で臨むのか伺います。

(応急対策担当課長)

県では、災害に備え、24時間・365日、職員を県庁に配置し、災害に関する情報収集体制を確保しています。

そして、気象警報の発表など、災害リスクの高まりに応じて、警戒体制、応急体制、本部体制と職員を増員し、体制を強化しながら、情報収集や関係機関との連絡調整を行います。

(松崎委員)

令和元年のこの台風15号の後に、すぐ台風19号が参りました。当初の予報は、本県に上陸し、横浜市内でも甚大な被害を再び発生させる恐れがあるという内容でありました。

実際の進路は、静岡県に上陸し、神奈川県を通過して、相模原市緑区で大規模な土砂災害が発生をし8名の方が亡くなられ、また、川崎市中原区では浸水被害により1名の方が亡くなられました。謹んでお悔やみを申し上げます。

台風の進路は刻一刻と変わり、県民の皆様の安全を守るためには、適時に適切な、取り得る限り最大限の体制で臨む必要がございます。

避難対策は基本的に市町村の役割ではありますが、台風の接近前、また大雨が降る前の段階で避難を促すために、県はどのように対応するのか伺います。

(応急対策担当課長)

台風の接近が予想されるおおむね2日前に、横浜地方気象台から、台風の進路、予想される雨量・風速、発生する恐れがある被害について説明がなされますので、その情報を市町村と共有しています。

また、気象情報をはじめ、河川の水位や土砂災害の危険度を示すメッシュ情報などを基に、リスクの高まりに応じて、早めの避難に向けて、市町村に適切な避難情報の発令等の助言を行います。

(松崎委員)

台風が接近する時に、被害の拡大を防ぐ、このためには、市町村との情報共有に加えまして、県民への情報発信が重要であることは言うまでもありませんが、県はどのように対応するのか伺います。

(応急対策担当課長)

県民の皆様には、県ホームページに設ける「台風特設ページ」やSNSで、「台風の進路」や「風雨の見込み」、「今後の気象情報」をリアルタイムで提供するととともに、ハザードマップで、自宅周辺で災害発生の恐れがある箇所や、避難場所・避難経路を確認するよう呼びかけます。

また、大雨警報や土砂災害警戒情報等が発表された場合には、県ホームページやSNSを活用して、リアルタイムで情報を発信するとともに、市町村から避難情報が発令された場合には、速やかな避難を呼びかけます。

(松崎委員)

気候変動の影響で台風は大型化してきてまいりました。また、一回ごとの台風の被害も激甚化しております。大型の台風が神奈川県に上陸する場合、甚大な被害の発生が予想されるわけであります。そういう事態に至った場合に、市町村だけでは対応できないことが想定されます。その際、市町村を支援することは県の役割と認識しますが、どのように対応するのか伺います。

(応急対策担当課長)

災害により甚大な被害が発生する恐れがある場合には、必要に応じて、県職員を情報連絡員として市町村に派遣し、被害情報や、災害対応に関する市町村の要望等を把握し、必要な支援につなげます。

また、市町村からの要請に備え、市町村が開設する避難所の開設・運営の応援要員として、県職員を派遣する準備等を進めます。

(松崎委員)

全国的に見ますとですね、23年に発生した東日本大震災、また28年には熊本地震、30年7月には豪雨、また、令和元年の先ほど申し上げました台風15号、甚大な被害が発生しておるわけであります。

こうした大規模災害が発生した場合、本県から職員を被災地に派遣していまして、熊本地震の場合、延べ40人の県職員を、15号の台風の時は延べ45人の県職員を被災地に派遣しております。派遣職員が現地で得た経験、また、教訓は大変貴重なものだと考えております。  

こうした経験とか教訓を本県の防災行政に生かしていく必要があると考えますが、どのような取組を行っているのでしょうか。

(危機管理防災課長)

県では、県職員や市町村職員を対象とした研修会などで、被災地に派遣した職員の活動報告を行い、被災地で得られた知識や教訓の共有を図っております。

また、今年度、東日本大震災の被災地へ派遣した職員の意見を改めて聴取し、平成29年に策定した「意見集」を大幅に充実させました。今後、この意見集の内容を「神奈川県震災復興対策マニュアル」の修正に反映させていきます。

(松崎委員)

 今、マニュアルを修正するというお答えがありました。大変大事なことだと思います。ぜひ早急にお願いをいたします。

それから、県内には中小河川もあわせますと、100を超える河川がございまして、東京湾、相模湾に流れているわけであります。台風の直撃、また、大雨が降り続いた場合、高潮ですとか、大規模な洪水、それから、内水氾濫が広範囲に発生することが危惧されます。洪水や内水氾濫の規模によりましては、市町村の要請があった場合、市町村境を越えた広域避難が必要になります。

市町村に目を配りながら適切に対処すること、それもスピーディにやることが重要でありますが、そのような危険が迫った時、県はどう対応するのか、防災部長に伺います。

(防災部長)

市町村境を超える広域避難に関しては、県が調整役を果たす必要があると考えております。

広域避難を円滑に実施するためには、気象状況や浸水範囲の予測などから、広域避難の必要性や、避難することが可能な地域などを、早い段階で見極める必要がございます。

そのため、市町村はもとより、気象庁の防災対応支援チームとして派遣される連絡員や、 河川管理者、指定公共機関たる運送事業者などと、最新の情報を共有し、連絡調整を密に図りながら、市町村への助言、避難先との調整などに対応してまいりたいと考えています。

(松崎委員)

まさに的確なお答えだと思います。ぜひよろしくお願いします。