令和5年9月29日(金) 総務政策常任委員会

(立憲民主党・かながわクラブ 松崎委員)

松崎委員

 関連でお聞きします。

 厚木基地等で採水結果の公表まで時間を要した理由につきまして、国から明確な説明がない。また横田基地のPFOS等の流出があったにもかかわらず、長期間にわたり自治体に情報提供されていなかった問題について、防衛省内の問題という趣旨の答弁でありました。

 米軍基地の問題について国とかアメリカ軍は、情報提供に後ろ向きの姿勢であることが、改めて明らかになったと思います。さらに横田基地の問題では情報提供ミスもあったということでありまして、事案ごとに原因があるとは思うんですが問題の本質として、国やアメリカ側がですね、情報提供に後ろ向きである。その根本的な原因はどこにあるのですか。

基地対策部長

 この基地の問題についてですね、情報がなかなか出てこないという根本的な原因でございますけれども、米軍基地についての情報提供の現行の仕組みが、有り方がですね、必ずしもその最新の基地問題、特にその基地の環境問題に適応できていないのではないかと、このように私どもでは受けとめております。今のその情報提供の流れというものはですね、米側が日本政府に対して情報を提供し、日本政府が自治体に対して情報等を提供するという流れになっております。

 一方で、現行の日米地位協定には情報提供を義務づけるような規定が、これは置かれておりません。また、平成27年に日米で合意された環境補足協定につきましても、環境問題について、日米両国政府間で情報を共有するという規定は設けられましたけれども、その後、共有した情報を積極的に開示するとか、或いはその自治体に提供する、きちんと基地周辺住民の方々安心のために、必要な情報を提供していくというような作りにはなっておりません。安全保障に関する情報についてはその提供、一定程度制約があるということは理解をいたしますけれども、やはりその環境問題ということにつきましてはやはり、基地周辺住民の方々の安心のために、積極的に開示していただく。そして、自治体にも情報を伝えていただく。こうしたことが重要ではないかと考えております。こうした考え方や仕組みになっていないということが、やはりこの問題の根本にあるのではないかと理解をしております。

松崎委員

 今触れられたそうした点につきましてはぜひ改善に向けて働きかけていただきたいと思います。日米地位協定には情報提供の仕組みがないということでありましたら、そうした中で日米両国政府は情報提供の重要性を十分に理解できていない可能性さえあると私は思います。神奈川県として情報提供の重要性につきまして、日米両国政府一体という考えがあるのかどうか、また、どのように訴えていくのか見解をお聞きします。

基地対策部長

 この情報提供の問題につきましては、これまでも渉外知事会ですとか基地関係県市連絡協議会において、その要請の中で、非常に優先度の高い要請事項として、取り上げて国に働きかけてきたという経緯がございます。一方で国や米側において、そうした私どもの考え方、情報提供の重要性をしっかりと理解をして取り組んでいただいているかと言いますと、今回の結果から見ますと、必ずしもそうなっていない。今回の一連のPFOSをめぐる情報提供についても、必ずしも適時適切に行われてこなかったのではないかと、このように受けとめているところでございます。

 こうした状況を改善するためには、私といたしましては、基地に関する情報提供を日米間でしっかりと制度化していただくということが大切なのではないかと考えております。こうした私ども神奈川県の課題認識について、今後各基地関係の協議会等で課題、問題提起をさせていただくとともに、国や米側に対しても、私どもの考え、情報提供の重要性、そして制度化が必要ではないかと、こうした考え方を訴えて、理解を得るべく働きかけて参りたいと考えております。

松崎委員

 情報提供の制度化について触れられました。何か具体的に要請を行うということですか。

基地対策部長

 この制度化につきましては神奈川県の考え方ということでございまして、これについて要請を行うということになりますと、やはり渉外知事会等の場に問題提起をして、検討していくというプロセスがどうしても必要になっております。今後、国への働きかけの手法も含めて検討させていただければと考えております。

松崎委員  情報提供の問題は重大な問題をはらんでいると私は考えています。私が危惧いたしますのは何か重大な問題が起きたとき、情報提供が大きく遅延する、或いは隠蔽をされるということになりますと、国民県民の反発を当然招くわけでありまして、基地の存続自体も危うくなります。日米安全保障体制の根幹にも関わってくるということになりますから、重要な問題であることは論を待ちません。県としてしっかり働きかけていただきたくことを要望します。