平成18年3月1日と3日の環境農政常任委員会での質疑のまとめ

3 アマモによる海の環境改善について

松崎        まず聞きたいのだが、330万円という事業費は来年度限りということではないと思うが、このアマモの海の環境改善事業のめざしているものはなにか。

答弁

(水産課長)            海の環境改善ということですが、とりあえず少しでも海をきれいにしよう、魚をたくさん増やそうというのが目標であります。

アマモというのは海をきれいにする機能を持っておりますし魚の増殖の場でもあります。アマモだけではすべて海をきれいにはできないのですが、アマモをシンボルといたしまして、県民市民の方が参加でき、海に親しみながら海の環境改善ができることをめざしておりますし、また、少しでも他の海の環境改善策につながればと思っております。

松崎       この事業の予算額は平成18年度は330万円であるが、どのくらいのアマモを生産し、どのくらいの規模のアマモ場を造成するのか。

答弁

(水産課長)      18年度事業についてでございますが、アマモの種と苗の量は、種が20万粒、移植用の苗が5千株でございます。

 この種と苗を使って1年間で約1,700㎡のアマモ場造成を予定しております。

松崎       約1,700㎡ は、何かにたとえるとどうなるのか。

答弁

(水産課長)       東京ドームの十分の一ぐらいです。

松崎       目標としているのは東京湾ですね、確認のため。

答弁

(水産課長)       東京湾全体を考えているが、まずは神奈川からです。

松崎       18年度が東京ドームの十分の一ぐらいだとすると、東京湾まですべてという訳でないと思うが東京湾内の内水面の区分に沿って取り組みを進めると思うが、目標までの道のりはどのようになっているのか。

答弁

(水産課長)       どこまでというのはなかなかむずかしいのですけれど、かつて、戦後昭和20年から現在、平成4年までの数字ですが、東京湾全体の藻場が100ヘクタールほど消失しております。昔の海までもどすとなると100へタールほど藻場を増やすことになりますが、アマモは海面の浅いところ光で受けて生息しているので、例えば、川崎の扇島の横で植えようと思っても植えられないという状況があります。そこで、どこまでいけるかわかりませんが、少しでも増やしたいと思っています。

 一つの目標としては昨年3月に策定したかながわ水産業活性化指針の中で、藻場を10ヘクタール増やすという目標をたてておりまして、そのうち、東京湾内はアマモ場を3ヘクタール増やすことを目標にしております。

松崎       3ヘクタールという具体的な答えだ。そこで、19年度以降の事業計画及びどのくらいのピッチでどのくらいスケールで行こうとしているのか。

答弁

(水産課長)     この事業は3年間事業でございますが、毎年1,700㎡ペースで3年後には約5,000㎡となります。

また、この事業がはじまるまで、15年度から3年間ほど事前に少しずつ練習しており、3年間で2,700㎡の藻場造成を行いました。

そこで、3年後にはあわせましておよそ0.8ヘクタールになります。

松崎       3年で、0.8ヘクタールということだが、だいたいの目途でよいが、いつごろ活性化指針の目標の3ヘクタールを達成できるのか。

答弁

(水産課長)       人手で植える部分もありますが、うまくいくと、植えた部分も含めて自然に3年間で倍になります。核となる部分を植えてやれば、0.8ヘクタールが3年間で倍になり、うまくいけば、さらに3年で3ヘクタールの目標に達成します。全てがうまくいくわけではありませんので、植えてもだめな場合もございますので、足らなければ人間が植えていきます。

松崎       そのように増えるというのも、人の手がなにかしらの形でかかわり、継続することが必要だと思います。そこで、NPOなどとの協働となっているが、アマモによる環境改善にどのくらいの県民の参加を考えているのか。

答弁

(水産課長)       アマモを造成するには種をまき、苗を植える方法があります。県内の種をとるために、アマモの花を採取する作業や苗を埋める作業など、そういった作業をNPOの方々にお願いしまして、3年間で5,000名の方の参加を募る予定です。

松崎        豊かな海づくり大会は植樹祭とならんで大変大きな事業だと思う。大会終了後に、施策、を打っていくと言うまた違った厳しい面、合理性の面があるにもかかわらず、継続してゆかなければならないという判断をされたことは大変評価できます。また、5,000人もの方を巻き込んでいくということは、海づくり大会の継承ということも含めて有意義なことだと考えております。3年と言わずその後もあり得るという話がありましたが、ぜひ、息の長い腰を据えた事業として続けてほしい。