平成17年1月決算特別委員会での質疑のまとめ
盲・聾・養護学校のスクールバスの増強を求める
松崎: 最近の盲・聾・養護学校のスクールバスの状況について、運行台数、経費、一校あたりの運行状況は。
県側: 15年度の運行台数の実績は、16年4月開校の津久井養護学校の試験運行契約の3台を含めて68台だ。経費は5億7982万4915円だ。運行台数の多い学校は肢体不自由学校の中原養護学校が7台、鎌倉養護学校が6台、座間養護学校が6台である。少ない学校は病院に併設している2校を除き、知的障害養護学校の伊勢原養護学校で運行がない、藤沢養護学校1台、湘南養護学校2台となっている。
松崎: 肢体不自由児を対象とした学校に重点を置いてバスを運行させているようだが、スクールバスの運行の基本的な考え方は。
県側: 子どもたちの義務教育保障のひとつであり通学手段の確保である。このため肢体不自由学校では通学範囲を巡回させているし、知的障害養護学校では原則として最寄り駅から学校までを送迎し、高等部生徒は自力通学を原則としている。しかし最近では、知的障害養護学校でも子どもたちの障害が重度化、重複化、多様化してきているので、空席があれば高等部生徒でも利用できるようにし、相模原養護学校では巡回型の運行もしている。ただ社会実情を考えるとできるだけ早い段階から自力通学ができるようになればという思いもあり、特に知的障害部門の高等部生徒はできる限りスクールバスを使わないで自力通学訓練ができるような形でお願いをしている。
松崎: 障害のある子の通学を保障していくこと、保護者の負担を軽減することを考えると子どもたちの自宅になるべく近づけて乗降ポイントを設ける必要がある。そこで、この乗降ポイント設置の考え方を示してもらいたい。
県側: 通学範囲を巡回しているバスはできるだけ短時間での運行が必要で、その年にスクールバスの利用を希望する子どもたちの居住地と合わせて効率的な運行を考えている。その上で、スクールバスならびに送迎の保護者にとって車を安全に停車させることのできる場所を警察署と協議して選定している。できるだけ乗降ポイントを数多く設けてきめ細かな運行ができるような努力はしている。さらに一人一人の障害の状態をよく把握して、例えば乗降ポイントまでの送迎が困難な家庭もあるし、お子さん自身の障害が大変重い場合もあるので、できるだけそうした方々に近い場所に乗降ポイントが設置できるように、毎年見直しの中で努力するように各学校を指導している。
松崎: もう一つ、スクールバスそのものの増車については、どういう理由でどの学校で行っているのか。どういう考え方に基づいているのか。
県側: 利用を希望する児童生徒が増加して、バスの台数が不足する場合と、居住範囲が広がって現状の台数では運行時間が極端に長くなる場合に、増車している。さらに最近では養護学校に入学する児童生徒が急増しているので、隣の学区の比較的教室に余裕のある学校の方に通学してもらうというケースでも増車している。15年度は湘南養護、高津養護に1台ずつ、瀬谷養護に2台の増車を行い、逆にコースが重なる平塚盲学校と平塚ろう学校は統合して1台減とした。また16年4月に開校した津久井養護学校には3台を配置した。
松崎: 養護学校は、小中学校と違って自宅のすぐそばにあるわけではないし、バスポイントまでの送迎も相当な負担を伴う。一人一人の通学保障の点からもよりきめ細かい対応をお願いする。将来の社会的な自立に向けた自力通学の指導に当たっては、保護者任せにしないで、学校としても保護者とともに指導をしていくということ、よろしくお願いしたい。