2004年12月 決算特別委員会の質疑のまとめ

神奈川県立の病院事業決算についての質疑

後発医薬品の使用拡大を求める

松崎:   後発医薬品は先発品よりも研究費を省略できる分低価格なので、患者さんの負担を軽減できる。厚生労働省でもこうした医薬品の使用を推進してきたし、県も使用を促進する指針を出している。県立病院での使用状況、品目数、金額は。

県側:   全県立病院の全使用医薬品数4082品目のうち282品目、6.9%だ。全使用医薬品購入金額54億7100万円のうちでは1億100万円で金額による使用率は1.9%となっている。

松崎:   品目では6.9%、金額では1.9%というのは全国ではどういう位置にあるのか。

県側:   品目数による使用率は7位、金額による使用率は21位だ。

松崎:   品目数ではベスト10だが残念なことに金額では21位にとどまっているというのは、使用促進上どういう課題があるのか。

県側:   各病院が後発医薬品の判断材料が少なくて苦慮している。また薬効成分量に3倍以上のばらつきがある。しかしそういう課題はあるものの使用促進の指針を県としては出しているわけで、当面品目数で10パーセントを目標にして努力をしている。

松崎:   いまのはかねてから指摘されてきた後発医薬品についての議論であるが、厚生労働省も現場の医師の懸念にどう応えるかということで様々な取り組みを行ってきているのではないか。例えば承認審査に際して14年からは品質確保の検査を強化しているし、それ以前からのものに対しては品質再評価事業を計画的に実施して結果を公表してもいる。安全性情報についても収集、提供、調査、指導強化を行い、安定供給に関する指導強化も行っており、これらあいまって後発医薬品に対する信頼性の強化ということが国をあげて図られてきたと理解している。さらに診療報酬請求の計算上も調剤に係る加算があり使用拡大が図られているところだ。ところで東京都の病院会計決算審査意見書が9月30日に出されているので入手して調べてみた。東京都では神奈川県と違って品目数と金額の両方で目標を設定し、その実績に対して評価を行う決算審査が行われている。その金額ベースの比率は目標の4.3%に対して実績が0.9%足りないというので非常に厳しい審査を行っている。金額による使用促進も目標を定めて行っていくべきだ。

県側:   当面は品目数10%を達成し、次のステップとして新たな目標を設定する際には、患者さんの経済的負担を軽減するということから、金額による使用率を目標とすることも検討したい。

松崎:   早くて17年度から金額による目標も設定すると理解してよいか。

県側:   品目数10%の目標が16年度で達成できるかどうか定かでないので、目標が達成された次のステップということで考えている。

松崎:   16年度の採用品目数の目標が10%なのだから16年度に目標を達成していただきたいと思っているので、金額による目標の導入は早ければ17年度であると理解する。