2016年9月23日 本会議一般質問

(質問要旨)

2.活力あふれる神奈川の実現

(4)県債の発行に係る利子負担について

(松崎)   

 プライマリーバランスは、ある程度の借り入れを行っても、借入利率以上に経済が成長すれば、その返済の負担は相対的には重くならないという考え方が根底にあるが、本県の県内総生産はバブル期以降、ほとんど伸びておらず、ゼロ成長であれば、利払いの分がそのまま負担増となり、それだけ財政運営に大きな影響を与えることになる。

 そこで、バブル期以降、名目県内総生産は30兆円台前半で推移しており、こうした、経済成長が横ばいを続ける中では、毎年度500億円を超える県債に係る利子の支払いは、非常に大きな負担となっている。県債に係る利子の支払いを抑えるため、どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

(知事答弁)           

 最後に、県債の発行に係る利子負担についてです。 県債の利子負担を抑制するためには、なによりもまず、県債残高を減少させることが重要です。

 そのため、引き続き、臨時財政対策債を含めた県債の発行抑制に努め、「県債全体の残高を2兆円台に減少」させる県債管理目標の達成を目指してまいります。

 利子負担を抑制するために、もう一つ重要なことは、調達金利そのものを抑えることです。本県では、県債の約7割を、市場から資金調達を行う市場公募債として発行しており、調達金利を低く抑えるためには、より多くの投資家が購入しやすいものとし、県債の人気を高める必要があります。 そこで、市場公募債の発行に当たっては、あらかじめ年間の発行計画を公表するとともに、多様な償還年限の県債を一定の額で、定期的に発行しています。 ま

 た、これまで本県では、県債発行の大部分を、投資家の需要が高い「満期一括償還方式」で賄ってきました。 しかし、この「満期一括償還方式」は、元金が満期まで減らないため、毎年、元金の一定割合が減少する「定時償還方式」と比べて、利子負担が大きくなります。

 そこで今後は、これまで発行額全てを「満期一括償還方式」としていた市場公募債についても、新たに「定時償還方式」の導入を検討してまいります。

 また、既に「定時償還方式」を取り入れている銀行などからの借入れにおいても、その割合を増やしていきます。

 こうしたことにより、利子負担の抑制に努め、県債管理目標の最終的な目的である、公債費負担の減少に向けて、しっかりと取り組んでまいります。 私からの答弁は以上です。

(要望)     最後に、県債の発行に係る利子負担について要望を述べさせていただきたいと思います。

 財政運営は、船にたとえるならエンジンだと思います。正常なエンジン、つまり健全な財政運営が実現できなければ、神奈川県の施策は、一歩も前に進めることができないと考えております。

 こうした視点で、今回、最後の質問で、未来の神奈川を見据えて、健全な財政運営を実現するため、義務的経費である公債費の抑制、特に、県債の利子負担抑制の重要性を訴えさせていただきました。 知事からも前向きなご答弁をいただきましたが、是非知事におかれましては「人が輝く神奈川」、「活力あふれる神奈川」を実現するため、投資的経費について優先順位を見極め、危機意識を県民とともに共有しつつ、特に公債費の抑制に関しましては、利子負担の抑制を「第二の健全化目標」に位置づけるなど、しっかりとした財政運営に努めていただく必要がございます。

 是非とも、次の世代に明るい未来を約束する健全な財政運営に努めていただき、「人が輝く神奈川」、「活力あふれる神奈川」を県民と共に実現してまいりましょう。